刑事裁判の手順(9)最終弁論~結審・被告人発言

弁護側 最後の主張「最終弁論」

被告人

あらゆる法廷テクニックを駆使して「論告求刑」に反論する

検察側の「論告求刑」は、あくまで警察・検察からの目線による事件のまとめです。検察側の目的は被告人の有罪を立証し、許される限りの重い刑罰が下るようにすることになります。そのため論告求刑だけを聞いていると「被告人は血も涙もない悪党で、どのような刑罰が下されても文句は言えない」と感じさせてしまう内容となります。

一方、弁護側の目的は被告人に下される刑罰を少しでも軽くするために、ありとあらゆる法廷テクニックを駆使して、検察官の狙いを打ち砕くことにあります。被告人のことを強く非難した検察からの論告求刑に対して、弁護士は「最終弁論」で反論します。

ハードルが上がるほど弁護人は燃える?

量刑裁判では最終弁論もテンションが低いことも…

弁護側の最終弁論は、あくまで被告人の罪を軽くするのが目的ですから、最初から被告人が起訴事実を認めている量刑裁判では、それほどテンションは上がりません。とはいえそんな量刑裁判でも、被告人に下される判決に執行猶予がつくかどうか、微妙な状況であった場合は弁護人もがんばります。

その場合の最終弁論は、被告人は十分に反省していることをアピールし、情状酌量を裁判官に主張します。主張を裏付けるためには、被害者との示談が成立していることや、再就職先が決まっているなど社会復帰のための道筋が明らかになっているなど、法廷外の事情も重要になります。こうした段取りを公判前に済ませておけるかが、弁護士の腕の見せ所でしょう。

また日本の刑事裁判では、なかなかお目にかかれない否認裁判になると、弁護士のテンションは更に上がります。無罪を主張するわけですから、警察・検察目線で述べられた論告求刑の事実とは、真っ向から対立する“弁護側目線”による事実が弁護人によって語られ、検察側の主張の矛盾点を指摘するわけです。
検察側が用意した論告求刑の倍以上ある分量の書面を読上げる弁護人や、原稿を持たず身振り手振りを加えて熱く反論をする弁護人など様々な弁護人がいます。
ただ、弁護士の中には、否認裁判であってもあまりやる気を見せず、ほとんど最終弁論をしないような弁護人もいます。特に国選弁護人ではこうした弁護人にあたる可能性も否定できず、その場合、被告人の罪が軽減される見込みはなかなかありません。
弁護人を選ぶ重要ポイントのひとつは「どれだけ被告人のために真剣になってくれるか」という点です。刑事弁護人の良し悪しは、最終弁論に対する取組みでもわかると言えるでしょう。

刑事裁判の審理終了~被告人発言

最後に被告人が自由に発言できる

刑事裁判の手順では、弁護人の最終弁論で審理は終了です。いわゆる「結審」というもので、次には「判決」が下されます。
しかし、判決の前に裁判官は必ず被告人に対して、
「以上で審理は終了です。被告人、最後に何か話しておきたいことはありますか?」
と聞きます。

これまでの公判で被告人には、裁判官や弁護人、そして検察官からの質問に答えるだけでした。つまり自発的な発言は出来なかったのです。もちろん「被告人質問」では弁護人が、極力、被告人が自分の言いたいことを主張できるように、上手く質問するのですが、それでも限界はあります。裁判官からの問いは、自分の意見を思う存分法廷で主張できる唯一の機会になるわけです。

被告人発言で話す内容は自由

何も話さないのもアリ

公判の手続は基本的に「最終弁論」で結審なのですが、被告人の最後の発言は裁判官も聞いていますので、当然裁判官の心証に影響を与えます。腕のいい弁護士であれば、公判の前から被告人に対して、原稿を書いてそれを読上げるようにアドバイスしているでしょう。

量刑裁判であれば、事件を起こしたことへの反省や被害者に対する謝罪などを訴えるわけです。また社会復帰の道筋を示し、二度と罪を犯さないことを誓うといった内容も盛り込むのも、執行猶予がつくかつかないかギリギリの局面では有効でしょう。
一方否認裁判であれば、あらためて自らの無罪を主張する最後の機会だといえます。ただし感情的になって「オレはやってない!」と、ケンカを売るような態度はご法度です。

そうしたアドバイスは弁護人の腕がよければ、当然しているわけですが、弁護人にやる気がない場合、結審直後に被告人が自由に発言できる機会があることも教えていないケースもあります。そんな不幸な被告人だと、裁判官から発言を促されても、
「特にありません」
と折角のチャンスを台無しにしてしまうわけです。

また被告人と弁護人とのコミュニケーションがうまく行っていない上、被告人の性格に問題があった場合、とんでもない暴言が飛び出すこともあります。
裁判官はそんな被告人の最後の言動を見聞きして、いよいよ判決を下すわけです。

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