逮捕されたらどうなる!?~警察に身柄拘束されて自由がなくなる~

冷静

逮捕は、ある日突然やってくる

刑事事件の被疑者として逮捕された瞬間から、ほとんどの場合は何の前触れもなく、いきなり社会から切り離されてしまいます。

自分が罪を犯したという自覚があれば逮捕を受け入れることもできるでしょうが、何もしていないのに、あるいは間違った罪状で逮捕されてしまった場合、これから何をされるのか、どうすればいいのか分からない人がほとんどでしょう。

一般的なイメージとしては、警察や検察が事件の犯人だと思われる人を簡単に逮捕すると思われているかもしれませんが、逮捕とは人の自由を奪う重大なことになるため、憲法にもその方法がきちんと定められています。

憲法
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

以上の条文にあるように、人は刑事事件を起こしてしまったとしても、刑法、特別刑法、あるいは刑事訴訟法などの法律に定められている刑事手続きをきちんと経なければ、生命刑(死刑)、自由刑(懲役や拘留、拘禁)、罰金刑に科せられないのです。また、現行犯逮捕以外では必ず逮捕状が必要となることも法律で規定されているのです。

このように、刑事事件における逮捕の手続きはすべて法律によって定められた方法で行われなければならないのですが、一般的には一生にほとんど縁のないものとなるため、関連する法律の知識がなくても仕方ないかもしれません。そのため、万が一刑事事件の被疑者として逮捕されてしまうことになったら、頼りになるのは法律の専門家である弁護士です。

自分の法律の知識だけで警察や検察、裁判所といった相手と交渉し、もし罪を犯しているならば罪状に見合った償いをする、あるいは無実の場合は誤認逮捕であると主張し釈放を勝ち取れる人は、ほんの一握りの人しかいないでしょう。

逮捕された時にまず頭に思い描くことは、弁護士に依頼し、刑事手続きを進める力になってもらうことです。しかし逮捕された時、前もってどのような流れでどう扱われるのかを知っておけば、冷静に状況を判断し、有利に手続きを進められる可能性が高くなることも間違いないでしょう。

本項では、逮捕はどう行われるのか、いつまで拘束されるのか、などについて説明していきます。

通常逮捕は早朝に行われるのが通例

現行犯逮捕ではなく、警察や検察が裁判所に逮捕状を請求し、交付を受けて行われる通常逮捕の場合、たいていは事前に被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりすることを防ぐために、ある日突然行われます。そして確実に被疑者が在宅している時間帯を狙うため、一般的に警察が逮捕に訪れるのは、通勤や通学前の早朝となります。

逮捕される側としては、朝目覚めて日常の生活が始まる頃、いきなり警察が自宅に押しかけてきて、身柄を拘束されてしまうことになるのです。テレビや映画のイメージからすると、逮捕といえば手錠を掛けられた瞬間のことだと思われがちですが、実際は警察もしくは検察の捜査官に取り囲まれて、自由がなくなった瞬間が逮捕された状態と言えます。

具体的には、捜査官が被疑者に逮捕状を提示し、「〇〇〇〇(被疑者の名前)! △△の容疑で逮捕する! ××時××分!」と逮捕状を見せられ逮捕を告げられた時になります。この際、逃亡のおそれがなければ、必ずしも手錠をかけられるというわけではありません。しかしこれは警察や検察が判断することですから、被疑者に逃げる気がまったくなくても手錠をかけられることもあるでしょう。

いったん逮捕されると、トイレに行くことすら許可が必要で、自分の意思で行きたいところに行けなくなりますが、最もやっかいなのは、自分で直接外部との連絡を取ることができなくなることです。現在ではスマートフォンや携帯電話を持っているのが普通で、たいていの人はどこにいても気軽に誰とでも連絡ができるのですが、逮捕が執行されると、自分で電話をかけることも許されなくなります。

自宅での逮捕で家族などがいれば、逮捕されたことを誰かには知られるところになりますが、通勤や通学などで自宅を出て、自分を知る人が誰もいない路上で逮捕されたような場合は、他の誰もが逮捕されたことを知らないで数時間が経過することになるでしょう。会社に来ない、家に帰ってこない、連絡が取れないという状態になっても、逮捕されたなどと考えて警察に連絡するような人はほぼいないと思われます。

外部との直接的な連絡手段を失った被疑者は、いきなりそれまでいた社会と切り離され、強制的に警察署の留置場などへと連行されてしまいます。逮捕された後に、唯一連絡することができるのは、弁護士だけとなります。

逮捕が必要な状況とは?

刑事訴訟法第199条には、どのような場合に逮捕が行えるのかが規定されています。

刑事訴訟法

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。(以下略)

同条によると、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる「相当な理由」が必要とされ、「罪を犯した可能性がある」という程度では逮捕状は発行されず、逮捕は行ってはならないのです。

加えて通常逮捕においては、「逃亡や証拠隠滅のおそれ」がないことも逮捕の要件であると、刑事訴訟法の下位規範である刑事訴訟規則の第143条3項に規定されています。

刑事訴訟規則

(明らかに逮捕の必要がない場合)
第百四十三条の三 逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。

以上のことから、警察や検察は、その人が罪を犯したということが明らかだという相当な理由があり、なおかつ逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合にのみ、逮捕を行うことができるということが分かります。

例えば、誰もが顔を知っているような著名人は逃亡が難しく、また会社の役員など責任のある立場の人は逃亡しないだろうと考えられるため、加えて証拠を隠滅することがないと考えられる時などには、裁判所は逮捕状を発行してはならず、逮捕はできないということになるのです。

しかし現実的には、一般人のみならず著名人であっても、ほとんどのケースにおいて警察や検察が申請する通りに、逮捕状は発行されてしまうと言われています。

逮捕されたら、どうすればいいのか?

万が一刑事事件の被疑者として逮捕されてしまったら、まずは落ち着くことが大切です。

本当に難しいことだと思いますが、まず本当に自分が逮捕状に書かれている通りの罪を犯したのかどうかを考え、その先に待っている刑事手続きに臨む算段を頭に巡らせましょう。

そして、「覚悟を決める」ことも肝心です。

これは本当に逮捕容疑とされている罪を犯したのか、あるいはまったく身に覚えのない罪なのかで違ってきますが、逮捕されたらしばらくの間は外部との連絡はできないので、仕事のことや決まっていた予定のことなどはきっぱりと諦め、逮捕の手続きの流れのなかで最善の方策を想像するのです。

逮捕は、検察や警察のペースで進められる

逮捕は、警察や検察といった捜査機関が動くタイミングで行われ、社会生活の中の日常が突如として壊されてしまいます。今日は大事な会議や約束があることなどおかまいなしに、逮捕はやってきます。

警察署に連行され、さまざまな調べを受け、留置場に入れられるという、テレビや映画でも見たことがないような取り扱いを受け、そこでたいていの人は思考が停止してしまうようです。この段階ではどんなに抵抗しても、捜査当局は法律に則って手続きを進めているわけですから、どうしようもありません。

自分が本当に罪を犯してしまっているのかどうかをしっかりと考えながら、警察や検察の心証が悪くならないようにするのもひとつの手です。

冤罪の場合は、事件に関することは何も言わないことも重要

もしまったく身に覚えのない罪状で逮捕されてしまった場合、「何もやっていない」と真実を言っても捜査当局は信じようとしません。彼らは自分たちが描いた犯罪のシナリオによって逮捕を行い、取調べを進めようとしますから、被疑者の言い分を聞き入れるわけがありません。

とは言え、捜査当局の言いなりになり、やってもいないことをやったと証言することは厳禁です。取調べにおいて話したことは後の裁判において重要な証拠となってしまいますから、何も言わない、知らないことは知らないと貫き通すことが大切です。

本来ならば逮捕直後に、遅くとも3日も経てば唯一の味方である弁護士に連絡することができますので、それまでは真実に反することは何も言わないのが得策です。

逮捕されたら、いつまで拘束されるのか?

逮捕された被疑者がパニックに陥ってしまう理由のひとつに、逮捕されていつまで留置場にいなければいけないのか分からない、という不安感があるでしょう。

逮捕による身柄拘束は、刑事訴訟法などの法律に基づいて行われているので、厳密な期限が定められています。この事実を知っていれば、少しは冷静に対処することができるのではないでしょうか。

逮捕による身柄拘束は72時間だが、勾留は最長20日間

まず、警察が逮捕状を示して行われる逮捕による身柄の拘束は48時間と決められています。これは現行犯逮捕でも同じですが、警察は48時間以内に関係書類は証拠を揃え、被疑者の身柄とともに検察に送検しなければなりません。そして検察は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を起訴するか不起訴処分で釈放するかを決めなければなりません。以上の合計72時間が逮捕の有効期限とも言える時間です。

しかし現実的には、ほとんどの刑事事件において、検察は24時間では調べがつかないという理由で、勾留請求という手続きを行い、さらに10日間の身柄拘束を裁判所に求めて許可されてしまいます。勾留請求は検察が裁判所に対して行う手続きで、被疑者自身が勾留請求されたことを知るのは、裁判所が行う勾留質問を受けるために裁判所に連行された時となります。

以上のように、刑事事件で逮捕された場合、警察や検察が被疑者の身柄を拘束しておけるのは、最長で72時間となります。

一方で、罰金刑のみで済むような比較的軽微な犯罪で被疑者自身が容疑を認め、反省しており、なおかつ初犯であれば、略式手続きで起訴となる確率が高く、この場合には早ければ逮捕当日、遅くても逮捕から3日ほどで罰金を払えば釈放されます。とは言っても、早く釈放されたいから罪を認める、という態度は間違いです。

略式手続きで釈放されたとしても、前科がつきますので、後の社会生活に大きな制限が付く可能性があります。早く外に出たいという理由で、やってもいない罪を認めることは絶対に避けましょう。

被疑者の味方は弁護士のみ

以上のような逮捕から勾留の流れを知っていれば、常に最悪のケースを想定しつつ、冷静な対応ができるかもしれません。しかし警察や検察といった、ある意味逮捕の専門家を相手に、一般人がひとりで立ち向かうのは難しいでしょう。

本来ならば、逮捕直後でも弁護士を呼ぶことが可能ですが、多くの方はすぐに呼べるような弁護士はいないと思われます。そのような場合でも、勾留される前には必ず弁護士に連絡ができる機会がありますので、専門家の力を借りて、手続きを進めることが大切です。

弁護士の活躍によって勾留が途中で解かれ、予想より早く釈放となる可能性も十分にあるのです。

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