刑事裁判の手順(3)罪状認否

「黙秘権」と法廷内の発言ルール

被告人イメージ

起訴状朗読の後に告げられる

刑事裁判は第一回公判で、起訴状が検察官によって朗読されます。そして起訴状を読み終わると、裁判官は被告人に対して、
「被告人には、黙秘権が保証されています。言いたくないことは言わなくても構いません。またここ(法廷内)での発言は全て証拠となりますので、注意してください」
と「黙秘権の告知」と、法廷内での発言に関する注意が行われます。

「黙秘権」というのは、自分に不利になることや言いたくないことは無理に言わなくてもいいという権利で、日本国憲法 第38条で保障されています。
戦前の大日本帝國憲法にはこの条文はなく、当時は拷問により自白を強要するケースが存在しました。
黙秘権は、こうした過去をふまえ、戦後、個人の尊重という考え方の延長線上として、日本国憲法 第36条(公務員による拷問、残虐刑の禁止)とあわせて明文化された権利です。

そして、どんな内容でも、法廷内での証言は全て証拠になるというルールも被告人に伝えられます。
つまり法廷内での被告人発言は全てオフィシャルな意味を持ち、後で
「あの証言は冗談でした」
といっても覆せません。

もっとも被告人が「今まで嘘をついていました。やったのは私です」と証言をひっくり返すような発言をすることもたまにはあります。
嘘か冗談かに関わらず、被告人(というより検察官・弁護人・証人を含めた公判に参加する全員)の発言は、全て裁判官が判決を下すための判断材料になるということです。厳正な審理を行う法廷で、正直に証言する人と、嘘や冗談をいう人では、どちらが裁判官の心証を悪くするかはすぐお判りでしょう。

罪状認否

被告人が起訴容疑に対して、自分の意見を述べる

黙秘権の告知と“法廷の掟”を伝えた後、裁判官は
「今読み上げられた起訴状の中で、何か間違っていることはありますか?」
と被告人に尋ねます。

ここで被告人が答えるパターンは3通り、以下のような主旨の証言となります。

  1. 「間違いありません。」
  2. 「一部違っています。」
  3. 「全部ちがっています。私はそのような事はしていません!」

この起訴された容疑に対する被告人の意見証言は「罪状認否」と呼ばれ、罪を認めるのか、それとも全面的に否認して無罪を争うのか、被告人(及び弁護人)の公判における立場を明確するモノです。

刑罰だけを決める「量刑裁判」

日本の刑事裁判の九割を占める

「1」のパターンは、被告人が全面的に罪を認めていますので、罪を犯した事実それ自体を争うことはありません。したがって被告人の犯した罪に対して、どの程度の刑罰を与えるのが適当かを審理する「量刑裁判」になります。日本の刑事裁判の九割は起訴の段階で被告人が罪を認めており、当然、裁判のほとんどが刑罰だけを決定する量刑裁判です。

「1」と対極にあるのが「3」の起訴事実の全面否認になります。
弁護側が全面的に無実を争うこの裁判は、一般的に「否認裁判」と呼ばれ、あまり見られません。

そしてその中間にある「2」ですが、被告人が起訴状のどの部分を否認するかで、内容は大きく変わります。
起訴状にかかれた罪名や罰条そのものを認めても、故意であったか不作為であったかとか、量刑を軽くする部分を争うのであれば量刑裁判の一種になりますし、事実は認めても罪名などに異議があれば否認裁判になるわけです。

裁判の法廷で突如否認に転じるのはドラマだけ

実際の裁判は淡々と進行する

裁判が否認裁判であろうと量刑裁判であろうと、盛り上がったりガッカリするのは傍聴者の心の中だけです。裁判は被告人の罪状認否が終わっても淡々と進行します。
ただこの時点で被告人は検察側の主張(起訴状)に対して、自分の主張をハッキリさせたわけで、裁判の争点も明確になったわけです。
以後の公判は、双方が主張したそれぞれの立場から、証拠や証人を提出し、裁判官がそれらを見て審理を進めていきます。

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