被告人が狙う「執行猶予」とは?~判決の種類~

執行猶予

判決公判の流れ

判決文は「主文」から始まる

判決公判は、裁判官が被告人に裁判の判決を言い渡すだけに開かれる公判です。近年は1回の裁判で判決が出される「即決裁判」もありますが、通常の公開裁判は審理と判決公判は分けて開かれます。
ですから判決公判は、裁判官が被告人に対して判決文を読み上げるだけのモノになりますが、まずは有罪か無罪か、あるいは有罪だった場合、どんな刑罰なのかを明確に示した「主文」から読み上げられるのが普通です。

例外的な処置として、有罪で下される刑罰が「死刑」だった場合のみ、主文を後回しにして「判決理由」から読み上げられる慣例があります。これはいきなり「死刑」を宣告されてしまうと、被告人がショックで判決理由を聞いても耳に入らないかもしれないという配慮だと言われていますが、“主文後回し=死刑判決”という慣例は一般人の間でも有名になっていますので、あまり意味はないかもしれません。

無罪・有罪の読み上げ

無罪の時には「無罪」、有罪の時は刑罰だけ

裁判官の読み上げる主文は、被告人が無罪である時は
「被告人は“無罪”」
と端的に無罪である事だけが書かれています。無罪である以上、裁判所としては被告人を放免する以外は特にすることはありませんので、ある意味当たり前だとも言えます。

一方、被告人が有罪だった場合は、いちいち
「被告人は“有罪”」
とは言わず、まず被告人に下される刑罰だけを言い渡します。

被告人や弁護人が注目する「執行猶予」の有無

主文で下される刑罰には続きがある

ただ判決の主文で刑罰の後に続けられる言葉に、被告人や弁護人は注目します。それは刑罰が「懲役」や「禁錮」だった場合は、
「ただし、刑の執行を○年猶予する」
という「執行猶予」の宣告があるかどうかという点です。

執行猶予というのは、文字通り刑罰の執行を猶予されることでこの判決が下れば、被告人は有罪には違いありませんが、そのまま家に帰れます。つまり実質無罪判決と同じく、すぐに一般社会に戻って社会復帰できるのが執行猶予です。
しかも執行猶予期間が無事過ぎれば、
“刑罰の言い渡しそのものがなかった”
ことになっていますので、起訴されてしまった被告人にはもっとも望む判決になるでしょう。

もっとも執行猶予中に、なんらかの刑事罰が下される行為をした場合、猶予されていた刑が執行されてしまいます。そのため執行猶予の期間中は、交通事故や違反で捕まることも恐れて、自動車の運転を一切しない人もいるわけです。

執行猶予制度の目的とは

有罪なのにお咎めなし?

刑罰が言い渡されている場合でも、一定期間真面目に暮らしていれば、その刑罰をなかったことにするのが執行猶予ですが、そんな制度は甘いと感じる人もいるかもしれません。
執行猶予という制度は、明治時代から始まったモノで、その目的は有罪判決を受けてしまった人の円滑な社会復帰を狙ったものです。

日本では逮捕されただけでも犯罪者扱いされてしまいます(「犯罪者」になるのは裁判で、有罪判決が確定した時)。償うべき罪が重い場合はともかく、比較的軽微な犯罪で本人がしっかり反省している場合、刑務所に入れるより、社会の中で更正した方が社会復帰しやすく、再犯率も下がるわけです。

また今まで真面目に生きてきて、たまたま犯罪を犯しちゃった人を刑務所に入れたら、そこで知り合った悪党に影響されてしまい犯罪常習者になったという事も珍しくはありません。警察や検察、あるいは裁判所の本音は、そうした“悪のネットワークの拡大”を防ぐ意味でも、逮捕勾留、あるいは裁判といった刑事手続きの中で、十分に反省している者は、悪の巣窟である刑務所に送るより、社会に戻って更正させた方が良いと思っているのです。

そうした司法側の事情もあり、刑事裁判で起訴された被告人が目指すのは、無罪よりもずっと確率の高い執行猶予の獲得だと言えるでしょう。

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