簡単には行けない?拘置所へ移送される条件とは

待機の列

起訴が決定したら拘置所行き

でもすぐには行けないこともある

日本の刑事手続きで警察が検挙した被疑者は、送検後もずっと警察署内にある留置場に勾留され、拘置所へ移送されるのは、検事が起訴を決定した後になるのが普通です。
また逮捕・勾留の期間も満期まで目一杯引っ張られるケースがほとんどで、被疑者は最長で23日間も留置場で身柄を拘束されます。

ただ起訴が決定したら、即日拘置所に送られるかというと、実はそうでもありません。
色んな理由で、起訴後も留置場生活が続くことも珍しくはないわけで、それは

  • 拘置所が満員状態で、居室が空くのを待つ
  • すぐに保釈許可が下りそうなので、拘置所へは移送せず、留置場で保釈を待つ
  • 起訴された事件の他にも、余罪がタップリあって、引き続き留置場で取調べをうける

などといった理由です。

拘置所はいつも満員?

移送が決まっても留置場で待たされる

拘置所は警察以外の組織(主に検察)が逮捕した被疑者や公判を待つ被告人、あるいは自由刑が確定した受刑者や拘置所内で作業をする受刑者などが収容されています。
つまり刑事手続きで身柄を拘束されたり、刑罰によって自由を奪われた全ての種類の人たちがいるわけです。

だから…というわけではありませんが、拘置所は常に満員に近い状態で運営されています。
一方、検察の検事が捜査の結果、被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定する際、移送先の拘置所が満員かどうかなどという基準では判断しません。純粋に起訴するに足る犯罪事実があったかどうかで判断して起訴しますので、起訴が決定したときにたまたま管轄区の拘置所が満員で、新たな被告人の受け入れがすぐに出来ないこともあります。

被告人が受け入れ可能な状態であっても、留置場から拘置所への移送は、起訴決定から一週間ほどかかるのが普通です。ところが拘置所が満員だと1ヶ月以上待たされることもあります。
留置場と拘置所、どちらの居心地が良いかはひとそれぞれで一概にはいえませんが、そうした収容定員の都合で移送が遅れることもあります。

すぐに保釈される被告人は拘置所へは送られない

書類手続き省略のため?

起訴が決まっても、拘置所に送られないケースでよくあるのが、すぐに保釈申請が許可されそうな事件の被告人の場合でしょう。
すぐに保釈されるパターンというのは警察や検察、あるいは拘置所側も今までの経験でわかっています。
留置場から拘置所の移送手続きをしないで、そのまま留置場で釈放すれば、移送に伴う書類手続きは省略できます。書類手続きを行う手間が考えると、保釈がすぐに認められる被告人は拘置所に送らないのではないでしょうか。

実際のところ、被告人にとっても、刑務所一歩手前(場所によっては“刑務所中”)にある拘置所に好き好んで行きたくはありません。起訴後は取調べもなく毎日が退屈で仕方のない留置場に居たままでも保釈が近いのであれば我慢できるでしょう。

すぐ保釈許可がおりやすいケースもある

ちなみにすぐ保釈許可がおりるケースというのは、“初犯であること”が大前提です。そして保釈許可のおりやすい犯罪として有名なのは被害者のいない“薬物系”になります。
具体的には「大麻取締法違反」とか「覚せい剤取締法違反」といった罪状で、「ちょっとした好奇心でやってしまった」程度の量を持っていた場合は、優秀な弁護士をつければ、保釈許可が下りることはほぼ確実です。
ただし取調中に、警察や検察に十分反省していることを理解してもらうのも重要です。

余罪があると、すぐには拘置所へ行けない

このサイトに書かれている刑事手続きは、話をわかり易くするために、基本的にひとつの犯罪を犯したケースを紹介しています。
ところが実際の社会では“複数の犯罪を犯して捕まる人”が結構います。詐欺や空き巣(窃盗)といった犯罪は多くの場合、二桁どころか三桁の被害者がいる常習犯がいるわけです。

日本の刑事手続きは、その事件一件一件を立件出来ますので、極端な話“100回逮捕”ということも理論的には可能になります。
実際はある程度余罪を併合してしまうわけですが、それでも事件の規模が大きい場合だと、ちゃんと捜査をするために「再逮捕」を繰り返して事件の真相を明らかにします。

ですからそんな事件の被疑者は、起訴されて被告人になっても、引き続き関連事件で再逮捕され、留置場で勾留されたまま取調べが続きますので、拘置所へは送られません。
ただ留置場からいきなり刑務所へ行くケースは極めて稀です。普通、裁判で有罪の実刑判決が下った場合、普通はどこの刑務所へ収監するかという“選考期間”がありますので、その間は拘置所で暮らすことになります。

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