痴漢で捕まったら弁護士に相談、示談交渉のポイントと慰謝料の相場

痴漢逮捕

痴漢は混雑する電車内等で行われることが多く、犯人が誰なのか正確に分からないことが多い特質があります。それなのに実刑判決を受けることもある重い犯罪であり、また報道などにより受ける社会的制裁が厳しい側面もあります。

痴漢で身近な人が逮捕された場合

刑法に「痴漢罪」という犯罪は規定されていません。通常、言われる痴漢(行為)は強制わいせつ罪(刑法176条)に該当する行為です。ただし、その行為のありさまから都道府県で制定された迷惑防止条例で処罰される可能性があります。

痴漢における強制わいせつ罪

強制わいせつ罪の対象は男女を問わず、脅迫や暴行によって相手の性的自由を侵害する、つまりわいせつな行為をする犯罪です。強制わいせつ罪については幅広い定義がありますが、ここでは痴漢行為に関わるものについて説明します。

強制わいせつ罪の構成要件と法定刑

強制わいせつ罪の構成要件は①13歳以上の男女に対し、②暴行又は脅迫を用いて、③わいせつな行為をしたこと、④その行為が犯人の性欲を刺激興奮させ又は満足させるという性的意図のもとに行われること、です。法定刑は6月以上10年以下の懲役です。

性的意図の有無、強制わいせつに必要?

強制わいせつ罪の構成要件の④性的意図にもとに行われることについては、議論が分かれる部分です。

強制わいせつ罪の故意とは

強制わいせつ罪の故意は、暴力や脅迫を用いて相手にわいせつな行為を行なっていると意識しているかです。しかし、同罪においては、そうした故意に加えて、犯人の性欲を刺激興奮する意図がなければ強制わいせつ罪は成立しないとしています。

強制わいせつ罪と迷惑防止条例の違い

痴漢行為で逮捕・起訴される時に、強制わいせつではなく、都道府県の迷惑防止条例違反で逮捕・起訴されることがあります。迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪とはどこが違うのでしょうか。

東京、大阪の場合

東京都であれば「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」が痴漢に対して適用される場合があります。禁止されている粗暴行為として「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」を挙げています。違反者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

大阪府でも同様の条例があり、禁止される粗暴行為は「衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること」と規定されています。違反者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

服の上から触っただけでも犯罪?

一般に「服の上から触ったら条例違反、服の中に手を入れたら強制わいせつ」と言われることがあります。実際に東京も大阪も衣服の上から触る行為を条例違反としていますから、衣服の上から触った場合は条例違反とされると思っていいでしょう。

強制わいせつ罪と条例違反の違い

強制わいせつ罪は被害者からの告訴がなければ起訴できない親告罪です(刑法180条1項)。被害者との示談が成立し、告訴が取り下げられたら起訴されることはありません。一方、迷惑防止条例は親告罪ではありませんから、告訴の有無は起訴には関係ありません。起訴するか否かは検察官が様々な状況を考えて決定します(刑事訴訟法、以下、法令名がない場合は同法、248条=起訴便宜主義)。

身柄拘束された本人と外部との連絡

逮捕された被疑者については、電話やメール等で外部と連絡を取ることはできません。また、家族との接見(面会)が認められない場合があります。ただし、弁護士との接見については認められます。

弁護人の接見は憲法上認められた権利

弁護人依頼権は憲法34条前段で保障されている重要な権利です。逮捕された被疑者にとって、唯一の味方とも言えるのが弁護士です。弁護士とは(弁護士になろうとする者も含む)とは、立会人がいなくても接見でき、書類や物の授受もできます。(39条1項)

特に重要な初回の接見

弁護人(になろうとする者)の接見の中でも、特に初回の接見については弁護人の選任を目的としたり、取調べにあたり助言を得たりする最初の機会ですので重要です。捜査機関においても、弁護士との接見については十分に配慮するシステムになっています。

家族との接見も逮捕直後はできない

家族との接見は逮捕から勾留されるまでの間は、原則として認められません。接見できるのは勾留されてからです。もっとも実務では、担当の司法警察員が認めれば家族との接見を認めているようです。勾留決定がされた後、家族と接見できますが逃亡や罪の証拠を隠滅する疑いがあれば接見禁止にすることができます。なお、弁護士は勾留時はもちろん勾留前も接見できます。

痴漢事件の逮捕からの流れ

痴漢事件に限らず、逮捕され裁判が行われるまでの手続きは刑事訴訟法に規定されています。その手続きの中で釈放されたり、不起訴になったり、起訴されても保釈になったり、様々な状況が起こり得ます。ここではその流れを見てみましょう。

逮捕

逮捕は被疑者を強制的に身柄拘束する処分です。逮捕と一口に言ってもいくつかの種類があります。

逮捕には4種類

逮捕には通常逮捕、現行犯逮捕、準現行犯逮捕、緊急逮捕の4種類があります。(準現行犯逮捕と現行犯逮捕を一つにして3種類と考えることもあります。)

逮捕の種類
通常逮捕 事前に令状請求する逮捕。
緊急逮捕 令状請求する時間がなく逮捕後に令状請求しなければならない逮捕。
準現行犯逮捕 令状は不要。
現行犯逮捕 令状は不要。

通常逮捕、緊急逮捕の逮捕権者は検察官や検察事務官または司法警察職員(警察官)とされています。一方現行犯逮捕及び準現行犯逮捕では、警察官だけでなく個人も可能です。(213条)。

逮捕後の動き

逮捕されると、被疑者は司法警察員から犯罪事実の要旨と弁護士を選任することができる旨が告げられます。

もし留置の必要がないと判断(思料)されれば直ちに釈放されますが、留置の必要があれば、拘束から48時間以内に書類及び証拠物とともに検察官に送致する手続きがとられてしまいます。留置されるかされないかは、逃亡したり、証拠隠滅をする可能性がないかどうかによるところも大きいので、この時点で自分はそういった心配はないことを理解してもらうことが大切です。

弁解の機会と取調

被疑者を釈放する権限は法警察員が有しています。被疑者は弁解の機会を与えられ、続いて取調が行われますが、その際に司法警察職員から自己の意思に反して供述する必要がないこと、つまり黙秘権について告げられます。(198条2項)。

被疑者が外国籍だったら

被疑者が外国人の場合、自国の領事に通報することを要請するかを確認されます。領事館との面談ができたり、弁護人の斡旋を依頼できたりすることが説明されます。

微罪処分

微罪処分とは、軽微な事件について検察官が司法警察員に対して送致義務を免除するものです。司法警察員は本来、事件を速やかに検察官へ送致しなければなりませんが、その例外である検察官指定事件の一つが微罪処分です。微罪処分とは犯罪事実が極めて軽微で、かつ、検察官から送致の手続きの必要がないと指定されたもので、その割合は全検挙人員のおよそ3割です(平成28年犯罪白書より)。

送検

逮捕され、司法警察員に留置の必要があると判断されたら被疑者は検察官に送致されます。

送検の意味
送検は被疑者の身柄を検察官に送ることではなく、事件そのものを検察官に送ることを指します。つまり書類及び証拠物とともに被疑者の身柄を送致することで、それにより事件が検察官の扱いになることを意味します。

タイムリミット48時間

検察官送致には時間制限があり、被疑者の身柄拘束から48時間以内に書類及び証拠物とともに送致の手続きがされます。

検察官送致された時の収容施設

逮捕された場合は通常、警察の留置施設に収容されます。検察官送致を受け勾留される者は拘置所などの刑事施設に収容されますが、留置施設に収容される場合もあります。いわゆる代用監獄ですが、勾留決定があった場合でも警察の留置施設にそのまま置かれることが多いようです。

勾留

被疑者に留置の必要があると考えた場合、検察官は裁判官に被疑者の勾留を請求します。裁判官が勾留決定をすれば、被疑者は勾留されます。

送致された後は?

検察官は送致された被疑者を受け取った時、弁解の機会を与え留置の必要がないと判断すれば直ちに釈放することになります(205条1項前段)。逆に留置の必要があると考えた場合は、受け取った時から24時間以内、かつ、被疑者が身体を拘束されて(通常は逮捕の時)から72時間以内に裁判官に勾留を請求しなければなりません

裁判官による勾留決定

勾留請求を受けた裁判官により、勾留するかしないかが決定されます。被疑者に対して勾留する必要があるかどうか判断するために、被疑者に勾留質問を行います。勾留の理由がある場合には速やかに勾留状を発され、勾留の理由がない時には釈放されることになります。また、必要があれば事実の取り調べが行われます。

勾留期間と延長

勾留期間は10日です。勾留請求の日から10日以内に公訴を提起しない場合には直ちに被疑者は釈放されます。初日は時間にかかわりなく1日として計算されます。また、やむを得ない事由がある時は、10日を超えない範囲で期間の延長がされます。合計で10日を超えなければ、延長の回数に制限はありません。

起訴

起訴は、検察官が裁判所に実体的審理と有罪判決を求める意思表示です。勾留延長される場合を除き、勾留請求の日から10日以内に起訴するかしないかが決定されます。

検察官による起訴

起訴は検察官が行い、その権限は検察官のみが行使できます。(247条)。これを起訴独占主義と言います。また、たとえ犯罪の証明が十分でも、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により起訴しない場合もあります(248条)。

起訴された場合の被疑者の勾留

起訴された「被疑者」は「被告人」となります。被疑者の段階で勾留されていて被告人になった後も勾留される場合、検察官が起訴状を提出すると自動的に勾留が継続されます。被告人は起訴されると拘置所に移送になります。しかし、現実の運用は拘置所の混雑などでスムーズにはいかず、しばらく留置場に勾留されることもあるようです。

公判

検察官によって起訴になると、公判が開かれることになります。

裁判所の手続き

裁判所は公訴の提起があった時は、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達します。裁判長は公判期日を定め、検察官、弁護人に通知します。

弁護人選任権等の告知

公訴の提起があったとき、被告人は弁護士が選任できること、経済的に選任ができないときは選任の請求ができることが伝えられます。これは逮捕時、勾留質問時にもされますが、ここでも行われます。

公判手続きは大きく分けて4つ

公判手続きは、冒頭手続き→証拠調べ→弁論→判決という流れになります。

冒頭手続は、認定質問→検察官による起訴状の朗読→裁判長による権利告知→被告人及び弁護人が事件について陳述という順番で行われます。裁判長による権利告知とは、終始沈黙したり、または個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨、陳述がされた場合、自己に不利益な証拠ともなりうること等を告げることです。

条例違反では簡裁での審理も多い

条例違反の場合は簡裁の扱いとなることもあります。これは選択刑として罰金が定められている罪の訴訟だからです。簡裁では原則として禁錮以上の刑を科すことができません。迷惑防止条例は同項の例外規定に含まれていませんから、簡裁に起訴された場合、懲役が科されることはありません。強制わいせつ罪は罰金刑がありませんから、地裁の扱いになります。

簡裁で起訴なら略式命令の可能性

迷惑防止条例違反で簡裁に起訴された場合、検察官が公判手続きの必要がないと考えれば、略式手続の請求ができます。予め被疑者の同意を得た上で請求し、簡裁が公判手続によらずに書面審理だけで刑罰を言い渡せます(461条以下)。簡裁だけの制度で100万円以下の罰金又は科料を科すことができ、被疑者にとっても罰金刑しかありません。早期に事件から解放されるというメリットがあります。

痴漢にはなぜ冤罪の訴えが多いのか

映画「それでもボクはやってない」は痴漢冤罪をテーマにしていますが、実際に冤罪を訴える例は多くあります。

なぜ冤罪を訴える例が多いのか

痴漢は混雑した乗り物や場所で行われることが多い犯罪です。体が密着し、しかも衣服の中に手が入る場合には、周囲に人がいても目撃者は限られたものになってしまいます。そうなると当事者の証言の信ぴょう性が決め手になることが多くなります。そうした事情が冤罪を生む土壌となっていると思われます。

疑わしきは被告人の利益に

刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益に」という原則があります。簡単に言えば、犯罪であるとはっきりしない場合は罰さないということですが、痴漢も冤罪を主張すれば無罪になっても不思議ではありません。しかし、実際はなかなか無罪判決になりません。

痴漢事件における示談交渉のポイント

痴漢の容疑(強制わいせつ、条例違反とも)で逮捕、勾留された場合であっても、全件が起訴されるわけではありません。嫌疑が不十分だった場合はもちろんですが、嫌疑がはっきりしていても総合的な判断で検察官が起訴しないこともあります(起訴猶予=248条)。起訴猶予となるか否かは、被害者との示談が成立しているかが大きなポイントを占めます。

被害者への謝罪が示談の基本

示談については刑事訴訟法、刑事訴訟規則、犯罪捜査規則等に規定がありません。しかし、司法警察員による微罪処分、検察官による起訴、起訴猶予を決定する場合において示談が成立しているかは重要なポイントになります。

示談で国家刑罰権は消滅しない

刑事裁判では犯罪を犯した者に対して国家が刑罰を与えますから、当事者間の合意でその国家刑罰権を消滅させることはできません。つまり示談にはそうした効力はないということです。

被害者への謝罪が重要

示談を成立させるためには被害者への謝罪は前提になります。平成12年に新設された被害者等の意見の陳述(292条の2)制度により、被害者が公判で被害に関する心情その他の意見の陳述ができるようになりました。被害者への謝罪は重要な要素となります。謝罪がなければ示談は成立しないでしょう。

痴漢事件での示談のポイント

痴漢事件では通常、財産上の損害は生じませんから、その部分の賠償は必要ありません。大事なのは精神的な損害に対する慰謝料の支払いです。その上で強い反省の念を示して再犯しないことについて強い意思を示すことが被害者の感情を和らげることになります。

身柄拘束からの解放の取り組み

依頼を受けた弁護人としては、身柄を拘束された被疑者・被告人を一刻も早く自由の身にすることを目指します。自由の身になると一口に言っても、一連の手続きの中で様々な方法が考えられます。

検察官に送致されずに釈放

逮捕後、自由の身になる最初のチャンスは検察官への送致がされずに釈放されるパターンです。司法警察員は留置の必要がないと考えれば直ちに釈放しなければなりません。そして留置の必要性については、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるかどうかがポイントになります。この時点で釈放に向けてするべきことは犯罪の嫌疑が薄いこと、定まった住所や定職があり逃亡のおそれがないこと、罪証隠滅ができないように現場付近に行かないことを約束するなどして、留置の必要性がないことを司法警察員に理解させることでしょう。

検察官送致後、留置の必要性がないと判断され釈放

被疑者が検察官に送致された後、検察官が留置の必要性がないと考えれば直ちに釈放されます。要件としては定まった住所がある、罪証隠滅ができないように関係者と接触しない、現場に近づかないことが約束されている等、定職があり、身元を保証する者がいて逃亡のおそれがないなどです。

裁判官が勾留請求を却下して釈放

検察官から勾留請求が出されても、裁判官が勾留の理由がないと認める時は直ちに被疑者の釈放を命じなければなりません(207条5項)。そのため、勾留の理由がないことを裁判官に伝えることが大切です。実際には検察官の勾留請求から、裁判官の勾留決定までは時間も少ないので急いで働きかけることがポイントになります。

裁判官の勾留決定に対して準抗告する

裁判官のした勾留決定に対しては準抗告が可能です。準抗告とは、簡単に言えば不服申し立てのことで、罪証隠滅、逃亡のおそれがないことなどについて、再度訴える必要があります。なお、勾留の裁判で犯罪の嫌疑がないことを理由に準抗告することはできません。そのようなことは本案で争うべきだからです。つまり、この段階で「私は無実だから」ということをいくら主張しても準抗告が認められることはありません。

起訴後勾留に対して保釈申請をする

起訴された場合は、保釈請求ができます。保釈とは保釈保証金を納付して勾留の執行を停止し、拘束を解く制度です。

起訴前勾留にはこの制度は適用されません。保釈には「必要的保釈」と「裁量的保釈」の規定があり、①過去に重罪で有罪判決を受けた、②常習犯である、③罪証を隠滅する疑いがある、④被害者や証人、その親族などに危害を加えたり畏怖させたりする疑いがある、⑥氏名又は住居が分からないに該当しないなどの場合には必要的に保釈されることになります。

仮にいずれかに該当する場合でも裁判所が適当と認めれば保釈されることはあります。

痴漢事件の弁護活動にかかる費用相場

弁護人が事件を担当することになると、解決のための費用がかかります。示談には金銭が必要になりますし、示談をする弁護士の費用も必要になります。

示談金

示談には金銭が必要になります。痴漢事件では財産上の損害は生じないのが普通ですから、被害者の損害を金銭によって原状回復させることは考える必要はないでしょう。そのため、主に慰謝料という形で賠償をすることになります。

生じた損害は示談金で賠償を

事件になったことで何らかの損害が発生した場合(アルバイトに遅刻し時給が少なくなった等)は、その賠償をすべきです。

慰謝料は示談金の一部

実費以外にも慰謝料が必要です。被害者の負った不快感、屈辱感、恐怖心など精神的損害を金銭で賠償する必要があります。その意味から慰謝料は示談金の一部であると言えます。

慰謝料の相場は?

被疑者・被告人にすれば慰謝料の相場があれば知りたいことでしょう。しかし、痴漢事件で被害者の受けた不快感、屈辱感、痛みは、その犯罪の態様、被害者の年齢、犯行時の状況等により、それぞれでしょう。そうした事情を総合的に判断して、被害者が被疑者・被告人の処罰を望まないというレベルの金額が相場と言えるかもしれません。

弁護士費用

示談をするには弁護士の力が必要です。被疑者の親族が被害者と示談交渉をしようと思っても、被害者は自分の住所など連絡先を知られたくないと考える場合が多いでしょうから交渉のテーブルにつくことさえ困難な状況が予想されます。そうなると弁護士に依頼するのが示談を成立させるには早道と言えそうです。

相談料

弁護士への相談料は、最近は初回無料、2回目以降は1回5000円程度が相場です。

接見費用

被疑者・被告人との接見の場合、事務所から勾留場所まで行く必要があります。また、身柄拘束を解くための行動は、司法警察員、検察官、裁判官の手続きに時間制限がある以上、迅速に行う必要があります。そのため費用としても勾留場所との距離にもよりますが1回3万円前後はかかるのが普通です。

着手金

弁護士が事件を担当する場合、依頼人は着手金を支払うことになります。刑事事件では自白している事件であれば事実関係を争うことがありませんが、否認事件では不起訴や無罪判決を取る必要があり、事実関係からして争うことになります。そのため、否認事件は一般的には高くなります。弁護士にもよりますが、通常の自白事件なら20〜30万円程度、否認事件なら30〜50万円程度でしょう。

自白事件の成功報酬

自白事件であっても弁護士の活動によって微罪処分、起訴猶予、略式命令、執行猶予付き判決、保釈許可決定、勾留に対する準抗告が認められた場合は成功報酬を支払うことになります。事件や弁護士にもよりますが起訴猶予や微罪処分が10〜30万円程度、それ以外は20万円以下が相場と言えるのではないでしょうか。示談が成功した場合や、求刑より言い渡された刑が軽い場合にも成功報酬は必要となるのが普通です。執行猶予については平成28年6月から始まった刑の一部執行猶予制度も成功報酬が必要と考えた方がいいでしょう。

否認事件の成功報酬

否認事件では無罪判決を得ることが可能です。その場合には事実関係を争い、時間と手間をかけて争いますから、当然、成功報酬は高く設定されます。30〜50万円程度は必要でしょう。もちろん自白事件でも無罪判決の可能性はあります(ウソの自白をした場合等)し、自白事件の方が無罪判決の獲得は難しいですから、少なくとも否認事件での無罪判決と同程度の成功報酬は必要になります。なお、否認事件でも不起訴、執行猶予付き判決などでの成功報酬は必要になると考えるべきでしょう。

実費

弁護士が活動にあたって実際に経費としてかけた分は依頼人に請求されます。接見するための交通費や、通常の通信費などです。

日当

出頭したり、出張したりした際の日当が必要になります。概ね1回で3万円前後でしょう。また着手金を支払わずに、実際にかかった日数、時間によって支払額を決定する「タイムチャージ」という方式で支払う方法もあります。着手金で一律に支払うのではなく、かかった時間だけ支払うというものですが、大きな事件になると日数がかかり着手金方式より多く支払わなければならないということも考えられます。

痴漢事件は時間が勝負!

痴漢事件は警察-検察-裁判所と時間をかけずに手続きが進んでいきます。それに対して不服の申し立てをしなければ、起訴-有罪へと近づいていくと言っても過言ではありません。早期の対策こそが重要です。

逮捕から72時間以内の弁護活動が重要な理由

通常の事件処理では逮捕から72時間以内に勾留請求がされます。そこに至る前に解放に向けて努力することが被疑者の身体の解放に向けては重要です。

72時間が持つ意味

逮捕から72時間以内に、司法警察員による検察官送致、検察官による勾留請求が行われます。既述したように、被疑者の身体の解放に向けてそれぞれの手続きの中で行うべきことは異なります。適切な時期に適切な方法で解放に向けて動かないと、手続きだけが進んでいき身体の解放がそれだけ遅れます。勾留決定されてしまうと10日間、身柄の拘束が続くことになりますから、その前の逮捕から72時間以内に勾留決定されないようにすることが重要です。

勾留決定への準抗告の持つ危険性

逮捕から72時間を過ぎて勾留決定がされても、準抗告で争えます。準抗告に対する裁判をするのは原則として裁判官が所属する裁判所ですから、裁判資料は捜査機関から裁判所に送られてその間、事実上、捜査ができない状況になります。そのため、勾留の延長の理由となってしまう可能性もあるでしょう。勾留の理由に疑問があれば準抗告して争うのも、ためらうべきではないと思われます。もっともその可能性が低い状況で準抗告をする時は、勾留の延長というリスクを計算しながら行うべきでしょう。

最大23日間の拘束・・社会生活に大ダメージ

条例違反もしくは痴漢行為で逮捕された場合、実際には少ないでしょうが、論理的には起訴されるまでに最大で23日間、拘束される可能性があります。半月以上、社会から隔絶されることでの影響は極めて大きいと言えるでしょう。

23日間の拘束の内訳

逮捕されると最大で23日間身柄を拘束されます。中途半端な数字ですが、どのような根拠で23日なのでしょうか。1月1日午前10時に逮捕された場合で考えてみましょう。

1月1日10:00 逮捕
1月3日10:00 司法警察員が48時間以内に検察官への送致の手続きを行う
1月4日10:00 送致されてから24時間以内、身柄拘束から72時間以内に検察官が勾留請求
1月13日終了まで 勾留は最大10日間、この日までに勾留期間延長の請求
1月14日00:00 勾留期間延長開始
1月23日終了まで 勾留の延長は最大10日間
このように1月1日の逮捕から1月23日が終わるまで23日間、身柄を拘束される可能性があります。起訴されれば、さらに勾留は続きます。

最大23日間の拘束による影響

ある日、突然逮捕され最終的に起訴されずに釈放されたとしても、23日間、身柄を拘束されることの影響は甚大でしょう。特に会社勤めをしている場合には会社に直接連絡できなければ、無断欠勤を23日間続けることになります。家族や弁護士を通じて会社に連絡したとしても、23日間、有給休暇をもらえる保証はありません。

何より、会社としては犯罪を犯したかもしれない人を重用しにくいでしょう。推定無罪の原則があるとはいえ「何もないのに23日間も拘束されるだろうか」「また逮捕されて23日間、会社に出てこない可能性があるだろう」と会社が考えることは十分にあり得ます。その意味では、最大23日間の勾留によって、それまで築いてきた自身の社会的信用を根底から崩されかねません。

起訴された場合の有罪確率は99.9%

日本の司法では起訴された場合、ほとんどが有罪になっています。

無罪判決はわずかに70人

平成27年度に地裁で7万4111人、簡裁で7951人が判決を受けましたが、無罪判決は地裁70人、簡裁6人でした(平成27年度司法統計)。無罪判決以外はすべて有罪判決ではありませんが(公訴棄却、免訴、管轄違い等の判決もあり)、有罪確率は例年およそ99.9%です。米国では否認事件の無罪率は15%前後と言われますが、大きな違いがあります。

弁護士への迅速な依頼が問題解決のカギ

上記のように日本の司法制度では「起訴されたら、ほぼ間違いなく有罪」と言っていい状況です。前科をつけたくないと考えた場合、起訴されないように示談を成立させるなどの対策が重要になります。そのためには逮捕された場合にはすぐに弁護士を依頼し、身柄拘束からの解放や起訴されないための活動(示談等)を行うことが必要になるでしょう。

痴漢で逮捕された場合の人生への影響

で事件で逮捕されると、人生は大きく変わります。会社勤めをしていれば解雇の可能性が高くなりますし、その後の就職活動にも影響を与えるのは必至です。私生活でも結婚などで悪影響が出ても不思議はありません。

痴漢での逮捕による仕事への影響

逮捕されることで真っ先に影響が出るのは仕事です。特に出勤途中に逮捕された場合等、家族が逮捕の事実を知らない場合は深刻です。

逮捕で無断欠勤になる?

逮捕された場合、被疑者は電話やメール等、外部との連絡手段を失います。捜査員によっては電話で家族に逮捕の事実を知らせてくれる場合もあるようですが、それが義務ではありません。被疑者は会社にも家族にも連絡できない失踪と同様の状態になることもあり、無断欠勤の状態になってしまいます。

身柄拘束が続いた場合

警察から連絡がない場合に家族や会社が逮捕を知るのは、被疑者が弁護士と接見し、弁護士を通じて連絡を取ることによる場合が多いのではないでしょうか。それができなければ家族や会社にとって「失踪」と同様の状態が続くことになります。仮に弁護士から家族に連絡が入り、会社に伝えて有給休暇が認められれば少なくとも給与の面では損失はありませんが、それが認められる保証はありません。会社にすれば起訴され、その後も勾留が続く可能性を考えるでしょうし、有罪なら解雇もありうると考えるでしょう。

推定無罪の原則は会社に通用するとは限らない

刑事事件の大原則に「推定無罪の原則」があります。被疑者・被告人はもとより無罪を推定される地位にあるということです。しかし、会社において同僚や上司が「実はこの人は犯罪を犯したのではないか」と考えることまで禁止できるわけではありません。いつ会社に戻ってくるのか分からない、有罪になれば解雇されるかもしれない等を考えれば、重要な仕事を頼まなくなるのが普通です。

痴漢で逮捕された場合の家族への影響

被疑者の逮捕で精神的に大きなショックを受けるのは家族でしょう。身内が痴漢で逮捕されるという事態は、配偶者、親兄弟、子供に与える影響は甚大です。特に痴漢事件は周囲への体裁の悪さという点で、明らかにされたくない事件でしょう。

家族の行方が分からない

出勤途上に逮捕された場合など、家族は逮捕された事実を知ることができません。

失踪か、事故か、

家族にすれば、会社から「今日は家を出ましたか? 出勤していませんが」という電話で父親(や息子等)が会社に行ってないことを知るという状況が起こり得ます。

弁護士からの連絡でまたパニック

そのうち警察か、もしくは接見した弁護士からの連絡で逮捕の事実を知ることになるでしょう。犯罪とは無縁の存在だった家族にとって「身内が犯罪者に」という思いから、またしてもパニックになると思われます。

ご近所に知られたくないが

家族が痴漢で逮捕されたことは当然、付き合いのあるご近所には知られたくないでしょうが、バレてしまうことはありそうです。

痴漢はニュースとして報道されてしまうことも

特に学校の教員や公務員などの場合、逮捕の事実が知られれば実名で報道されてしまうこともあります。近年ではインターネットでもその情報は残されてしまうので、社会的影響が大きいと言えます。

痴漢での逮捕が与える結婚・人間関係への影響

逮捕という前歴は結婚や、周囲の人間関係にも大きな影響を及ぼします。

結婚への影響

結婚(婚姻)は両性の合意のみに基づいて成立しますが(憲法24条1項)、親や周囲の意見も影響するでしょう。そうなると痴漢で逮捕された影響は結婚にも及んでくるのは必至です。

当人でも、親でも痴漢での逮捕は結婚に悪影響

婚姻当事者が「痴漢で逮捕された人とは結婚したくない」と思うことがあるかもしれません。それは当人の考えですから仕方がないことでしょう。しかし、当人はそれを知りながらも結婚したいと願った時に、その親が「逮捕歴のある人とは結婚してほしくない」と言い出すことは十分に考えられます。

人間関係への影響

逮捕歴は結婚だけでなく、人間関係にも影響を及ぼすことは考えられます。

友人との信頼関係

それまで親しかった人間が逮捕後、よそよそしくなることはあるかもしれません。特に痴漢事件であれば、女性の友人は色々と考える部分が大きいことは予想されます。

報道されてしまうことも

痴漢行為はニュースとして報道されてしまうこともあります。特に学校の教員や公務員などの場合、逮捕の事実が知られれば実名で報道されてしまうこともあります。近年ではインターネットでもその情報は残されてしまうので、社会的影響が大きいと言えます。

痴漢事件で弁護士に依頼するメリット

刑事事件では弁護士がつくことで様々なメリットがあります。

示談交渉による問題解決

身柄の拘束を解くため、あるいは量刑判断などで示談が成立しているかどうかは大きなポイントになります。

示談で起訴を免れる場合も

刑法、刑事訴訟法、刑事訴訟規則には「示談」という単語はありません。一種の契約と考えれば、刑事関連法規に出てこないのは当然でしょう。そもそも刑事上の責任は個人間の交渉で排除できませんから、当事者の合意で有罪を無罪にすることはできません。あくまでも示談の結果によって訴訟法上の効果の発生や、裁判所の量刑判断に影響が出るだけです。しかし、検察官が起訴するかどうかの判断において示談が成立していれば、強制わいせつ罪であれば告訴を取り下げてもらうこともできます。そうしてもらえば親告罪である同罪で起訴されることはありません。条例違反なら起訴は可能ですが、示談が成立してもなお起訴するのは強制わいせつ罪とのバランスからも、あまり考えられない状況です。

示談で量刑判断も変わる

起訴された場合でも、裁判所は量刑判断においては情状面を考慮しますから、示談の成否は大きく影響します。示談を拒否して厳しい処罰感情を明らかにすれば、厳しい量刑が出やすいでしょう。逆に示談が成立していれば被害者は厳しい処分は望んでいないと判断され、厳しくない量刑となる可能性はあります。

外部への連絡・説明

逮捕され、身柄を拘束されている被疑者は外部との連絡を取る手段を持っていません。そこで弁護士が重要な役割を果たすことになります。

外部連絡は弁護士のみ可能

逮捕されると被疑者は外部と電話やメールなど、一切の連絡手段を使うことができなくなります。家族についても、勾留されるまでは原則として接見できません。そのような状況で被疑者と連絡を取れるのは弁護士だけです。被疑者の状態を家族や会社に性格に伝えることができ、外部との唯一の窓口として機能します。

手続きの見通しなど説明が可能

家族や会社の関係者が突然の逮捕で、どのような手続きが進むのかも分からない状況の中、弁護士は刑事訴訟法、刑事訴訟規則に基づく手続きの流れを熟知していますから、その後のことを予測することができます。身柄の拘束を解くためにどのタイミングで何をすればいいか、家族や会社はどう協力すべきか、適切にアドバイスをして被疑者とその関係者のために力になることができます。

処罰の軽減、回避につながる弁護活動

弁護士は身柄の拘束を早く解くこと、処罰を軽減、回避するための活動を行います。

示談交渉

弁護士が行う活動で最も重要なのが示談交渉でしょう。痴漢事件であれば被害者に謝罪し、精神的損害を賠償することで被害者感情をやわらげることが大事です。示談を成立させ告訴を取り下げてもらえば、強制わいせつ罪での起訴はできません。条例違反でも示談が成立すれば通常起訴は見送られるでしょう。

平成27年の強制わいせつ罪での検察庁終局処理人員は3638人で、起訴されたのは1394人に対して起訴猶予は156人と少なく、一方、その他の不起訴は1664人で起訴された人数を上回っています。これは嫌疑不十分も含むのでしょうが、示談で告訴を取り下げてもらった案件も相当数含んでいると思われます。(平成28年版犯罪白書、出典は検察統計年報)

早期の依頼で解放へ様々な活動が可能

痴漢の容疑で逮捕された直後に依頼を受けた場合、弁護士は司法警察員に検察官送致をしないよう働きかけたり、送致されても検察官に勾留請求をしないように働きかけたりすることが期待できます。勾留されても準抗告したり、起訴されても保釈を申請したり、身柄の拘束からの解放に全力を尽くすでしょう。それによって処罰の回避や、自由の身になることなどが期待されます。

痴漢で逮捕された場合、出来心でついという場合もありますが、中には本当に何もやっていない、つまり冤罪の場合も少なくありません。そういった場合、弁護士の果たす役割は非常に大きいといえるでしょう。もし、家族や友人が逮捕されたら、早急に刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。

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