夫が盗撮で逮捕された!離婚する時の慰謝料はいくら?
- 2024年7月16日
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- もし逮捕されてしまったら
- 刑事事件弁護士相談広場
盗撮での逮捕を理由に離婚できる?
夫、もしくは妻が犯罪行為をして逮捕された場合、少なくともその期間中は以前通りの生活ができるとは言えません。しかもその内容が盗撮や痴漢といった行為であれば配偶者が直接の被害者ではないにしてもいい気はしません。
そこで配偶者の逮捕をきっかけに離婚ができるのか考えてみましょう。また、慰謝料を請求する場合もありますので、この場合における相場などについても説明していきます。
合意があれば離婚はできる
離婚にも様々な形があり、それぞれに要件があります。
たとえば、最も主流とされる「協議離婚」では互いの合意によって成立します。この場合には、法定されている特別の理由なども必要ありません。理由はどうであれ夫婦の話し合いで決着をつけられるのが基本とされているからです。そのため家庭裁判所にお世話になることもなく、離婚届けを提出しこれが受理された時点で離婚が成立します。
合意が得られない場合には理由が必要
合意が得られない場合には別の形を取ることになります。ここからは「調停離婚」となり家庭裁判所にお世話になります。
しかし裁判を起こすわけではありません。調停離婚は「裁判離婚」とは区別され性質が異なります。さらに裁判の前には離婚調停を経なければならないと法律で定められているのでいきなり裁判離婚となることはありません。これは、裁判離婚のように面倒な手続などを必要とせず解決するケースが多いため設けられています。
協議離婚では夫婦2人だけでの話し合いが基本ですが、調停では調停委員を交えて話し合うことになります。個別に話を聞く、中立の立場の人間が入ることで穏便に話を進められる傾向にあります。さらに調停調書が作成されることで後からトラブルになることも避けやすくなります。
たとえば、夫婦間で約束事を決めても、証拠として残る書面を残しておかなければ、後から約束を破られてもそのことを責めにくくなります。しかし調停離婚でも結局は夫婦が互いに合意しなければ成立しません。
そこで、これでも解決できなければ離婚訴訟を提起することになります。そして離婚原因があることを示さなければなりません。相手方の不貞行為や悪意の遺棄など、この他婚姻を継続しがたい重大な事由が必要とされます。裁判にまでもつれ込む以上、相手方とは強い対立関係にあると考えられます。
そのため不貞行為などがあったことを理由にしても相手方はそれを認めないでしょう。そこで離婚をしたい側は証拠を集める必要がでてきます。逆に離婚をしたくないと考える側は容易に証拠となるような物証等を残さないことが重要になってきます。
配偶者の逮捕は理由になるのか
不貞行為やDVなど、夫婦生活を破綻させる明らかな事由があれば証拠をもって離婚の理由とすることができます。
では、逮捕は理由として認められるのでしょうか。確かに一方が逮捕されてしまうと夫婦生活に悪い影響を与えることは十分に考えられます。しかし逮捕されること自体、もしくは逮捕の原因となった行為自体は他方の配偶者に直接害を与えたものではありません。そのため、当然に離婚理由とみなされる可能性は低いと言えるでしょう。
ただし行為の内容によっては離婚理由にできる可能性もあります。例えば強姦などをしている場合、その行為が犯罪であるかどうかは別に不貞行為に該当する可能性があります。そのため不倫をした場合と同じように離婚ができるかもしれません。性犯罪であれば、このように個別に判断して離婚の理由にできる余地は残されています。もし配偶者が盗撮や痴漢をして逮捕された場合にも同様に考えることができます。
そして殺人のように、重大な犯罪をした場合にも配偶者であるがために社会的な地位を失うこともあるでしょう。そのためこのような場合にも個別に判断されます。実刑判決を受ける可能性が高い場合や、何度も犯罪を繰り返しているような場合などには認められやすいと言えます。
そのため、盗撮で逮捕された場合であっても、それが離婚の原因として認められる可能性は十分あります。一度、弁護士の無料相談などを活用して相談してみることをおすすめします。
逮捕中の離婚手続き
配偶者が逮捕されたことをきっかけに離婚ができる可能性はある、ということでした。しかし、逮捕されているということは自由に話し合いができる状態ではありません。
まず、勾留までの最大72時間会うことはできませんし、しかも勾留となり面会ができるようになっても制限があります。土日は不可、早朝や夜間も不可、そして20分ほどが面会できる時間とされているなど、じっくりと話し合いができる環境ではないと言えるでしょう。
しかし逮捕された本人が離婚に合意している場合には比較的簡単に手続きを進めることが可能です。面会をするための手続きは別途必要ですが、面会ができれば面会時に離婚届を「差し入れ」し、サインをしてもらった離婚届を「宅下げ」することで、あとは通常通り提出すれば離婚成立となります。
一方で、逮捕されている本人から離婚の合意が得られなければ、調停や訴訟提起が必要になるなど、必要な手続きが増えることになります。それも逮捕されているため調停に代理人を立てるか釈放、執行停止などの許可をもらわなければなりません。出席ができないことも考えられます。この時点で合意しない意思が明らかであれば訴えを起こすことになりますが、逮捕されたことが理由になるとも限りません。
逮捕されている側としては、逮捕されていることが夫婦生活を破綻させる理由にはならないと主張する必要があるでしょう。さらに、逮捕に至った行為についても夫婦生活に重大な悪影響を及ぼすものではないと主張することも必要になります。
そしてこれらの主張を適切に行うためには、弁護士に相談することが有効で、逮捕中に弁護士と面会しアドバイスを受けることになってきます。逮捕されてしまったことの精神的なショックもあるなか離婚への対策をしなければならず、やはり逮捕中の離婚は双方に負担が大きなものになると言えるでしょう。
盗撮で逮捕を理由に離婚した場合の慰謝料相場
離婚理由によって相場は異なる
離婚時には慰謝料を請求することがあります。離婚と慰謝料はセットであるかのようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、これらは別個の概念です。それぞれ別々に請求が可能です。また離婚をするからといって必ず慰謝料が請求できるものでもありません。そして慰謝料の金額もケースバイケースとなります。
例えば離婚の理由として不貞行為・DV・モラハラ・悪意の遺棄などが挙げられますが、同じ理由であっても相場には幅があります。50万円から300万円程度が目安と考えられます。金額を決定づけるものとして、不貞行為であれば浮気の回数やその期間の長さなど、具体的にどれほど悪質なものであったかということが考慮されます。
DVやモラハラなども暴力等を受けていた期間や、どのような暴力であったかによって変わってきます。悪意の遺棄とは収入を得る能力のない一方の配偶者に対してわざと生活費を渡さないようなケースを言いますが、この場合には遺棄した期間などが考慮されてきます。
盗撮での逮捕を理由にした離婚の場合
盗撮での逮捕を理由としているケースであっても、個別に判断されることに違いはありません。しかし慰謝料を請求する側が直接被害を受けたわけではないためあまり高額の請求ができないことや、そもそも慰謝料の請求が認められないこともあり得ます。逮捕されたことで、その逮捕された配偶者から直接精神的な被害を受けたことが証明できなければなりません。
盗撮での逮捕を理由とする離婚の場合であっても、慰謝料の相場に大きな変化はなく、ケースに応じて50万円から300万円程度が目安となります。
盗撮での逮捕による離婚問題は弁護士に相談!
盗撮での逮捕をきっかけに、夫婦関係に問題が生じてしまい、そこから離婚問題に発展する可能性も十分にあります。離婚については、まず当事者である夫婦間で話し合うことが基本にはなりますが、どうしても感情的になってしまい、夫婦間の話し合いだけでまとめることは難しくなってしまうこともあるでしょう。
このような場合には、第三者を間に入れることが有効であり、その場合には法律の専門家である弁護士に相談することが最も有効となります。盗撮で逮捕されたことが、離婚の理由になるかどうかなども含めて、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
もし、盗撮事件についての弁護を依頼している弁護士がいる場合には、その弁護士に離婚についても相談してみるといいでしょう。
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