刑事事件の終わらせ方~警察や検察の身柄拘束から自由になる方法~

自由になった男

刑事事件の手続きは「刑事訴訟法」などに基づく

刑事事件の被疑者として逮捕されてしまったら、「刑事訴訟法」などの法令に定められている手続きが進められ、決まった方法でしか自由になることはできません。

自分が実際に罪を犯しているかどうかに関わらず、刑事事件に巻き込まれてしまった場合には、その手続きを終わらせる方法はあらかじめ定められている方法でしか行われず、何の理由も取り決めもないのに釈放されることはないのです。

刑事事件とは、刑事罰が設定されている刑法などの法令に違反する行為を行うことで、簡単に言えば罪を犯すことで、普通の生活を送っている人にとっては、刑事事件の被疑者になってしまう事は稀であると言えます。

しかし、ほんの出来心や一瞬の気の緩みで犯罪に手を染めてしまう可能性はありますし、交通事故など本人が罪を犯す気はなくても事件を起こしてしまうことはあります。また時には、本人に全く身に覚えのない罪で事件に巻き込まれてしまう、冤罪の可能性もあるのです。

動き始めたら簡単には止められない

刑事事件はいったん手続きが始まってしまうと、「刑事訴訟法」などの法令に則って粛々と進められ、被疑者自身では止めることはまず不可能となり、刑事手続きの終わり方にはパターンが決まっているため、予想もつかない終わり方をすることはまずありません。

そして専門的に勉強しない限り、日本の教育では「刑事訴訟法」などの法令をじっくりと学ぶ機会はほとんどありませんので、万が一、刑事事件の当事者になった場合には、その後の手続きがどう進められるかを知っている人は少ないでしょう。

大学で法科を専攻したり、刑事ドラマが大好きで自分で色々調べたりしている人は、実際の刑事手続きについて少しは知っているかもしれませんが、いざという時に役立つものかどうかは疑問です。

実際の刑事事件の手続きを知ることの重要性

刑事手続きの手順を知っているのといないのとでは、自身が巻き込まれた際の対応に雲泥の差が出てきます。特に刑事事件の被疑者として逮捕されてからの数日間は、目まぐるしい速さでさまざまな手続きが行われるため、自分がどこで何をされているのか、それが後々どういう意味を持っているものなのかを知らないまま、警察や検察のペースで手続きが進められます。

この最初の数日間に、ある程度の知識を持って応対することが大事なのです。そして弁護士に依頼して対応策を相談し、適切な行動を取ることも重要です。これは自分のためだけではなく、家族や友人・知人が刑事事件に巻き込まれた時にも非常に有用な知識になるため、必ず身に着けておくべきものと言えるでしょう。

刑事手続きがどのような手順で進み、どうやって終わるかをここで紹介します。

逮捕から裁判で判決が下されるまで

刑事事件は警察や検察の捜査当局が、事件を認知した時から始まります。捜査当局が当該事件を捜査して被疑者を特定し、必要があれば裁判所に逮捕状を請求し、逮捕状が交付されれば被疑者の居所に向かい逮捕するのです。

現行犯逮捕などの場合は逮捕状を取る必要ありませんが、原則として逮捕状がない限り、捜査当局は被疑者の身柄を拘束することはできません。警察が被疑者を逮捕した場合は、逮捕後48時間以内に取調べを行い、証拠書類などを揃えて検察へと事件を送検します。

送検を受けた検察の検事は、送られてきた証拠書類などの資料を確認したうえで被疑者の取調べを行い、24時間以内に裁判を起訴するか不起訴にするかを決定します。しかしほとんどの事件においては、継続して捜査を行う必要があると判断し、被疑者を勾留するための勾留請求を裁判所に起こします。

裁判所はその勾留を行いたいとする理由が正当なのかどうかを判断するために被疑者本人と接見して勾留質問を行い判断するとされていますが、たいていの場合は勾留請求が認められてしまいます。勾留期間は10日間で、必要であれば同じ手続きが行われた末に10日間の勾留延長が認められ、逮捕後合計して23日間は被疑者の身柄は拘束されることになります。

勾留期間が満期になるまでに、検察は被疑者を起訴するか不起訴にするかを決めるのですが、起訴に相当しないと判断すれば不起訴となり被疑者は釈放され、裁判で有罪にできると確信すれば起訴をし、被疑者は被告人となり刑事裁判にかけられます。裁判で無罪判決が下されれば釈放され自由の身になり、執行猶予付きの判決になれば条件付きですが釈放されることになります。

懲役刑の実刑判決を下されたら、そのまま刑務所行きになる、という流れをたどります。

何もしなければ、ずっと身柄は拘束されたまま

懲役刑の実刑判決を下された場合は、逮捕された瞬間から、刑期を終えて刑務所の前で釈放されるまで、ずっと身柄を拘束されたままになります。前もって自分が逮捕されることを知っている人は少ないと思われますので、ある日突然警察が居所にやってきて身柄を拘束され、自由になれたのは数年後だという事態も起こり得るのです。

警察は事件の捜査を進める段階で、被疑者が真犯人だというシナリオを作り上げ、その通りに取調べを行い、法令に則った手続きを進めます。法令に規定されている通りの手続きですから、何もしないと警察の思う通りに進んでいきます。

検察は、被疑者が有罪に違いないと確信できた時点で起訴を行い裁判にかけます。裁判にかけられたら、日本の司法制度下では有罪率99.9%と言われる世界ですから、懲役刑に値する罪を犯していたならば、その通りの判決が下されるでしょう。

逮捕から裁判までの間、何もしなければずっと当局のシナリオ通りに手続きが進み、逮捕された被疑者はずっと身柄を拘束されたままになるのです。

冤罪でも、捜査当局の助けは見込めない

自身にまったく覚えのない罪で逮捕され、起訴されて有罪判決を受けてしまうことを冤罪と呼びますが、その場合でも、捜査当局の助けは見込めないと思った方が良いでしょう。

真犯人が名乗り出たような場合は別ですが、捜査当局は被疑者が罪を犯したと確信して刑事事件の手続きを進めます。いくら被疑者が犯行を否認しても、反省の意思がないと思われるだけで何の効果もなく、捜査当局が描いた通りのシナリオで有罪判決が下されてしまう可能性が非常に高いのです。

誤認逮捕されている被疑者が、逮捕は誤りであると証明するには捜査当局のシナリオを覆すような証拠を提出しなければならないのですが、身柄が拘束されている立場では書類を揃えることすらできません。

冤罪を証明するためには、弁護士の力が必要です。身柄が拘束されている間に弁護士に冤罪であることを伝え、無実を証明してもらうために動いてもらう必要があるのです。被疑者の家族や友人・知人にしても、罪を犯すはずがないと信じるだけでは何の効力もないので、信頼できる弁護士を探し出し、無実を証明してもらうために尽力してもらいましょう。

本ホームページの記事は、自身が刑事事件に巻き込まれた場合だけではなく、家族や友人・知人が刑事事件の被疑者になってしまった場合でも使える知識が詰まっています。ぜひ一通り閲覧し、一般的な知識として刑事事件の手続きの進み方を理解しておいてください。

刑事事件の手続きを終わらせるタイミング

以上で紹介した刑事事件の手続きにおいて、被疑者の身柄拘束が最も長くかかるケースは、逮捕から刑務所入りまで一度も外に出ることがなかった場合ですが、刑事事件の手続きには他にもさまざまな終わらせ方があります。

冤罪の場合は弁護士に依頼し、逮捕されてしまった被疑者がその罪を犯し得ないことを証明すること、または真犯人がいると証明できる証拠を明らかにすることで、いつでも誤認逮捕された被疑者を釈放し、自由の身に戻すことができます。

実際に罪を犯していたとしても、懲役刑の実刑判決を受ける前、すべての刑事事件の手続きが終わっていなくても、身柄が解放されるタイミングと方法はいくつかあります。

被疑者にとってどれくらい長く身柄を拘束されているかということは、後に社会復帰する際にかなり重要になってくる要素ですから、弁護士とよく相談し、良いタイミングで自由になれる方法を探してみましょう。

逮捕直後は非常に難しい

実際に罪を犯していても、また冤罪であったとしても、逮捕直後に身柄の解放を実現することは非常に難しいと考えておきましょう。警察や検察は、被疑者が罪を犯していると確信するだけの十分な証拠を持ち逮捕状を請求するわけですから、それを覆すだけの新たな証拠を見つけることや、被害者と示談を成立させることも時間的に困難です。

逮捕された被疑者は弁護士にいつでも接見する権利はありますが、逮捕直後にすぐに駆けつけてくれて、なおかつ釈放を実現できるだけの能力を持った弁護士が知り合いにいる一般人は珍しいと考えられるからです。ただし、逮捕の要件として必要とされる、証拠隠滅と逃亡のおそれがないと判断される著名人などは顧問弁護士がいるかもしれませんし、有能であればすぐに在宅捜査に切り替えられる可能性はあります。

一般人として逮捕直後の数日間にできることは、なるべく早く弁護士を雇い、被害者との示談を成立させて被害者の処罰感情を鎮め、勾留の必要がないと判断させることでしょう。

勾留期間は、勾留の取り消しを求める手段がある

逮捕期間の3日間が過ぎ、より長期の勾留期間に入ってしまった場合には、弁護士を通じて、準抗告や抗告、勾留取消請求などの手続きを行い、釈放を目指すことが可能です。いずれも被疑者本人では非常に難しい手続きとなることから、弁護士の力を借りることが必須と言えます。

また原則として勾留期間とは、検察が起訴を行うかどうかを判断する期間ですから、起訴に相当しないと考えさせるだけの手続きを進めれば、不起訴となり釈放される可能性があります。被害者への弁償を済ませて示談を成立させたり、再犯の可能性を否定するような弁護活動を進められたりすれば、不起訴処分を獲得する可能性が高まります。

起訴されてしまった後は、保釈金を支払ったうえで、判決が言い渡されるまでの間、身柄の解放を得て社会生活に戻ることも可能です。もし懲役刑が確実な事件を起こしていたならば、執行猶予付きの判決を得るべく、弁護士に手続きを進めてもらうことも良いでしょう。

いずれにしても、被疑者本人でできることは限られており、逮捕後早期に社会生活に戻るためには、家族や友人・知人の協力を得て、弁護士に活躍してもらうのが得策と言えるでしょう。

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