刑事裁判の手順(7)情状証人とは

「情状証人」とは

両親

情状証人は事件とは直接関係ない?

刑事裁判の法廷で証言する証人の多くは、事件に直接関係する被害者本人や事件の目撃者、あるいは被告人を取り調べた警察官などです。これらの証人は単に「証人」と呼ばれますが、日本の刑事裁判ではその他に「情状証人」と呼ばれる証人がよく出廷して証言します。

情状証人は通常、弁護側が呼ぶ証人で、被告人のアリバイなど事件に直接関係のある証言をするわけではありません。被告人の良い人間性をアピールする等、被告人の罪を少しでも軽くしてもらうために証言する証人です。したがって情状証人が登場するような刑事裁判は、被告人が最初から罪を認めている量刑裁判になります。日本の刑事裁判のほとんどが量刑裁判ですので、傍聴に行けば法廷で情状証人を見る機会は多いでしょう。

情状証人で出廷するのはどんな人?

情状証人は被告人を擁護する証人ですので、被告人の家族が選ばれることが多くなります。被告人の奥さんや旦那さん、あるいは父親や母親といった辺りが情状証人の定番です。家族の情状証人は、弁護人の質問に答える形で、被告人が「幼い頃から優しく真面目な性格」「今回起こした事件は魔が差しただけ」「もう二度と同じ犯罪に手を染めることはない」といった内容を訴えるのが一般的です。

また、家族以外の情状証人としては、被告人の勤めていた会社の上司というパターンもあります。
通常、刑事事件の被告人となった人というのは、被告になる以前、逮捕・勾留された時点でクビになってしまうことが一般的です。しかし、ごく稀に絆の深い勤め先の社長などが「罪を償った後は再び自分の会社で雇う」と訴えるケースもあります。

情状証人にも当然「反対尋問」はある

通常、情状証人を法廷に呼ぶのは弁護側になります。弁護人は情状証人に対する質問を通して、被告人の良い人間性を裁判官にアピールするわけです。情状証人に限らず、裁判で証言をする証人は
「こんな質問をするので、こう答えてください」
というように、呼び出した弁護人や検察官と事前に打ち合わせをしています。

ですから最初の証人質問は、証人自身が緊張し過ぎていない限り、スムーズに進むわけですが、情状証人に対しても相手側(普通は検察側)からの「反対尋問」があります。事前の打ち合わせで、相手側のしてくる反対尋問に対するシミュレーションも普通はしていますが、実際にどんな質問がされるのかは、本番になってみないとわかりません。

情状証人に対する反対尋問は、おおむね被告人の隠しておきたい秘密…たとえば前にも同じような犯罪で捕まった前科があるといったことを蒸し返します。証人に向かって検察官は、
「被告人に対して、もう再犯しないように注意すると仰いましたが、被告人は過去にも同じ犯罪を犯しています。そんな被告人に対して、どう再犯をしないように注意するのですか?」
と情状証人を追い詰めるのです。こうした検察の指摘をどうかわすかは、やはり弁護士との入念な打ち合わせが必要になります。

裁判官も情状証人に質問をする

裁判官が直接証人に質問することは珍しくはありません。ただ情状証人に対しては、ほぼ必ずと言っていいほど、裁判官が自ら質問をします。
一番多い質問は、
「この裁判が終わった後、被告人の社会復帰のために何か具体的なプランはありますか?」
というものです。

情状証人がよく登場する量刑裁判の場合、最初から被告人が罪を認めているのですから、有罪か無罪かという事は問題になりません。裁判官が心配するのは裁判終了後、被告人の社会復帰方法です。
被告人の行く末を心配する想い、再犯を懸念する気持ち、裁判官の真意は明らかではありませんが、どのように被告人が社会復帰をするかということを情状証人に質問します。

この質問に対して、被告人が社会人だった場合、勤めていた会社への復職のメドが立っている、再就職先が決まっている等、社会復帰の道筋がハッキリしていれば、再犯でもいち早い社会復帰が見込めるものとみなされ、執行猶予がつく可能性につながる場合があります。(ただし、通常、再犯の場合は、実刑を免れることは難しいです。)

このように証人尋問は、判決を左右する重要な証拠調べになります。そして多くの一般人に知られている“裁判は真実を明らかにする”という認識は、完全な誤まりとは言えませんが、正解とも言えません。裁判とは、検察側と弁護側、双方が描いたシナリオで「どのように裁判官を納得させるか」を争うディベートという側面もあると言えます。
自らが描いたシナリオが真実であり、そのシナリオ通りに勝訴できればいいのですが、実際の裁判では裁判官にとって受け入れやすいシナリオであることも重要になるのです。勝訴・執行猶予の獲得など、少しでも弁護側が目指す判決を得るためには、腕の良い弁護士の力を借り、裁判に臨見ましょう。

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