傷害罪の初犯での刑罰は?懲役・罰金の相場と解決方法

逮捕されて嘆く男性

傷害罪初犯だと軽い処分で済みやすい

人の身体を傷つけてしまった場合には傷害罪が成立することになり、刑罰が科される可能性があります。

刑法にはさまざまな犯罪があり、それぞれに刑罰の内容が定められていますが、それらはあくまでも刑の種類と重さの範囲を定めているだけです。そのため実際に受けることになる罰は具体的状況などによって変わってきます。

このページでは、傷害罪に問われたものの初犯である方がどのような刑罰を与えられるのかについて説明します。

傷害罪に限らず、初犯は量刑が軽くなりやすい

まず、初犯であるという事実が与える影響は傷害の罪を犯した場合に限らず量刑に大きく関わってきます。
傷害の罪に限定される話ではありません。多くの犯罪において、初犯であれば被疑者・被告人にとって有利にはたらきます。

結論から言えば、比較的軽い処分で済みやすくなります。逆に、何度も同じ罪で罰せられてきた場合には重い処分が課せられやすいです。
これまでに罰を与えられてきたにもかかわらず同様の行為を繰り返していることで反省していないという印象を与えてしまい、さらに今後も繰り返すのではないかという評価をされやすくなるからです。
そのため初犯であれば相対的に軽い処分となりやすいのです。

軽い処分の具体的内容については犯罪の内容によって変わってきます。

たとえば、強盗における法定刑は5年以上の有期懲役ですが、窃盗罪での法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。強盗の罪で懲役刑になれば重大な事件ではなかったとしても最低で5年の懲役刑です。懲役刑の実刑となれば刑務所に行かなければなりませんのでかなり重たい処分だと言えます。

一方で窃盗の場合、損害額が大きかったとしても懲役刑にはならず罰金刑で済むことがあります。この場合金銭を納めさえすればよいため懲役刑に比べて軽い処分です。

つまり強盗の初犯であったとしても処分の内容は強盗罪の範囲内で軽くなりやすいだけであって、窃盗の前科者が再び罰せられたときより重くなることは十分あり得ます。

このことを踏まえ、傷害の罪においても同様の罪を犯した者同士で比較して罰は軽くなる傾向にあるというだけで、該当する犯罪類型の基準で処分を下されるということは忘れてはいけません。

傷害罪の初犯でも重い罰が与えられるケース

初犯だと軽い処分で済みやすいということは、一概にすべてのケースに当てはまるわけではありません。

量刑判断において初犯かどうかだけが考慮されるわけではないからです。
初犯であることは大きな要素のひとつですが、その他、被害の大きさや被害者の処罰感情の大きさ、行為の悪質性、常習性、反省の度合い、更正見込み、業務性、犯行の手段等々色んなことを総合考慮されます。

初めて傷害の罪に問われた場合でも、被害者に大きな傷害を負わせてしまい、そのことに対し何も賠償もせず反省もしない、高い計画性をもって行ったなどの事情があれば重たい罰が科せられる可能性が高くなります。
犯行の瞬間やそれ以前の行動だけでなく、事件後の行動についても量刑に関わってくるということが言えます。

そのため逮捕されてしまったからといって開き直った態度を取るのではなく、適切な対応方法を知り、悪い印象を与えないよう言動に配慮しなければなりません。

傷害罪とその刑罰について

初犯と量刑との一般的な関係を説明してきましたが、ここで傷害罪について少し解説していきます。

傷害罪とは、他人の身体を傷害する行為を内容とする犯罪です。「傷害」とは「身体の完全性を害すること」、「健康状態や生理機能を害すること」などとも言われ、要は相手を怪我させることを意味します。

怪我という結果を発生させることが要件であり、殴ったり蹴ったりしたものの怪我をしていなければ傷害罪は成立しません。
ただし暴行罪では怪我の有無が要件とされておらず、単に暴行するだけでこちらの罪が成立し得ます。
暴行罪に傷害の結果が合わされば傷害罪が成立するという順序になりますので、この関係性において傷害罪のほうが重い刑罰が予定されています。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。上の要件を満たし、有罪の判決となれば法定されているこの範囲内で処罰内容が決められます。

懲役・罰金の相場

相手を殴るなどして怪我をさせると最大15年の懲役刑に処され、そうすると長い期間刑務所で過ごさなければならなくなります。
一方で同じ有罪の判決を得、傷害の罪における犯罪者になったとしても数万円程度支払うだけで済むケースもあります。

刑の種類やその期間・金額には幅がありますが、まったく予測できないわけでもありません。
これまでの裁判例などを見比べ、同様の事件があれば、その裁判で言い渡された内容に近くなることが考えられます。

実際に審理する裁判官は異なるものの、同様の事件に対し結論が大きく乖離することはあまりないのです。
一定の範囲内で量刑にも相場というものがあり、同類の犯罪者間で著しい不平等がないようにバランスが取られているのです。

よって、傷害罪でもこれまでの裁判例からどのような場合に罰金刑または懲役刑となるのかが見えてくるでしょう。

初犯の傷害事件は罰金刑になるケースが多い

あくまで相場ですが、初犯の傷害事件だと罰金刑で済むことが多いです。
ニュースや新聞などで取り上げられる事件は大きな損害を生じているものが割合多くなりがちで宣告される刑も重いものを多く目にすることになりますが、実際世の中で起こっている犯罪の多くは軽微なもののほうが割合多く、懲役刑のように重たい刑罰は頻繁に科せられるものではありません。

法改正によって、それまで懲役刑しか定められていなかった犯罪に対しわざわざ罰金刑を設けた例も多く、懲役刑を科すことに対し慎重な姿勢が見られます。
懲役刑しか定められていない場合には行為の軽微さに比べ処分の内容が重く不釣り合いになってしまっていたという背景がありました。

傷害罪でも大きな損害が生じておらず初犯であれば、いきなり刑務所行きになるということは起こりにくいでしょう。

一方で、平成17年に施行された傷害罪での法改正では、法定刑が引き上げられています。
以前は「10年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定められていたものが今では最大15年の懲役・50万円の罰金まで科すことが可能になっています。

わざわざ法律を書き直して重い刑罰を設けていることからも、悪質な事件の場合には10年以上の懲役に処される可能性が十分にあると考えられます。
実際、罰金刑においても20万円から50万円が相場であるとも言われており、50万円近い金額の支払が命じられることも珍しくありません。

傷害事件後の流れ

傷害の罪に問われる場合の、事件発生から処分までの流れを説明していきます。

捜査の始まり方には縛りがありませんので、あらゆることをきっかけに警察等の捜査機関が動き出します。
よくあるのは被害者による被害届の提出や告訴、もしくは目撃した者の通報・告発です。暴行をはたらいた現場で警察官や私人に現行犯逮捕されることもあるでしょう。
逆に被害届を出しても警察が捜査に乗り出すとは限りません。人員や時間にも限りがありますので事件の軽重などから即座の対応をしてくれないこともあります。

罪を犯したことと逮捕されるかどうかは別問題

また罪を犯したとしても逮捕されるかどうかは別の問題です。逮捕はその対象者が逃走するおそれや証拠を隠すおそれがある場合に行われるのであって、身柄を拘束する必要がないと思われる場合には在宅事件として扱い、被疑者は日常生活を送りながら取調べを受けることになります。

逮捕後の身柄拘束、勾留期間は最大20日間に及ぶことも

逮捕された場合、まずは警察に身柄が置かれ最大48時間拘束を受けます。その後さらに継続して拘束する必要がないと判断されれば釈放、そうでなければ検察に身柄が移り引き続き拘束されます。検察は警察から身柄を受けると24時間以内に、さらに長い身体拘束を行うかどうかの判断をします。ここまでの期間を逮捕期間と言い、その後は勾留期間として最大20日間自宅には帰れなくなります。検察は勾留期間中に起訴・不起訴の判断を行います。起訴処分となれば刑事裁判へと進み、裁判で有罪無罪の審理、有罪なら刑の内容が審理されます。

基本的にはこのように手続きが進みますが、それほど重大な事件ではないと評価されれば被疑者の意見を聞いた上、略式裁判で簡易的に処分が下されることもあります。
略式裁判では正式な刑事裁判に比べて短期間で事件を解決させることができ、事件に関与する者の負担を軽減させることができます。
実際のところ罰金刑に処されるケースの多くはこの略式裁判によるものです。略式裁判での結果に納得ができなければ正式な裁判で審理することを求めることができます。
ただし多くは略式裁判での結果がそのまま反映され、同じ金額での罰金刑が言い渡されています。略式裁判を経て2度の審理の機会を得ることができるものの、略式裁判で決まった処罰より重くなる可能性も少なからずあるということは覚えておかなければなりません。

また統計上、起訴されるとほとんどの場合で有罪となっているため被疑者は起訴されないようにすることが大切です。
被疑者となった場合には不起訴処分を得ること、また身柄を拘束されている場合には早期に釈放をしてもらうことを目指しましょう。
起訴されてしまった場合、冤罪や違法性がないと主張するなら無罪判決のための弁護活動、有罪が避けられず懲役刑を言い渡されそうな場合でも執行猶予付与を目指します。
そこで次項で説明するアクションを起こすことが重要になってきます。

不起訴・軽い量刑となるには

反省の態度を示す

反省しているかどうかは判決の内容に影響するだけでなく、起訴・不起訴処分の判断および身柄拘束からの釈放においても意味を持ちます。初犯かどうかは客観的に明らかにできますが、反省の有無は主観にもよるためどうすれば反省していることを伝えられ印象を良く見せることができるのかよく考えなければなりません。

取調べにおける協力的な対応なども重要です。ただし捜査機関の言いなりになって何でも認めるということではありません。
事実でないことについてははっきりと否定するなど、自分にとって不利な発言は避けなければなりません。また取調べでは黙秘をする正当な権利もありますので、自分一人ではどのように対応すべきか判断できないという場合は黙っておくのも1つの手法です。

示談を成立させる

できるだけ早く示談を成立させておくことも重要です。示談は、被害者と交渉し示談金を渡すことで、当事者間では解決したものと扱う和解の一種です。
刑事手続における処分は被害者の処罰感情も考慮されますが、示談が成立していれば被害者はすでに加害者を許しているものとして扱われます。これによって必ず不起訴や無罪になるわけではありませんが、示談が成立していない場合に比べ軽い処分で済む確率はかなり高くなるでしょう。

示談金額は被害者の被害・処罰感情によりバラツキ大

実際の傷害事件で、相手の顔面を3発殴るなどして全治3週間の怪我を負わせたケースでは示談金として罰金刑の上限を超える75万円を支払い、不起訴を得ています。
また新幹線内で座席を後ろから複数回蹴り頸部挫傷および頭部打撲傷などの怪我を負わせ3週間の休業を強いられたケースでは179万円もの金額で示談が成立、不起訴処分を得ています。一方、顔面を数回殴り全治1週間の怪我を負わせたケースでは示談も32万円で成立しているものの、起訴され罰金50万円に処されています。

このように示談金額は事件の内容や被害者の処罰感情に左右するためかなり幅があります。しかし相場もあり、被害が小さい場合には10万円から30万円程度、大きな被害があれば100万円以上、後遺障害を残すほどであれば数千万円以上になることもあります。

傷害罪は弁護士に相談する

傷害罪初犯であれば比較的軽い処分を得ることができる可能性は高いです。さらに、取調べへの協力的な態度や、示談交渉も効果的です。しかし、その正しい対応方法を知らなければ自分に不利な供述をしてしまうことや、示談を成立させられないことも考えられます。そこで弁護士に相談して適切な対処ができるようにしましょう。

示談交渉の場面でも間に弁護士が入ってくれることで成立させやすくなり、身柄拘束されている場合でも早期釈放に向けて動いてくれます。もちろん裁判での弁護活動もしてくれます。できるだけ早い時期に依頼しておくことで少しでも自分に有利になるようはたらきかけてくれますので、事件後や逮捕後にはすぐ弁護士に相談するようにしましょう。

また、弁護士にはそれぞれの得意分野がありますので、弁護士に相談するときにはしっかりと刑事事件に強い弁護士を選ぶことをおすすめします。

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