拘置所と拘置支所はどこに?~法務省管轄の未決囚が収容される施設~

名古屋拘置所

拘置所と拘置支所

法務省管轄の拘置所とは、原則として未決囚と死刑確定者を収容する施設で警察庁管轄の留置場とは違うものです。

未決囚とは刑事事件の被疑者または被告人でまだ刑が確定していない人を指しますが、拘置所には既決囚と呼ばれる実刑が確定した人も収容されていて、刑事事件の手続きにおいては多くの段階にある人が入っているのが拘置所となります。

拘置所と同様に法務省の管轄となる拘置支所は、刑務所などの施設に併設されるもので、日本全国の刑務所、少年刑務所などに設置されている刑事施設です。

日本全国にあるが、数は少ない

拘置所および拘置支所は、原則として逃亡や証拠隠滅のおそれがある未決囚、いわゆる未決拘禁者の身柄を拘束しておくための施設で、日本全国に設置されています。

しかし「○○拘置所」のような独立したものは数が少なく、全国に8カ所しかありません。また、東京都葛飾区小菅にある東京拘置所のような、収容人数が3,000名クラスというマンモス拘置所は他になく、拘置所といえば東京拘置所をイメージされる人が多くいます。

この東京拘置所はあまりにも有名で収容者が多いため、東拘や小菅といった通称でも呼ばれていて、刑事事件のニュースや新聞記事をよく見ている人であれば、名前を知らない人はいないでしょう。ちなみに東京拘置所は2013年に改築工事が終了し、面会もしやすくなっているようです。

有名なのは東京拘置所の名前だけ

一般的には、留置場と拘置所、刑務所と拘置所の区別が付かず、刑事事件で逮捕されてしまったらどこに連行されていくのか、想像もつかない人が多いと思われます。

自身が逮捕されてしまったのならば、警察や検察の言われるままに連れて行かれるしかないのですが、家族や友人・知人が逮捕された場合、どこに行けば面会できるのか、逮捕された人はいまどういう状況なのかは想像もつかないと思います。

警察から、拘置所に移送されたと聞いても、何のことだか理解できないのではないでしょうか。そういう時は、遠慮せずに弁護士に相談し、何でも尋ねてみると良いでしょう。

刑事事件の被疑者として逮捕されてしまったら、手続きにおける唯一の味方は弁護士であり、家族や友人・知人は支えになる存在なのです。

刑務所に併設される拘置支所

東京拘置所の他に独立した拘置所は、関東地方だと東京の立川拘置所、愛知県の名古屋拘置所、関西地区では京都拘置所、大阪拘置所、神戸拘置所、中国地方では広島拘置所、そして九州地方の福岡拘置所の合計8カ所だけです。

この他の全国にある103カ所の拘置所はすべて拘置支所と呼ばれるもので、ほとんどが刑務所や少年刑務所の敷地の中に設置されています。この数は、全国に1,100カ所以上ある警察が管轄する留置場よりも圧倒的に少ないため、それが拘置所が慢性的に満員状態である理由とされています。

地方に多い拘置支所

独立した拘置所は大都市部に集中し、その他は拘置支所として分散されている形です。確かに大都市部では人口に比例して刑事事件の発生件数も多くなりますので、拘置所もある程度の規模が必要になりますが、地方都市でもそれなりの数の事件は起きています。

そのため、地方都市の場合は専用の施設としての拘置所ではなく同じ法務省の管轄である拘置支所として、刑務所の敷地内に設置されているのです。

しかし刑務所の敷地内に併設されているというだけで、懲役や禁錮の刑罰を受けている受刑者とは収容されるエリアは完全に分けられている、まったくの別の施設になります。

拘置所は留置場よりも快適?

拘置所での生活は、留置場と同じように、起床、食事、運動、就寝については定められた時間通りに行わなければならないのですが、起訴されてしまったわけですから、原則として取調べは行われません。

そのため、自由な時間については、裁判の準備をしても構わないようです。そして日用品、書籍、衣類、文具、食料を房内に持ち込むことも可能で、留置場よりも自由度が高いと言えるでしょう。

しかしこの自由は、留置場で警察に言われたままの生活よりも苦痛に感じるという収容者もいるようで、どちらが快適かどうかは一概には言えません。

拘置所はなぜいつも満杯状態?

拘置所は常に満杯状態で、留置場が拘置所の役目を代わりに果たしているのが実情ですが、増える一方の収容者に対して、拘置所はこれ以上増やせないと言われています。

本来の刑事手続きの原則からすれば、刑事事件の被疑者として警察に逮捕された場合は、警察の留置場で身柄が拘束されたら、遅くとも検察へと送られる送検後には警察とは監督官庁の違う刑事施設である拘置所に移送されるべきなのです。

ところが現実的な実際の司法手続きでは、検察が逮捕を行い直接拘置所に収容されるというケースを除き、被疑者が送検後すぐに拘置所に移送されることは稀で、起訴が決まって被疑者の呼び名が被告人になって初めて拘置所に送られるというのが慣例になってしまっています。

このような対応が行われている理由は、拘置所の収容人数が圧倒的に足りないためと言われています。

拘置所を増やせない現実的な理由

収容人数が不足しているならば、拘置所をもっと増やせばいいと考えてしまいますが、刑事施設はそう簡単には増やせないという事情があります。

なかなか法務省関係の施設に予算を回せないといった問題以前に、拘置所の建設計画を地域に打診しただけで、現地住民による猛烈な建設反対運動が繰り広げられてしまう、といった現状があります。

刑事訴訟法の考え方からすれば、裁判所で行われる裁判で有罪が確定するまでは、被疑者も被告人も推定無罪の人なのですが、起訴される人の90%は実際に罪を犯して犯行事実を認めている推定有罪確定の人です。

そのような人々を収容する刑事施設の建設を喜んで迎えてくれる地域はなかなかないのが現実でしょう。

留置場を代用監獄とすることが認められた

以上のような現実的な問題を踏まえ、2006(平成18)年に監獄法が改正され「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」となった時、留置場を正式に代用監獄として使えることが法令に明記され、起訴される前の被疑者は警察の留置場に収容し、拘置所の収容人数不足をカバーするということになってしまいました。

但し司法関係者の間では、身も蓋もない話もまことしやかに語られています。それは、拘置所や刑務所に併設される拘置支所は、たいてい都市の中心部から離れた郊外にあり、地方に拘置所が増えると被疑者の取調べをする際に警察の捜査官や検事が遠くの拘置所まで出向くことになってしまう、という理由です。

起訴前に連日郊外まで出かけて取調べをするのは、警察の捜査官も検事の負担も大きいため、法令によって留置場の代用監獄を合法化したのではないかとも言われているのです。このような考えもあり、日本の刑事事件の手続きでは、送検後も留置場で勾留され、拘置所に行くのは起訴されてから、という慣習が今も続いているのです。

代用監獄制度は悪いことばかりではない?

しかし一方で、逮捕され勾留を受ける被疑者にとっても、留置場が拘置所代わりになることは悪いことばかりではありません。

独立した拘置所ならともかく、拘置支所は刑務所の中にあるため、逮捕されて留置場に1泊か2泊した後、送検と共に送られる先が刑務所というのは、いくら同じ敷地内で違う施設、受刑者とは隔離されているといっても、刑務所特有の高い塀の中に入ってしまうのは大きなショックとなるでしょう。

たとえ送検されても、捜査の流れや弁護士の活躍次第では、不起訴処分となってそのまま釈放されることもあります。そして、かつてはブタ箱と呼ばれていた留置場での生活も、人権への配慮やプライバシーを尊重する世の風潮から、時間はかかっていますが改善されてきているようです。

せめて起訴か不起訴かが決定するまで、少しでも塀の外に近い留置場で勾留されたほうが、被疑者にとっては良いのかもしれません。

拘置所への差し入れや面会は、弁護士に依頼を

拘置所への差し入れや面会は、一般の人がよく理解できない規則があります。例えば衣類やタオルを差し入れようとした場合、刑事施設ならではのルールがあり、どのような衣類なら可、どれくらいの大きさのものなら可、などを守らないと差し入れることができません。

拘置所に電話して尋ねても良いのですが、こちらの心情を理解して返答してもらえるとは限らず、被疑者あるいは被告人に身になって、親切丁寧に相談に乗ってくれる弁護士に依頼した方が良いでしょう。中には差し入れの代行サービスを行っている弁護士事務所もあるようです。

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