暴行罪で逮捕された!身柄解放・不起訴処分・刑を軽くするのが得意な弁護士に相談
- 2021年7月2日
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- もし逮捕されてしまったら
- 刑事事件弁護士相談広場
暴行罪とは
ついつい腹が立って人に暴力を振るってしまった場合などには「暴行罪」が成立します。実は直接的な暴力以外にも暴行罪になるケースはたくさんあります。そもそも暴行罪は、どのようなときに成立する犯罪なのでしょうか?
暴行罪の条文
まず、刑法における暴行罪の条文を確認しておきましょう。
刑法第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料に処する。
以下で、暴行罪がどのような場合に成立するのか、要件を確認していきます。
「暴行」の具体的な内容
暴行とは「人に対する不法な有形力の行使」です。典型的なものは、殴る蹴る、胸ぐらをつかむ、押すなど、直接相手の身体に物理的な力を加える行為です。ただし、それだけではなく、相手に塩や水を振り掛けることや、相手の服を引っ張る行為、大声で怒鳴り付ける行為なども「暴行」になる可能性があります。
暴行の「故意」
暴行罪が成立するためには、暴行の「故意」が必要です。つまり殴ってやろう、怒鳴り付けてやろう、という気持ちです。
たとえば、急いで歩いているときに、ついつい手が相手に当たってしまった場合などには故意がないので、暴行罪が成立しません。
傷害に至っていないこと
暴行罪が成立するためには「傷害に至っていないこと」が必要です。傷害とは、わかりやすく言うと、人の身体が傷つくことです。つまり、殴ったり蹴ったりした結果、人が怪我をしてしまったら暴行罪になりません。その場合には、傷害罪が成立します。
暴行罪の刑罰
暴行罪が成立すると、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留や科料の刑罰を受ける可能性があります。以下で、それぞれがどのような刑罰なのか、みていきましょう。
懲役とは
懲役刑は非常に有名な刑罰なので、知っている方がほとんどでしょう。ただ、正確な内容は知られていないこともあるのでこれを機にチェックしましょう。
懲役は、刑務所などの施設で身柄拘束をされて強制労働をさせられる刑罰です。労働を伴わない場合には「禁固」となります。暴行罪の場合、禁固刑はなく、懲役刑のみです。懲役刑の期間は最低でも30日です。
罰金とは
罰金は、お金を支払わねばならない刑罰です。金額が1万円以上になると「罰金刑」となります。
拘留とは
拘留は、30日未満の身柄拘束の刑罰です。懲役刑や禁固刑になったときと同様、刑務所などの刑事収容施設に身柄を拘束されます。
懲役刑や禁固刑との違いは、身柄拘束の期間です。30日以上になると懲役刑や禁固刑となりますが、拘留の場合には30日未満です。
また、懲役刑の場合には、身柄拘束中に強制労働をさせられますが、拘留の場合には労働をしなくてもかまいません。
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過料とは
過料は、1万円未満の金銭支払いの刑罰です。現在の貨幣の単位では、9999円までであれば過料になるということです。1万円を超えると罰金刑になります。
以上のように、暴行罪の刑罰は比較的軽いですが、場合によっては2年の懲役刑となる可能性もあります。また、たとえ罰金、拘留や過料であっても罪は罪ですし、処罰を受けると前科もつくので、軽く考えるべきではありません。
罪名 | 暴行罪 |
---|---|
適用される刑罰 | 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは過料 |
成立の要件 | 他人に対して不法な有形力の行使 暴行の故意 傷害に至っていない |
暴行罪と傷害罪の違い
暴行罪と傷害罪は、混同されることがとても多いので、これを機に違いを正しく理解しておきましょう。
暴行罪と傷害罪の基本的な違い
暴行罪は人の身体に対して不法な有形力を行使したときに成立しますが、人の身体が傷つかなかったことが要求されます。
これに対し、傷害罪は、人の生理的機能を害したときに成立する犯罪です。典型的な傷害は怪我をすることですが、それ以外にも、毎日大音量でステレオを鳴らされて耳が聞こえにくくなったとき、パワハラ上司から大声で怒鳴り付けられる日々が続いたので、うつ状態になった場合などにも傷害罪が成立します。感染症にかからせたり薬を飲ませてめまいや下痢を引き起こしたりした場合なども傷害罪です。
傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯
傷害罪は、暴行の結果、被害者が傷ついたときに成立する犯罪ですから、暴行罪が加重されるものだと考えるとわかりやすいです。たとえば、相手を殴りつけたときに、相手が怪我をしなかったら暴行罪ですが、相手が怪我をしたら傷害罪となります。
このように、ある犯罪を行ったところ、重大な結果が発生してしまったので罪が加重される犯罪のことを「結果的加重犯」と言います。傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯です。
傷害罪の法定刑
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金刑であり、暴行罪よりもかなり重いです。
自分では暴行のつもりで相手を軽くこづいた場合でも、相手が怪我をしたら傷害罪が成立して、数年の懲役刑などの重い罪を適用される可能性があるので、要注意です。
暴行罪の具体例
暴行罪になるのがどのようなケースか、具体例をいくつかご紹介します。
- 居酒屋やカラオケ店などで、飲んだ勢いで居合わせた他の客を殴ってしまった
- 道を歩いていて通行人と喧嘩になり、暴力を振るった
- パワハラで、上司が部下の胸ぐらをつかんだ、大声で怒鳴り付けた
- 相手の服の袖をつかんで電車に乗らせないようにした
- 相手の顔に塩や水をふりかけた
上記のようなケースで、相手が怪我をしなかったら暴行罪が成立します。
暴行罪の「現行犯逮捕」と「通常逮捕」
暴行罪で逮捕される場合、現行犯逮捕と通常逮捕があるので、それぞれについてみていきましょう。
現行犯逮捕とは
現行犯逮捕とは、暴行を振るったときにその場で逮捕されることです。目撃者などによって取り押さえられて警察を呼ばれ、現行犯逮捕されるケースが多いです。また、路上でナイフなどの凶器を振り回していると、通行人に通報されて、駆けつけた警察官に現行犯逮捕されることもあります。
現行犯逮捕されるのは、暴行罪の中でも危険性が高く、執拗で悪質な場合が多いです。
通常逮捕とは
通常逮捕は、その場では逮捕されなかったけれど、後日被害者が被害届を提出したことなどにより、逮捕されることです。
暴行罪で通常逮捕されるのも、比較的悪質な事例です。暴行自体の危険性が高い場合はもちろんのこと、共犯者がいる場合、逃走や証拠隠滅のおそれがある場合などには後日逮捕される可能性が高くなります。
暴行罪で逮捕された後の流れ
暴行罪で逮捕されると、どのような流れで手続きが進んでいくのか、みてみましょう。
送検される
警察に逮捕されると、警察の留置場内で身柄拘束されます。
留置場(留置所)とは?施設の詳細から期間、保護室との違いまで徹底解説!
そして警察は、逮捕後48時間以内に被疑者の身柄を検察官に送ります。
ただし、罪が軽く本人も反省していて初犯であり、かつ被害者が許している場合などには、送検されずに「微罪処分」としてそのまま釈放されるケースもあります。
勾留決定される
検察官のもとに身柄を送られたら、検察官は引き続き身柄拘束が必要かどうかを判断します。必要であれば裁判所に「勾留請求」を行い、裁判所が勾留決定することによって、警察署内に留置され続けることとなります。
逮捕後勾留までの約3日間は、たとえ家族であっても本人に面会することができません。
検察官や裁判所が勾留を不要と判断した場合には、被疑者の身柄はこの時点で解放されます。ただ、いったん送検されている以上、無罪放免というわけではなく、在宅のまま暴行罪の捜査が進められます。このことを「在宅捜査」と言います。
10~20日間の勾留期間
勾留期間中は、警察や検察が捜査を進めます。被疑者は捜査官から厳しい取り調べを受けることになりますが、取り調べ時に話した内容は、後日の処分や裁判に影響を及ぼすので非常に重要です。
勾留期間は原則として10日間ですが、10日では捜査が終わらないと判断されると、さらに10日間延長されます。よって勾留期間は最大20日となります。
起訴か不起訴かを決定される
勾留期間が満期になると、検察官は被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。起訴されたら刑事裁判になりますが、不起訴になったらそのまま身柄を釈放されます。
暴行罪で早期に身柄を解放してもらいたい場合には、不起訴処分を目指すことが重要です。
裁判になる
検察官が起訴した場合には、暴行罪の刑事裁判が始まります。このとき、2種類の手続きがあり、1つは略式裁判、もう1つは通常の裁判です。
略式裁判とは
略式裁判とは、被告人が罪を認めており、100万円以下の罰金刑を適用する場合に選択される簡単な刑事裁判です。略式裁判になった場合には、自宅に郵便で起訴状と罰金の納付書が送られてくるので、定められた罰金を納付したら刑罰を終えたことになります。
勾留されている事案でも、略式裁判になったらすぐに釈放されて、罰金を支払ったらすべての手続きが終了します。暴行罪で起訴されるパターンでも、略式裁判になるととても負担が軽いです。
通常の刑事裁判とは
通常の刑事裁判は、裁判所で審理が開かれて、被告人が裁かれる一般的な裁判手続きです。こちらの手続きが選択されると、被告人は必ず審理に出席しなければならないので、在宅捜査の場合には、自主的に裁判所に行く必要があります。身柄拘束されている場合には、留置場や拘置所から車で裁判所に連れて行かれます。
通常の刑事裁判は1回では終わらず、最低でも審理の日と判決言い渡し日の2回開廷されます。起訴後裁判が終わるまで2か月程度はかかりますし、さらに長くなるケースもあります。
最終的に裁判官から判決が言い渡されて、裁判が終わります。
略式裁判 | 通常裁判 | |
---|---|---|
出廷 | 不要 | 必要 |
条件 | ・罰金100万円以下 ・被疑者(被告人)が罪を認めている |
・懲役刑が予定される ・被疑者が容疑を否認している ・犯行を繰り返している、犯行内容が悪質な場合 |
前科 | 不起訴処分を獲得しないと一生残る |
暴行罪の量刑相場
暴行罪になったとき、どのくらいの刑罰が適用されるのか、量刑の相場をみてみましょう。
略式裁判で罰金となるケースが多い
暴行罪の場合、起訴されたとしても略式裁判となり、罰金刑が適用されて終わるケースが多いです。罰金の金額は最高でも30万円であり、10万円やそれ以下になるケースもあります。
初犯の場合や行為が悪質でない場合などには略式裁判になる可能性が高いです。
暴行罪で懲役刑になるケースとは
暴行罪でも悪質な場合には、通常裁判になって懲役刑が適用されるケースもあります。懲役刑になるのは、以下のような場合です。
- 暴行罪や傷害罪の前科がある
- 暴行を繰り返しており、余罪多数
- 暴行の態様が執拗で悪質、危険性が高い
- 被害者と示談ができていない
暴行が軽微な場合、不起訴になることも多い
暴行罪では、不起訴になるケースも多いです。不起訴の場合、刑罰は適用されません。
また不起訴が決まった時点で身柄も解放されますし、前科もつかないので、被疑者にとっては非常に有利な解決方法となります。
暴行罪で逮捕されたとき、早期に身柄解放、不起訴処分を獲得する方法
もしも暴行罪で逮捕されたとき、早期に身柄解放してもらうには、どうしたら良いのでしょうか?
早期の身柄解放の種類
暴行罪で逮捕されたとき、裁判前に早期に身柄を解放してもらう方法には、いくつかの種類があります。
微罪処分
微罪処分とは、いったん警察に逮捕されたとしても、罪が軽く本人も反省しており、被害者も許しているような事案において、検察官に送られずにそのまま釈放される処分です。もっとも早く身柄を解放してもらえる方法ですし、前科もつきません。
在宅捜査
いったん検察官の元に送られても、勾留の必要がないと判断されたら在宅捜査となって、自宅に戻ることができます。この場合には、逮捕後3日以内で身柄が解放されます。ただし捜査は継続します。
不起訴処分
不起訴処分は、検察官が起訴しないと決定することです。勾留されているケースでも、不起訴になったら即時に釈放されます。
以下で、これらの処分を受けるにはどうしたらよいのか、説明します。
被害者と示談する
暴行罪で早期に身柄を解放してもらうためには、被害者と示談することが非常に重要です。刑事事件では、示談が成立していると被疑者にとって良い情状になるからです。勾留中に被害者との示談ができれば、勾留満期前に不起訴処分を決定してもらえて解放されるケースもあります。
早期釈放のため、逮捕されたらすぐに示談交渉を開始すべきです。
反省する
被疑者がしっかり反省することも重要です。犯罪が軽微な場合には、被疑者が初犯で反省していれば、勾留されずに在宅捜査になりやすいですし、捜査の結果不起訴になる可能性も高くなります。
逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示す
暴行罪で逮捕されたとき、本人が定職に就いており、家族による監督も期待できて、普段は真面目に生きている人であることがわかったら、勾留されずに在宅捜査になることが多いです。在宅捜査になったら逮捕後3日以内には身柄を解放してもらえます。
そこで、逮捕されたらすぐに被害者との示談を進めると共に、逃亡や証拠隠滅の可能性がないことを検察官に理解してもらうことが大切です。
【暴行で逮捕後、早期に身柄解放、不起訴処分を獲得する方法まとめ】
- 早急に被害者と示談する
- しっかり反省する
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示す
暴行罪で逮捕されたとき、刑を軽くする方法
残念ながら不起訴にはならず、裁判になってしまったときにはなるべく刑罰を軽くすることを考えるべきです。
この場合にも、やはり被害者との示談が有効です。示談ができれば、被告人にとって良い情状となるので、実刑判決を受ける可能性はほとんどなくなります。
起訴までに示談が間に合わなかったときには、早急に被害者と連絡を取り、被害弁償を進めるべきです。どうしても被害者が示談してくれないときには、贖罪寄付などによって反省の態度を示しましょう。
暴行罪の示談金の相場
暴行罪の場合、示談金は30万円以下になることが多いです。法定刑が30万円以下の罰金だからです。
ただし、悪質なケースではより高い示談金が必要になることがありますし、被害者が納得しなければ、高額な示談金を払わないと示談できないケースもあります。
【暴行の示談金の相場まとめ】
- 30万円以下で示談するケースが多い
- 悪質なケース、被害者が納得しないケースでは示談金が増額される
暴行罪で逮捕されたとき、弁護士に依頼するメリット
暴行罪で逮捕されたとき、早期の身柄解放を実現するには弁護士によるサポートを受けるべきです。以下で、弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
示談を成立させやすい
弁護士がついていると、被害者との示談を成立させやすいです。
被疑者本人が被害者と示談交渉をしようとしても、被害者の怒りが強ければ受け入れてもらえませんし、被疑者の立場から慰謝料の金額交渉をすることも困難です。
これに対し、相手が弁護士であれば、被害者もある程度気持ちを落ち着けて話合いに臨めます。また、弁護士は暴行を振るった本人ではないので、法律の専門家としての立場から、示談金の金額についても法的に妥当な金額を算定することが可能です。
検察官に不起訴を申し入れてくれる
弁護士は、本人にとって良い情状を拾い出して意見書を作成し、検察官に提出して不起訴を申し入れることができます。説得的な意見であれば、検察官が聞き入れて不起訴にする可能性が高くなります。
逮捕後3日の間にも面会可能
逮捕後3日間の家族でも面会できない期間にも、弁護士であれば面会が許されます。すると今後の対応などについて相談できますし、勾留決定前に被害者と示談できる可能性も生まれます。
以上のように、弁護士に依頼すると、暴行罪で早期釈放、不起訴処分などの有利な結果をえられる可能性が非常に高まります。
もしも暴行罪で逮捕され、あるいは逮捕される可能性があるならば、早急に刑事弁護に強い弁護士に相談してみましょう。
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