不起訴処分には種類がある~不起訴処分~

不起訴

不起訴処分は勾留満期に突然下される

不起訴処分は通常、勾留満期日に下されます。「下されます」といっても実際の手続きは、勾留満期日(その日の日付が変わっても放置されていたら、問題となる日)の午前中、留置場に拘束されている被疑者は、突如、居室から出され、“担当さん”と呼ばれる看守役の警察官から、「釈放指示書が出ていますので、アナタを釈放します!」と言われて釈放されます。

その他にも「領置品(警察で保管している私物)」の受渡しや、押収物の取扱い手続きなど、細かい事務手続きはあります。しかし、被疑者にとって刑事手続きは全て終わりで、勾留されていた警察署から放り出されるように出て、あとは何処に行こうが自由の身になれるわけです。

法律的にも不起訴処分は「無罪」と同じですので、前科はつきません。

心配することがあるとしたら、事件の被害者がいる場合、損害賠償を求めて民事裁判を起こされる可能性があることです。ただ民事訴訟はあくまで、対等な個人同士の係争ですので、逮捕されて身柄が拘束されるようなことはありません。民事専門の弁護士を雇って対処するのがいいでしょう。

釈放されても理由は聞かないとわからない?

不起訴処分の理由

刑事手続きの不起訴処分は、以上のように被疑者がただ釈放されるだけで理由までは教えてくれません。押収品の返却などで、被疑者を取調べていた警察の担当捜査官と話をする機会はありますが、不起訴処分なんて警察にとっては、ある意味で負けと同じなので、愛想よく説明してくれないでしょう。

不起訴理由を知りたいなら「理由開示請求」

不起訴処分になれば無罪放免なのですから、別に理由にこだわる必要はありませんが、あえて理由を知りたい場合は、担当検事宛てに手紙で「理由開示請求」をすると、文書で回答してくれます。その理由は定型文です。

不起訴になる一般的な理由

  • 罪とならず
  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 起訴猶予

これら4つの理由があります。検事からの回答はこのいずれかの理由である、と簡潔にかいてあるだけで、個々の事件に関して細かい理由までは書いてくれません。

不起訴理由を具体的に見ていきましょう。

これは刑事事件ではない?「罪とならず」・「嫌疑なし」

検察の担当検事から提示される不起訴理由には、まず「罪とならず」と「嫌疑なし」という理由があります。「罪とならず」というのは、刑事事件として警察が送検したものの、検事が捜査した結果、刑罰を与えるような犯罪にはならないという判断になったものです。

具体的に多いのは夫婦喧嘩

確かに近年DVは社会問題化していますが、恒常的な家庭内暴力ではなく、たまたま夫婦喧嘩がエキサイトしてしまって、近所が110番した結果、暴行事件として警察が送検してしまった…というパターンです。

警察は「民事不介入」ですので、あとで夫婦が仲直りしてしまえば、もはや裁判で争う以前の問題になり、当然被疑者は不起訴処分になるわけです。

「誤認逮捕」は嫌疑なし

「嫌疑なし」というのは、少なくても送検された事件に関して、被疑者は完璧な“シロ”だった場合の理由になります。つまり警察による「誤認逮捕」だったわけです。実際にこの理由で不起訴処分になったら、警察のメンツは丸つぶれという事になります。

捜査のタイムアウトが「嫌疑不十分」

容疑が晴れたわけではない

不起訴処分として釈放されるものの、事件の容疑が完全に晴れていないのが「嫌疑不十分」という理由です。送検後、検察の指揮の下、事件の捜査をした結果(実務の多くは警察が行う)、怪しいが裁判で確実に有罪に出来る決定的な証拠がないという状況になります。

有罪にできる証拠を期間以内に見つけられなかった

被疑者の勾留にはタイムリミットがありますので、勾留期間の満期ギリギリまで捜査しても起訴は諦めざるを得ない場合、「嫌疑不十分」という理由で被疑者を釈放するわけです。

近代司法の「疑わしきは罰せず」という理念の元に下される処分ですが、警察・検察にとって不愉快な刑事事件の終わり方だと言えるでしょう。

ただ「嫌疑不十分」で不起訴処分を決定すれば、それで刑事事件は終わりますが、同じ勾留満期での釈放でも、「処分保留」という処分があります。これは正確には不起訴処分ではなく、「勾留満期がきてしまったから、被疑者は釈放するけど、まだ疑いは晴れていないから捜査は続行するよ」というモノです。

起訴される可能性はゼロではない

ひとつの事件において、再び逮捕されることはありませんが、起訴される可能性は残されています。公訴時効が過ぎるまでは安心できない終わり方といえるでしょう。

検事の温情?負け惜しみ?起訴をとどまってもらえるのが「起訴猶予」

そして不起訴処分の理由として、もっとも多いのが「起訴猶予」です。検事が事件を捜査した結果、起訴に足る容疑や証拠があっても初犯であるとか、被疑者が十分反省しているという点を配慮し、起訴するのを止めて、刑事手続きを終了させるのが起訴猶予になります。

起訴されると有罪になる可能性が高い?

「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」と違い、起訴して裁判で有罪にできるだけの証拠もあるのですが、検事の温情によって裁判で裁かれるのを免れるわけです。実はこの起訴猶予が理由による不起訴処分というのは結構あるのですが、これはあくまで検事が書面で回答した結果になります。

本当は捜査した結果、裁判で有罪に持ち込めるだけの証拠や供述が得られなかった「嫌疑不十分」が不起訴処分の理由なのかしれません。ただそれだと警察・検察の面目が丸つぶれです。ですから“公式な回答”としては「起訴猶予」にしておくという事もあるわけです。

不起訴処分には色んな理由がありますが、本当の理由を知ろうが知るまいが、事件はこれで終わりです。罰金刑で済むような簡単な事件の場合は、罪を認めれば「略式手続き」で、早ければ数日で刑事事件を終わらせることが出来る反面、「前科」が残ります。

一方、不起訴処分は3週間ほど逮捕・勾留による身柄拘束を受けてしまう事が多いのですが、それでも起訴をされず「無罪」で刑事事件を終わらせる事ができるわけです。起訴されてしまえば、それ以後も刑事手続きが続いてしまいますが、刑事事件に巻き込まれた場合、もっとも理想的な終わり方が不起訴処分だといえるでしょう。

日本の刑事事件

起訴されると有罪率99.9%!
今すぐ弁護士へ相談を

もし、ご家族やご友人、恋人など
大切な方が逮捕されたら…

  • 逮捕後72時間で自由に面会できるのは弁護士だけ。
  • 起訴までの23日間以内の迅速な対応が必要。
  • 不起訴の可能性を少しでも上げるのが大事。

刑事事件に強い弁護士を探す

都道府県から弁護士を探す

北海道・東北地方
関東
中部
関西
中国・四国
九州

関連記事

よく読まれている記事

新着記事

前科や逮捕を防ぐ

被疑者の人生を
守れるのは弁護士だけ