美人局とは?よくある手口・特徴と逮捕のリスクは弁護士に相談を
- 2025年5月13日
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- 犯罪の種類
- 刑事事件弁護士相談広場
美人局(つつもたせ)とは、男女または仲間同士など複数人の加害者が共謀し、肉体関係や不倫・浮気をダシにターゲットを脅し、金銭等を要求する行為です。
近年マッチングアプリやSNSの普及に伴い、男女が出会う場が多くなっています。交流を持つ機会が増えるのは良いことですが、悪意のある男女グループが言いがかりをつけて、金銭を要求する美人局の被害に遭うケースも増加していると言われています。また、美人局のケースでも、女性の彼氏や配偶者を名乗る男性が不同意性交等罪を主張してくるケースもあるため注意が必要です。
この記事では、美人局によくある手口や特徴、美人局で該当する犯罪や被害に遭わないための注意点などについて、わかりやすく解説していきます。美人局で逮捕されたら弁護士に相談すべき理由についても解説しているので、逮捕の不安がある場合にはぜひ最後までご覧ください。
美人局とはどんな行為?
美人局(つつもたせ)とは、共謀した男女または複数人の加害者が、性行為等を匂わせて誘い出した男性に対して、不貞行為の暴露などをネタに脅し、慰謝料請求などの名目でお金を奪い取る行為です。
美人局のパターンはさまざまですが、女性が男性を誘い込んで良い関係になったあとに、女性の彼氏や配偶者だと名乗る男性が現れ恐喝するケースが代表的です。
女性1人でお金を騙し取ることもありますが、多くは男性と女性がグルになってターゲットに金銭を要求します。
恐喝が行われるのはホテルに入ろうとする瞬間、もしくは性行為後に脅迫や嘘を付いて金銭を要求してくるケースが多く、状況次第でさまざまな犯罪が成立する可能性があるのもこの手口の特徴です。
美人局の被害に遭うきっかけとして、最近はマッチングアプリやSNSなどを通して知り合うケースが増加しています。
美人局によくある手口
美人局の手口は多様化していますが、よくある手口は以下のとおりです。
マッチングアプリやSNSを利用して知り合う
美人局の相手方と知り合うケースはさまざまですが、マッチングアプリやSNS、パパ活アプリや掲示板などを通じて知り合うケースが多いです。
マッチングアプリやパパ活アプリは、男女が出会いの場を求めて利用するのが一般的です。肉体関係を目的に登録している男性も多く、女性側の誘いに簡単に乗ってしまうと、美人局の被害に遭うおそれがあります。
悪質な加害者側は、SNS上やマッチングアプリ上で、お金を巻き上げやすそうなターゲットを探しています。
男性が警戒心なく異性との交流を求めていると、カモと判断され、女性から積極的なアプローチが届きます。
突然、相手の方から思わせぶりな内容、男性に都合の良さそうな話を持ちかけてきたら、美人局を疑いましょう。
美人局のターゲットにされやすい人
特に、メッセージ等やり取りの中で以下のような属性が相手にバレると、美人局のターゲットにされやすいと言われています。
- 既婚者
- 一流企業勤務、会社経営者
- 女性経験が少ない
- 肉体関係を持つことを求めすぎている
- マッチングアプリに慣れていない
騙しやすそうな相手として、女性慣れしていない方やマッチングアプリ慣れしていない方々は狙われます。
また、既婚者や一流企業勤務のサラリーマンや会社経営者など社会的なステータスの高い方も、家庭や会社など守るべきものがある分、浮気の暴露が脅しの材料として効くため狙われやすいと言われています。
実際に会う約束をして男性側に期待させる
当然ですが、マッチングアプリ上のやり取りだけでは、相手に金銭を要求できません。そのため、気があるように見せかけてスムーズに会う約束を取り付けます。
性交渉があることを仄めかせて男性に期待させ、当日ホテルに誘いやすいよう誘導してくることも。
メッセージのやり取り時点で、女性側から期待させる言動が多い場合、注意して対応した方がいいかもしれません。
飲み屋で男性を誘うケース、店ごとグルのケースも
居酒屋やバーなどで男性に話しかけ、意気投合したように見せかけることで、男性がホテルに誘うように仕向けるケースもあります。
こうした手口の場合、女性はアピールだけして男性に話しかけられるのを待ちます。あとで「女性側から誘ってきた」という男性側の反論を封じるためです。
なかには、お店ごとグルというパターンの美人局もあります。このパターンでは、男性の仲間が経営するぼったくりバーに誘い込み法外な利用料金を請求されます。
初対面の女性から「このあと行きたいお店がある」などと誘われた場合は、警戒心を持って行動する方が良いでしょう。
ホテルに入る直前に別の男性が現れて金銭を要求される
良い雰囲気になり男性がホテルに誘ったものの、ホテルに入る直前で女性側の配偶者もしくは彼氏と名乗る男性が現れ、慰謝料などの名目で金銭を要求されます。
以下、美人局で相手が金銭を要求してくる際によくある言い分の例です。
- 自分の恋人に手を出したのだから、精神的苦痛を和らげるために慰謝料を払え。
- 自分の妻に手を出したのだから不貞慰謝料を払え。
- お前が既婚者であることは知っている。家族にバラされたくなければ口止め料を払え。
- 未成年者である女性とホテルに入ろうとした。警察にバラされたくなかったら金を払え
- 女性が同意していないにもかかわらず、無理やり性行為を行おうとした。性犯罪を家族にバラされたくなければ金を払え
男性の家族や社会的信用に対するうしろめたさを狙う
家族や会社関係など社会的信用に対するうしろめたさは、加害者側が狙う、付け込みたいスキです。
「おおごとにしたくない」「家族にバレたくない」など負い目がある場合、男性側は相手の要求に応じお金を払わざるを得なくなるためです。
ここで素直に要求に応じてしまうと、さらに金銭を要求されるなど別の犯罪に巻き込まれるケースもあります。強硬なタイプの手口では、交渉役の男性が反社との繋がりをちらつかせ、脅迫・強要がエスカレートするかもしれません。
性行為後に脅迫されるケースも
ホテルに入る前に恐喝されなかったとしても、性行為のあとホテルを出たタイミングや、数日経った後から連絡が来て金銭を要求されるケースもあります。
後日金銭を要求されるケースでは、女性が妊娠を主張し「子どもが出来たので中絶にかかる費用を払って欲しい」というタイプのものもあります。
本当に妊娠しているか定かでなくても、責任を取れないためお金を支払ってしまうケースも多いです。
女性とグルになっている男性が「俺の彼女に何してくれたんだ、慰謝料を支払え」などと怒鳴り込んでくることもあります。
非常に豊富な美人局のバリエーション
美人局のバリエーションは、数えだせばきりがないほど非常に豊富に存在します。
これは美人局が人間の性欲や感情と紐づけて仕組まれた落とし穴であり、男女関係で起こり得る感情のもつれをそのまま利用した犯罪行為だからです。
マッチングアプリなどを通じて出会いを求める人の気持ちは否定されるものではありませんが、そんな男性の想いを見透かし狙っている加害者が存在するのは事実です。
出会いのツールを利用するからには、美人局の被害に遭わないよう、あらゆる角度から警戒を怠らず、万一の対策・対応を意識しておくことも重要です。
美人局の特徴
基本的に女性側から積極的に会うことを誘ってくる場合には、美人局の可能性を考慮しておくことをおすすめします。
美人局の被害に遭わないようにするためにも、美人局の女性がアプローチしてくる際の行動・言動上の特徴をしっかり把握しておきましょう。
連絡先の交換や実際に会うまでがやけにスムーズ
初めて知り合った女性であるにもかかわらず、実際に会う日程の調整がすんなり決まる場合には注意が必要です。
実際にターゲットと接触できないと金銭を要求できないことから、美人局を考えている場合にはこちらの日程に合わせてくれやすい傾向にあります。
連絡を取り始めた当初から会うことを積極的に要求してきたり、日程調整時に何も提案されなかった場合には、少し美人局を警戒した方がよいかもしれません。
また、ホテルから近い場所を待ち合わせ場所に指定された場合にも注意が必要です。会ってすぐにホテルに誘われ、こちらが美人局かどうか判断する前に被害に遭う可能性があります。
彼氏や配偶者の愚痴をこぼす
美人局にはさまざまなバリエーションがあり、なかには彼氏や配偶者がいることを積極的にアピールしてくるケースもあります。
当初の段階から彼氏や配偶者の存在をアピールしておくことで、共犯関係にある男性が現れた際にすぐに「話していた彼氏(配偶者)だ」とターゲットに認識させやすくなります。
このタイプの美人局で特徴的なのが、彼氏や配偶者の愚痴を積極的に話してくることです。
「DVがひどい」「セックスレスで悩んでいる」などと悩みを打ち明けることで、ターゲットに助けを求めていると錯覚させます。
また、DVを受けていることを伝えておけば「すぐに手を出してくる男性」であることを印象付けられるでしょう。
おいおい金銭の請求がスムーズに進むよう、出会った当初からさまざまな罠を仕掛けてくるのは、美人局によくある手法です。
飲食代やホテル代を払おうとしてくる
食事代やホテル代を女性側が支払うと言ってくる場合には、美人局の可能性を疑った方がよいでしょう。
美人局の目的は、女性のホテルへの連れ込みや2人での密会を理由に、男性へ金銭を要求することです。
逆に言えば、男性をホテルに向かわせたい想定があり、ホテルに行くことを躊躇わないよう女性側が食事代やホテル代などを払って状況をリードするケースがあるのです。「お金を払わずにセックスできるなんてラッキーだ」などと浮かれていると、思わぬタイミングで被害に遭う可能性があるでしょう。
すでに支払ってもらった費用を「ホテル代や食事代まで女性に支払わせるなんて悪質だ」と恐喝の材料にされる可能性もあります。
初対面で積極的にホテルに行こうと誘ってくる
初対面であるにもかかわらずホテルに誘われたり、自宅での飲み直しを提案された場合には注意した方がよいでしょう。
一般的に、初対面の男性をすぐさま自宅に上げる女性はそう多くありません。積極的にホテルに誘う女性もいなくはないでしょうが、よく知らない相手との関係を望むのはごく稀なはずです。
美人局の場合、ホテルや自宅に入ることを確認できれば金銭を要求しやすくなります。
積極的に2人になれる状況を望んできた場合、よほどのことがない限り何か裏があるかもしれないと考えて行動するのがベストです。
「一人暮らしでここから近いから家に来ない?」と誘われたあとに、突然彼氏が家に入ってきて「俺の女に何手を出してんだ」などと怒鳴られる可能性もあります。
密室であることをいいことに暴力を振るわれる可能性もあるため、くれぐれも女性の積極的な態度には注意してください。
避妊具の装着を拒否される
性行為の最中に女性側が避妊具の装着を拒否した場合には、美人局を警戒しましょう。
後日「あなたの子どもを妊娠したから中絶費用を払え」など、法外な金銭を要求してくるパターンがあります。フリマアプリなどで購入した他人のエコー写真を見せて「これが証拠の写真です」と言われると、実際には妊娠していなかったとしても信じてしまう可能性が高いでしょう。
もちろん避妊具なしでの性交渉を要求されたからといって、全てのケースで美人局であるとは断言できません。それでも、女性からすると、避妊具なしでの性交渉は妊娠や性病感染などそもそも大きなリスクがある行為です。
それが初見の男性とであれば余計に、避妊具なしの性交渉を拒否する女性の方が一般的である事実は、大前提として頭に入れておきましょう。
美人局で該当する犯罪と刑罰
美人局をした場合に成立する可能性のある犯罪は、以下のとおりです。
- 特定の行為を強要した場合|強要罪
- 脅してお金を払わせた場合|脅迫罪・恐喝罪
- 暴行した場合|暴行罪・傷害罪
- お金を奪い取った場合|強盗罪
- お金を騙し取った場合|詐欺罪
- 性行為の相手が未成年だった場合|不同意性交等罪・児童福祉法違反など
美人局の加害者側には、行為態様によって脅迫罪や恐喝罪、詐欺罪などが成立する可能性があります。
一方で、状況によっては美人局の被害者側にも犯罪が成立してしまうケースもあるので注意が必要です。
脅してお金を払わせた場合|脅迫罪・恐喝罪
生命、身体、自由、名誉、財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した場合、脅迫罪(刑法第222条)に該当する可能性があります。
たとえば「会社にバラすぞ」「家族がどうなるかわかってるだろうな」などと脅迫する行為がこれに当たります。
脅迫罪の法定刑は、2年以下の拘禁刑(懲役)または30万円以下の罰金です。
また、暴行や脅迫を用いて財物を交付させた場合には、恐喝罪(刑法第249条)に該当する可能性があります。たとえば、「俺の彼女に手を出してどうなるかわかってるだろうな」などと脅迫しながら慰謝料という名目で金銭を払わせた場合や、暴力で相手を威圧した状態で身につけていた高級時計を慰謝料として渡させた場合などがこれに当たります。
恐喝罪の法定刑は10年以下の拘禁刑(懲役)で、未遂でも罰せられます。
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特定の行為を強要した場合|強要罪
脅迫や暴力を用いて人に義務のないことを行わせる、もしくは権利の行使を妨害した場合には強要罪(刑法第223条)が成立する可能性があります。
たとえば、相手を脅して土下座を強要したり、女性の借金を帳消しにさせたりする行為がこれに当たります。
強要罪は未遂も罰せられ、法定刑は3年以下の拘禁刑(懲役)です。
暴行した場合|暴行罪・傷害罪
相手に対して暴力を働いた場合には、暴行罪(刑法第208条)もしくは傷害罪(刑法第204条)が成立する可能性があります。加えた暴力が「傷害」に該当する場合には傷害罪、傷害に至らない程度であれば暴行罪が成立します。
「傷害」とは、人の生理的機能に障害を与えることをいいます。たとえば、相手を殴って骨折させたり、失神させたりした場合には、傷害罪に該当する可能性があります。一方で、軽く胸を小突いた程度の暴力であれば、傷害には至らず暴行罪だと判断される可能性が高いです。端的に言えば、暴力により相手が怪我をしたら傷害罪、怪我にはならない程度の暴力なら暴行罪です。
法定刑は、暴行罪が2年以下の拘禁刑(懲役)もしくは30万円以下の罰金、傷害罪が15年以下の拘禁刑(懲役)または50万円以下の罰金となります。
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お金を奪い取った場合|強盗罪
暴行や脅迫を用いて財物を奪い取った場合には、強盗罪(刑法第236条)が成立します。たとえば、殴る蹴るの暴行を加えて相手が反抗できない状況になっているところで、金銭を強引に奪い取るような行為がこれに当たります。
恐喝罪と似ていますが、財物を被害者自ら提供した場合には恐喝罪、加害者が財物を奪い取った場合には強盗罪が成立します。
強盗罪は予備も未遂も罰せられ、法定刑は5年以上の有期拘禁刑に処されます。
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お金を騙し取った場合|詐欺罪
人を欺いて財物を交付させた場合、詐欺罪(刑法第246条)が成立する可能性があります。たとえば、性病にかかっていないにもかかわらず、かかった事実があるかのように装い金銭を要求する場合や、女性が未成年であると偽り警察にバラさないことを理由に金銭を要求する場合がこれに当たります。
詐欺罪は未遂も罰せられ、法定刑は10年以下の拘禁刑(懲役)です。
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性行為の相手が未成年だった場合|不同意性交等罪・児童福祉法違反など
美人局の加害者にはさまざまな犯罪が成立する場合がありますが、状況によっては被害者側にも犯罪が成立する可能性があるので注意が必要です。
美人局の被害者側に成立する可能性のある主な犯罪
- 不同意性交等罪
- 不同意わいせつ罪
- 児童売春禁止法違反・児童ポルノ禁止法違反・児童福祉法違反
- 未成年者略取・誘拐罪
- 売春防止法違反
- 青少年健全育成条例違反
相手方の同意なく無理やりわいせつな行為をしたり、性交等を強要したりした場合、不同意わいせつ罪・不同意性交等罪が成立します。
また、関係を持った女性が未成年者だった場合には不同意性交等罪や児童福祉法違反、お金を払って性行為を要求していれば児童売春禁止法違反の罪に問われる可能性があります。
女性と同意の上で性行為に及んだとしても、あとになって女性が「同意なく無理やり襲われた」と主張したことで、犯罪の嫌疑をかけられてしまうケースもあり得るでしょう。
性犯罪の前科・前歴がつくと、日常生活は暗転します。冤罪であったとしても、性犯罪で突然逮捕・勾留となれば、家族や会社での信頼は失われ、周囲からの奇異の視線も避けられず、それまでの社会生活は高確率で破綻します。
万一、美人局の被害に遭ってしまった場合、早めに刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。
美人局の被害に遭わないための注意点
美人局の被害に遭うと、経済的にも精神的にも大きな被害を受けます。
マッチングアプリや婚活で出会いを求めている男性が、美人局の被害に遭わないためにはどうすればいいか、注意点を確認しておきましょう。
相手が未成年や既婚者でないことを入念に確認する
美人局の被害に遭わないためには、相手の素性をしっかり確認しておくことが重要です。
特に、
- 相手が未成年者でないかどうか
- 相手が既婚者でないかどうか
は入念に確認しておきましょう。
16歳未満の未成年者と知ったうえで行う性行為は、不同意性交等罪が成立するれっきとした犯罪です。
刑法上は未成年に会うことを要求するだけでも犯罪が成立します。実際に未成年者であれば処罰の対象となりますし、相手が美人局であった場合は相手を脅す格好のタネになります。
また、出会った女性が既婚者である場合、女性が結婚している夫から不貞行為を理由に慰謝料を請求される可能性もあります。
当初から未成年ではないこと・既婚者ではないことを確認しておけば、あとでトラブルになった際にも自身の正当性は主張できます。
LINEなど記録が残るやり取りの中で、未成年者・既婚者でないか確認し、相手の返答をもらっておくのがよいでしょう。曖昧な返答をしてきたり、回答せずに他の話題に移ろうとしたら要注意です。
初対面で必要以上に個人情報を喋らない
初対面でまだ相手のことをよく知らない状況で、自身の個人情報をくわしく話すのは避けましょう。
一流企業に勤めている、自営業で生活に余裕がある、など情報を与えてしまうと、お金があるとみなされ美人局のターゲットにされやすくなります。
また、家族構成や勤務先を伝えてしまうと、のちのち脅迫を行いやすくなります。
見知らぬ他人に与えた個人情報はどこでどのように活用されるかわかりません。もし女性側から必要以上の個人情報を尋ねられたら、美人局の可能性を疑ってください。
女性の方が積極的で、性交渉までの流れがスムーズな場合は注意
男女の出会い方は人それぞれですが、会うことに積極的な女性には、少し注意した方がよいかもしれません。
マッチングアプリなどを通じて出会った場合には、女子側も出会いを求めているため積極的に誘ってくるケースもあるでしょう。
しかし、2人で会うことにリスクもある女性側からしつこく誘ってくる場合、何か裏があるかもしれないと頭に入れておくのが懸命です。
特に会ってすぐホテルに誘ってくる場合や、自宅から近い場所を待ち合わせにしている場合は、警戒心を持って対応するべきです。
初対面でいきなり肉体関係を持たないことも、美人局の被害に遭わないために必要な対応です。
ホテルを指定してきた場合には特に警戒を
女性側からホテルを指定してきた場合には特に警戒してください。女性側から入るホテルを指定してくる場合、そのホテルの近くに仲間の男性が待ち伏せしている可能性があります。
ホテルまでの道が人目につかない暗い道だった場合、2人で密会している様子について写真を取られて、「俺の妻に手を出しやがって」などと脅迫を受けやすくなるでしょう。
待ち合わせ場所をホテルに指定してくるケースもありますが、初対面の相手をいきなりホテルに誘うケースは一般的とはいえません。待ち合わせ場所は、駅前など人通りの多いところを指定しましょう。
それでも頑なにホテルに行くことを要求してきた場合には、美人局の可能性が高いと判断してください。
美人局の被害にあった場合の対処法
どれだけ注意していても、美人局の被害に遭ってしまうケースはあるでしょう。予期せぬ被害に遭ってしまったら、次の対処法を検討してみてください。
応対せずにその場から逃げる
美人局は犯罪行為です。相手から脅迫を受けても話を聞く必要はないので、被害に遭ったらその場からすぐに逃げてください。
「逃げられると思っているのか」と後からゆすられるケースもありますが、対応する必要はないのでブロックや着信拒否などで関係を絶ってしまいましょう。
ただし、もし相手が未成年であった場合や、同意なしに無理やり性行為をした(あるいは、相手にそう主張された)場合、美人局の被害者側に犯罪が成立するおそれがあります。
美人局に遭った側が理由なしに金銭の支払いに応じる必要はありませんが、もし自身の行為が犯罪に該当するか不安な場合には、刑事事件に強い弁護士へ早めに相談することをおすすめします。
警察に被害届を提出する
美人局の被害に遭ったら、なるべく早めに警察に相談してください。
状況によっては被害届を受け取ってくれないケースもありますが、被害に遭った当初から相談しておけば、今後さらに脅迫を受けた際に話がスムーズに進みます。
被害に遭ってから時間が経ってしまうと、被害に遭ったことを証明しにくくなってしまい、被害届を受け取ってくれない可能性が高まります。
その場から逃げた場合や脅迫されてお金を払ってしまった場合、あとから繰り返し金銭の要求されている場合には、速やかに警察に相談しましょう。
被害の回復や逮捕の不安は弁護士に相談を
美人局の被害に遭ってしまった場合には、警察だけでなく弁護士にも相談することをおすすめします。
弁護士であれば、相手からの金銭要求に対してどう対応すべきかアドバイスをもらえます。
弁護士から法的な根拠を持った主張をすることで、相手がさらに脅迫をしてくる可能性を低くすることができるでしょう。
また、脅迫により精神的損害や経済的損害を負った場合には、加害者側に対して慰謝料請求や損害賠償請求をできるケースもあります。
警察が被害届を受け取ってくれない場合には、弁護士が刑事告訴状を作成し警察に犯罪が行われたことを主張することもできます。厳罰を希望する場合には、弁護士による刑事告訴が大きな意味を持つことになるでしょう。
さらに、美人局で自分が逮捕される不安がある場合にも、弁護士に相談するメリットは大きいです。
美人局の被害者が逮捕される可能性はある?
美人局の加害者側が恐喝罪などで逮捕された場合でも、被害者側に別途犯罪が成立する可能性はあります。
たとえば、女性の同意なしに性行為を行った場合には不同意性交等罪が成立する可能性があります。
関係を持った女性が未成年である場合は、不同意性交等罪をはじめ、児童福祉法や各都道府県の青少年健全育成条例などに違反する可能性があります。
犯罪行為に該当する以上、逮捕される可能性は否定できません。自分が責任を問われるのではないか不安な場合は、お早めに弁護士までご相談ください。
美人局で逮捕された場合、弁護士にできること
美人局の犯罪になんらかの形で加担してしまい逮捕が不安な場合、弁護士に相談する主なメリットは以下の3つです。
不当勾留の防止や早期釈放の実現
美人局の疑いで逮捕される可能性がある場合、弁護士に依頼することで、不当な身体拘束を避けるための弁護活動をしてもらえます。
容疑が被害者男性の言いがかりであれば、法的に有効な形で自身の正当性を主張し、不当な勾留や逮捕を免れることができます。
また、もし逮捕されてしまった場合、弁護士は勾留請求の却下を求め、被害者の弁護活動に尽力してもらえます。
検察官に対して意見書を提出し、逃亡の恐れや罪障隠滅を図る恐れがないことを法的な観点から主張してくれます。早期釈放を実現できれば、日常生活への影響は最小限にできるでしょう。
逮捕直後に刑事事件に精通した弁護士に依頼しておけば、、過去の事例などもふまえ今後の見通しを正確に判断することができます。
取り調べへの対応方法についてアドバイスを受けられるので、よくわからないまま自分が不利な形で話が進むことを防げます。わからないことは弁護士に何でも相談できるので、精神的にも安心できるはずです。
不起訴処分を獲得するための示談交渉
万一、逮捕されたとしても、不起訴処分になれば前科はつきません。逮捕された後も特に対応せず流れに身を任せていると、起訴され有罪判決を受ける確率も高まります。
被疑者が美人局の事実を否認している場合、犯罪行為を行っていない証拠を基に捜査機関へ無罪を主張していきます。
もし美人局の事実を認めているのであれば、犯行の態様が悪質ではないことや反省している旨を主張することで、起訴猶予による不起訴処分獲得を目指してくれるでしょう。
また、弁護士は被害者との示談交渉も迅速に進めてくれます。
被害者が刑事処分を望んでいないことを示談書の中で明確に示すことができれば、その示談書を捜査機関に提出することで不起訴処分の確率を上げることができます。
執行猶予など刑を軽くするための弁護活動
もし起訴されてしまったとしても、弁護活動を通じて刑を軽くできる可能性があります。
犯行当時の状況や被害状況などから総合的に考えて、重い処罰を与えるべきではないことを法的な観点から主張します。また、被害者との示談や被害の弁償も、量刑判断するうえで重要な事情として評価されます。
犯行について反省している様子や生活状況の改善、家族からの指導監督や病院での治療など、適切な対応を約束することで、執行猶予付き判決が下される可能性も高まります。
どれだけ行為を悔やんでいても、それを客観的に主張できなければ刑を軽くすることはできません。代理人である弁護士に自身の意思を代弁してもらい、重い刑罰を受ける可能性を低くしましょう。
まとめ
マッチングアプリやSNSの普及に伴い、男女の出会いの場が増えています。それに伴い、さまざまなケースで美人局の被害に遭うリスクが高まっています。
よくある手口では、ホテルの出入り口で突然見知らぬ男性が現れ、何かと理由をつけて金銭を要求してきます。証拠が残らないようその場で現金渡すように言われるケースが多く、渡してしまうとカモだと思われ何度も金銭を請求される可能性があります。
美人局を行うとさまざまな犯罪に該当する可能性がありますが、状況によっては被害者にも犯罪が成立する恐れがあります。特に女性側に「同意してないのに無理やり性行為をさせられた」などと主張されると、不同意性交等罪の判断において不利になる可能性があります。
被害に遭ったらすぐに警察に相談すべきですが、被害回復を望む場合や逮捕の不安を解消したい場合には、刑事事件に精通した弁護士に相談しましょう。
逮捕後72時間で自由に面会できるのは弁護士だけ!
ご自身・ご家族やご友人が
逮捕されてしまったら、今すぐ弁護士にご相談を!
このようなことでお困りですか?
- 身に覚えがないのに警察に呼ばれてしまった
- 逮捕されたことで解雇されたり、退学になるのは困る
- 今すぐ釈放してほしい
- 被害者の方と早期に示談したい
- 事件の前科や逮捕歴を残したくない
- なんとかして不起訴の可能性を少しでも上げたい
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