刑事弁護士の費用はどのくらい?~刑事事件の弁護士費用相場~

弁護士費用

刑事事件でかかる弁護士費用

刑事事件を弁護士に依頼すると、各段階でさまざまな費用が発生します。具体的にどのようなお金が必要となるのか、まずは一覧でみてみましょう。

  1. 法律相談料
  2. 着手金
  3. 報酬金
  4. 接見手数料
  5. 勾留執行停止、取消の費用
  6. 保釈請求の手数料
  7. 示談交渉についてかかる費用

それぞれがどのような費用でどのくらいかかるのか、ご説明していきます。

刑事事件でかかる弁護士費用の相場

法律相談料

法律相談料は、刑事事件を弁護士に相談したときにかかる費用です。本人が痴漢や窃盗などで逮捕されている場合には、家族などの周囲の人が弁護士に相談に行きますが、その際に相談料が発生します。

法律相談料の相場は30分5,000円程度です。ただし、発生するのは依頼前の相談であり、実際に刑事弁護を依頼して着手金を支払ってしまえば、別途法律相談料がかかることはなくなります。

着手金

着手金は、弁護士に何らかの事件対応を依頼したときに発生する費用です。たとえば起訴前の刑事弁護を依頼したら、起訴前弁護の着手金がかかります。刑事弁護の場合、起訴前の弁護と起訴後の弁護の2回に分けて着手金が発生します。

起訴前と起訴後の弁護活動の両方の着手金がかかる

まず、本人が逮捕された後、検察官による処分決定前に弁護士に依頼すると、その時点で「起訴前弁護の着手金」が発生します。検察官による処分とは、起訴するか不起訴にするのか決めることです。その後捜査が進められて、検察官が本人を起訴すると、刑事裁判が始まります。そのときにあらためて「起訴後の着手金」が発生します。このように、刑事事件では、通常起訴されると「起訴前の着手金」と「起訴後の着手金」の両方が必要となるのです。

起訴後の弁護活動を減額してくれる事務所がある

中には起訴後の着手金を別にもらわずに、起訴前の着手金だけで引き続いて弁護活動をしてくれる弁護士もいますが、非常に少数です。ただ、起訴後に引き続いて刑事弁護を続ける場合には、起訴後の着手金を半額などに減額してくれる弁護士事務所ならかなり数があります。そういった事務所に依頼すると、弁護士費用を節約しやすくなります。

着手金の相場

起訴前の刑事弁護の着手金も起訴後の刑事弁護の着手金も、通常の簡明な事件の場合、相場の金額はだいたい30~40万円です。起訴前に弁護士に刑事弁護を依頼した時点で30~40万円支払い、起訴されたら追加でまた30~40万円程度支払うイメージです(合計60~80万円程度)。

これに対し、複雑な事件や無罪を主張する事件などの困難な事件では、着手金の金額が上がり、50万円を超える事務所も増えてきます。起訴前弁護と起訴後の弁護の着手金の金額は同じに設定している事務所が多いので、たとえば起訴前に50万円、起訴後に50万円支払い、合計すると100万円以上の着手金が必要となるイメージです。

報酬金

報酬金は、事件が解決された場合にかかる費用です。具体的には、不起訴になって事件が終了したときや、刑事裁判の判決によって事件が終了したときなどに報酬金が発生します。起訴前の弁護によって不起訴になったときの報酬金は、だいたい30~40万円程度です。

刑事裁判となって判決が出たときの報酬金は、判決内容によって異なるのが通常です。執行猶予がついたときには、だいたい30万円~40万円程度となることが多く、着手金と同じに設定している事務所が一般的です。実刑になった場合でも、検察官が請求した求刑よりも刑期が短くなれば、報酬金が発生する事務所が多いです。たとえば求刑よりも2割以上刑期が短くなったら10~30万円程度の費用がかかるなどの例があります。

無罪になった場合には、かなり高額な費用が発生します。100万円以上の金額が発生することもあるでしょう。ただし、無罪の報酬金は依頼する弁護士事務所によって異なりますし、実際に無罪を獲得するためにどのくらいの手間がかかったのかによっても異なってきます。刑事弁護を弁護士に依頼するときに、無罪を狙うのであれば、当初に依頼する際に、どのくらいの費用がかかるのか、特に慎重に確認しておく必要があります。

接見手数料

弁護士に刑事事件の対応を依頼すると「接見手数料」が発生するケースがあります。接見手数料とは弁護士が逮捕・勾留されている本人に接見に行ったときにかかる手数料です。接見1回ごとに発生します。

接見手数料の相場は、だいたい1回2、3万円です。ただし、拘置所が遠い場所などで行きにくい場合などには5万円程度かかるケースもあります。また、起訴前弁護を依頼して着手金を支払うと、別途の接見手数料は発生しなくなる弁護士もいますし、そもそも接見手数料をとっていない弁護士事務所もあります。この点も事務所によって取扱いが異なるので、依頼前に確認しておくべきポイントです。

勾留執行停止、取消の費用

被疑者が勾留されているときには、「勾留執行停止請求」や「勾留取消請求」など、勾留の効果を争う手続きをすることができます。裁判官の勾留決定に対して準抗告をすることもあります。

このように、勾留の効果を争うときには、通常の起訴前弁護の手数料とは別に、勾留執行停止や取消、準抗告などの着手金・報酬金が別途かかる弁護士事務所があります。その場合の着手金は、だいたい10~20万円程度となります。

これらの手続きによって実際に勾留が停止されたり取り消されたりして被疑者の身柄が解放されると、勾留執行停止・取消・準抗告などに対する報酬金がかかります。報酬金の金額も、だいたい10~20万円程度となることが多いです。両方が発生する事務書の場合、勾留執行停止や取消を依頼して実際に解放されたら着手金と報酬金の双方が加算されるので、20~40万円くらい必要となります。

ただ、こうした勾留阻止についての弁護では、着手金なしで報酬金のみに設定している事務所も多いです。そうした事務所に依頼したら、実際に被疑者が解放されなかった場合には費用がかかりませんし(報酬金がかからないため)、解放されたとしても報酬金の10~20万円のみで済みます。

また、勾留阻止の弁護活動については別途の弁護士費用がかからない事務所もあります。その場合には、弁護士が勾留執行停止や取消、準抗告などをしても費用が発生しませんし、被疑者が早期に解放されてもそのこと自体にかかる費用はありません。後に不起訴になったときに不起訴の報酬金が発生するのみとなります。

保釈請求の手数料

被疑者が勾留された状態で起訴されて、刑事裁判(通常裁判)になったら、被疑者は「被告人」となり、起訴後の勾留が継続されます。このようにして起訴後勾留に切り替わると、被告人には「保釈請求権」が認められます。逃亡や証拠隠滅などのおそれがない限り、仮に外に出してもらうことができるのです。

保釈請求では、報酬金のみかかる事務所が多い

保釈請求をするときには、通常刑事弁護を依頼している弁護士に対応してもらいますが、保釈請求を弁護士に依頼すると、通常の着手金とは別に費用が発生するケースがあります。保釈請求にも着手金と報酬金があり、保釈請求をしてもらう段階と、実際に保釈された段階の2段階で費用がかかってきます。

ただし、実際には、保釈請求には着手金を不要として、報酬金のみとしている事務所が多数です。また、そもそも保釈の着手金や報酬金が発生しない事務所もあります。そこで、被告人が将来起訴される見込みが高い事件であれば、依頼当初の段階で、保釈申請に別途費用がかかるかどうか確認しておくと良いでしょう。

保釈請求の弁護士費用の相場

保釈請求の着手金と報酬金は、どちらも10万円~20万円程度としている弁護士事務所が多いです。一般的な法律事務所で報酬金のみかかるケースであれば、被告人の身柄が実際に解放されたときに、保釈請求の報酬金として10~20万円支払うイメージです。

保釈保証金も必要となる

保釈申請をするときには、裁判所にも「保釈保証金」を収める必要があります。被告人が逃げたりせずに無事に事件が解決できれば保釈保証金は全額返ってきますが、保釈が認められるためには一括で保釈保証金を収めなければなりません。金額は、犯罪の性質や被告人の資力などによって大きく異なりますが、150万円程度はかかることが多いです。

そこで、保釈で被告人を解放するためには、弁護士に対する保釈の費用(10~20万円程度)と裁判所に納める保釈保証金の合計が必要となるので、合計で200万円程度の出費は覚悟しておいた方が良いでしょう。

示談交渉について

弁護士に刑事弁護を依頼すると、被害者との示談交渉が必要になるケースが多いです。その場合には、示談交渉の着手金や報酬金が別途かかる弁護士事務所があります。つまり、示談交渉を開始してもらうときに着手金が発生し、示談が成立すると、さらに報酬金が発生するイメージです。示談交渉の着手金も報酬金も、だいたい10~20万円程度です。示談交渉の着手金、報酬金がともに10万円の事務所では、被害者と示談するだけで追加が20万円かかりますし、ともに20万円の事務所では、示談するだけで40万円の秘奥が加算されるので、弁護士費用の負担がかなり大きくなってしまいます。

ただ、示談交渉については別途の費用が発生しない事務所も多いので、できればそういった事務所に依頼する方が良いでしょう。

以上が刑事弁護の弁護士費用の種類と相場です。依頼する法律事務所によって発生する費用や金額が大きく変わってきます。刑事弁護を依頼するときには、どういった報酬体系がとられているのか明らかにしてもらい、正確に理解してから契約しましょう。

刑事事件で弁護士に対応を依頼するときのモデルケース

イメージしやすくするために、刑事事件で逮捕されたときに弁護士に依頼したときのモデルケースをみてみましょう。

暴行事件で被疑者が犯行を認めている事件

まずは、暴行事件で被疑者が犯行を認めており、示談が成立したので不起訴になった事案の弁護士費用の例を示します。

起訴前弁護の着手金 30万円
接見手数料 10万円
勾留阻止の着手金 10万円
示談交渉の着手金、報酬金 20万円
不起訴の報酬金 30万円
合計 100万円

起訴前弁護の着手金や報酬金が40万円の事務所であればもっと費用がかかりますし、反対に接見手数料、勾留阻止の費用や示談の費用がかからない事務所であれば、もっと費用が安くなります。

窃盗事件で被疑者が起訴された事件

次に、被疑者が窃盗をして、被害額が大きかったために起訴されて執行猶予がついた事件の例をみてみます。

起訴前弁護の着手金 40万円
接見手数料 8万円
勾留阻止の着手金・報酬金 なし
示談交渉の着手金、報酬金 なし
起訴後弁護の着手金 40万円
保釈申請の報酬金 20万円
執行猶予付き判決の報酬金 40万円
合計 148万円

上記では、接見手数料や保釈申請の報酬金が発生しているので、これらがかからない事務所であればもっと安くなります。ただ、勾留阻止のための着手金報酬金や、示談交渉の着手金・報酬金がかかっていないので、これらが必要な法律事務所よりは費用が安くなっています。

痴漢事件で被疑者が起訴されて無罪になった場合

被疑者が痴漢を疑われたけれども「えん罪」であり、起訴されて無罪を勝ち取った場合の弁護士費用をみてみましょう。

起訴前弁護の着手金 40万円
接見手数料 15万円
勾留阻止の手数料 20万円
起訴後弁護の着手金 40万円
保釈申請の報酬金 20万円
無罪判決の報酬金 100万円
合計 235万円

この事例では、勾留阻止の手数料がかかっていますが、これがかからない事務所ならもう少し費用を抑えられます。また保釈申請の報酬金がかかっているので、これが発生しない事務所なら弁護士費用が下がります。

ただ、無罪を主張する事件の場合、弁護士にかかる負担も大きくなるので、ある程度接見手数料や勾留関係の費用、保釈申請の費用などが発生してもやむを得ないと考えた方が良いです。あまり弁護士費用を安くして、弁護士のやる気が失われる方が不利益になるためです。

実費について

弁護士に刑事事件を依頼するとき、実費がかかるケースもあります。まず接見に行く際、遠くの留置所や拘置所であれば交通費がかかります。現地見分に行くことがあればその交通費も必要です。また、無罪立証のために「実験」などが必要になれば、そのための費用がかかるケースもあります。

示談金について

刑事弁護を進めるためには示談交渉が必要となりますが、示談をするときには被害者に支払う示談金が必要です。示談金の金額はケースによって大きく異なりますが、一般的な暴行事件や痴漢事件などの場合、30万円~100万円程度になることが多いです。刑事弁護を進めるときには、弁護士費用以外にも、こうした示談金の負担が発生することも考えておかなければなりません。

国選弁護人の費用

以上でご紹介した弁護士費用は「私選弁護人」に依頼したときの費用であり、国選弁護人を利用する場合にはまったく状況が異なってきます。国選弁護人とは、被告人に資力がないときに国が費用を出してつけてくれる弁護人です。被疑者であっても一定以上の重大な犯罪の場合、国選弁護人を利用できます。

国選弁護人の場合には、被疑者や被告人に費用負担がありません。もともと弁護人の費用を支払えないことが前提となっている制度だからです。ただし、国選弁護人を利用できるのは、基本的に預貯金などの資産が50万円以下のケースです。それより資力がある人の場合、私選弁護人の引き受け手がいない場合のみに国選弁護人をつけられる可能性があります。

私選弁護人の方が有利な理由について

国選弁護人と私選弁護人を比べるとき、費用がかからない国選弁護人の方が良いのでしょうか?

確かに私選弁護人を依頼すると、上記のように100万円単位の費用がかかるので、国選弁護人の方が、メリットがありそうに思えます。しかし、国選弁護人の場合、どのような人に担当してもらうのかを選ぶことができません。刑事弁護に積極的に取り組んでいない弁護士にあたる可能性も高いです。費用が安いので、あまり親身になってくれない弁護士もいます。また、被疑者段階では国選弁護人がつかないケースもありますが、その場合、不起訴を狙うことも難しくなります。

このような問題があるので、有利な結果を獲得するためには、費用を負担してでも私選弁護人を雇った方が良いでしょう。

国選弁護人と私選弁護人のメリット・デメリットについては、以下の記事に詳しく説明しているので、ご参照ください。

刑事弁護で良い弁護士の選び方

刑事弁護でできるだけ有利な結果を獲得するためには、弁護士選びが重要です。まずはホームページをみて、刑事弁護に積極的に取り組んでいて実績も出している事務所を探しましょう。

また、逮捕された「事件の種類」にも着目すると良いです。たとえば窃盗などの財産犯、暴行傷害などの粗暴犯、詐欺などの知能犯、痴漢などのわいせつ事件、薬物事件など、弁護士によって得意不得意があるので、逮捕された事件と類似の事件について実績の高い弁護士を選ぶと効果的な弁護を期待しやすいです。

刑事事件では、早期に対応すればするほど状況が有利になりやすいです。身近な人が逮捕されたときにはすぐに弁護士に相談をしましょう。その際、上記でご説明したような費用が発生するので、具体的にどの段階でどのくらいの費用がかかるのか、きちんと聞いて確認しておくと、後に予想外の費用がかかって困ることがなくなります。

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