判決が確定すると刑事事件手続きは終了~無罪、執行猶予、実刑など~

裁判所、判決

裁判による判決の確定

刑事事件裁判で下された判決は、裁判官から言い渡された翌日から14日後に確定します。

この14日という日数計算には土日祝日も含まれるため、判決日の翌日から2週間後ということになり、この期間中に被告側からも、あるいは検察側からも控訴や上告という形で判決に対する不服が申し出られなければ、その裁判の判決は確定してしまいます。

判決後14日を越えた後で、「やはりその判決には納得できない!」と言い出しても手遅れで、もう判決が覆ることはありません。

実際には再審請求を行うことで、既に判決が確定した裁判のやり直しを求める手続きもありますが、それこそ判決を覆すような新たな証拠が出てきた場合に可能となるもので、手続きの方法も難易度も桁違いにハードルが高くなりします。

そのため刑事裁判は、基本的には最初の裁判において判決が確定したら、冤罪の場合を除き、もうやり直しはできないと考えるのが妥当でしょう。

無罪、有罪、執行猶予と判決はさまざま

通常の裁判における判決には、大きく分けて無罪と有罪があります。無罪判決は、法廷において審理した結果、被告人の行為は犯罪ではない、あるいは行為自体を行っていない、もしくは犯罪の事実を証明する十分な証拠がない、といった場合に下されるものです。

日本の裁判は刑の重さを量る量刑裁判がほとんどで、被告人が罪を犯したと認めている、言い換えれば検察が十分に有罪を勝ち取るだけの証拠があり起訴を行った裁判が大半を占めていますから、無罪判決が下されるケースは非常に少ないのですが、罪を犯した覚えがない場合は、弁護士の力を借りて無罪判決を目指して徹底的に争うべきです。

有罪判決は、検察が起訴して犯罪の事実が法廷において証明され、被告人に刑罰を言い渡す判決です。有罪判決は執行猶予なしの実刑判決と、執行猶予付きの判決があり、被告人の立場として罪を認める場合は、できるだけ刑罰を軽く、そして執行猶予を得られるような裁判に持ち込むことが望まれます。

有罪だけど、刑罰が与えられないケースがある

刑法などに定められている罪の中には、有罪であっても刑罰を科さないと定められているものがあり、刑の免除判決と呼ばれるものがあります。

例えば、刑法第36条には、第1項で正当防衛が定められ、これを罰しないという規定があり、第2項には「防衛の限度を超えた行為は、情状により、その刑を軽減し、または免除することができる」と規定されています。

その他にも、犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪に関しては、刑法第105条において、「犯人または逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる」と定められています。

無罪判決を勝ち取ったケース

刑事裁判で審理を行った結果、被告人は無罪、とされるケースは日本では極めて珍しい判決とされています。

その理由は、日本の刑事裁判の90%以上は裁判の開始時点で被告人が起訴事実を認めているもので、有罪は最初から決まっているも同然で、量刑の重さだけを争う量刑裁判がほとんどであるためです。さらに、刑事裁判全体の有罪率は99%以上とも言われています。

日本の刑事裁判「有罪率99%以上」の裏

この数字には裏があり、検察が有罪判決を勝ち得る絶対の自信を持った事件のみ起訴しているのではないか、という見方が強く、その実、刑事事件で起訴されて裁判にまで発展するものは3割未満であると言われています。

裁判の傍聴に行っても無罪判決は滅多に見られないのですが、もし自分が絶対に罪を犯していない、警察や検察の言い分は絶対に認められないと主張する場合は、弁護士の協力を得て徹底的に争うべきです。

無罪となれば、すぐ自由の身になる

いくら少ないとは言え、被告人が無罪を主張し、見事に無罪判決を勝ち取ることは不可能ではありませんので、99%の有罪率と聞いて諦めることはありません。

全体のわずか1%であったとしても、年間数十~百件ほどの無罪判決が言い渡されているのです。身に覚えのない罪で起訴された場合、あるいは起訴事実が間違っている場合には、その無罪判決が自分であると信じて、裁判を戦うべきです。

晴れて無罪判決を得ることができた場合、もし被告人が保釈を認められておらず、拘置所に身柄を拘束されたままであれば、裁判所で無罪を言い渡された直後から自由の身になります。その場合は、私物などを預けていて拘置所などに取りに戻ることはありますが、あえて法廷から拘置所に戻る必要はなく、そのまま自宅へと帰ることができます。

無罪の場合、「刑事賠償請求」を行うこと

無罪となったということは、警察や検察によって逮捕や勾留を受け、身柄を拘束されていたのは不当な行為だったということになります。従って、「刑事賠償請求」で不当な行為による損害を請求することが可能となります。

金額は裁判所が決定しますが、1日あたり1,000円~12,500円の補償金を受け取ることができますが、「刑事賠償請求」は自分で請求しなければなりません。裁判で無罪が確定した後、国の方から自主的に補償金を振り込んでくれたり、手続きの案内などはしてくれたりはしないので注意が必要です。

加えて「費用請求制度」を利用して、出頭の旅費や宿泊料、および弁護士費用など、」裁判に要した費用の一部を国に補償してもらうことも可能ですので、弁護士に手続き方法などを代行してもらうのも良いでしょう。

またこれらの補償とは別に、刑事事件に巻き込まれたことによって被った損害賠償を、国を相手取り請求する「国家損害賠償」という民事訴訟を起こすことも可能ですが、警察や検察といった捜査機関によほどの落ち度がなければ勝てる見込みはないとされています。

現実的には非常に難しい裁判となりますので、訴訟を起こすかどうかは弁護士とよく相談して決めることをお勧めします。

執行猶予付き判決の場合

無罪判決を言い渡す際に裁判官は「被告人は無罪」と言いますが、有罪の時には「被告人は有罪」とは言わないのが普通です。これは、裁判というのは有罪か無罪かという判断をするため、無罪判決以外はすべて有罪判決となるからと言われています。有罪判決の場合は、主文で被告人に刑罰の内容を言い渡す形になり、小説や映画と同じものとなります。

裁判官は「主文、被告人を懲役○年○月の刑に処す」と判決文を読み上げるのですが、その直後、「ただし、刑の執行を○年、猶予するものとする」と続けることがあり、これが「執行猶予」というものです。

執行猶予とは?

執行猶予とは、読んで字の如く、その刑罰を執行するまで、一定の猶予が与えられるという判決です。猶予期間は1年から5年の間で決められますが、この猶予期間中に再び刑事事件を起こし、さらに起訴されて有罪判決を受けてしまうと、猶予されていた刑罰も加算され、より重い刑罰に処せられることになります。

執行猶予の期間、事件を起こさずに過ごすことができれば、刑の執行は免れます。執行猶予の判決が下された場合も、無罪判決と同様に、法廷内で被告人は自由の身になります。

気をつけたいのは交通事故

執行猶予期間は、十分に犯した罪を反省して平穏な生活を送っていれば、再び罪を犯すことはないと考えられます。ただし、交通事故には十分に気をつけなければなりません。

自動車などを運転していれば、誰にでも交通事故を起こしてしまう可能性があり、大きな事故を起こしてしまい被害者に重い怪我を負わせてしまった場合、民事裁判に加えて刑事でも起訴されることがあります。

この場合、執行猶予は取り消され、実刑となってしまうことがありますので、十分な注意が必要です。

実刑判決が確定した場合

無罪を言い渡されるでもなく、主文によって刑罰を言い渡された直後に執行猶予も告げられなければ、その判決は実刑判決ということになります。実刑判決とは、実際に判決で言い渡された刑罰がすぐに執行されるものです。

刑罰の種類は?

刑罰の種類はさまざまで、死刑、懲役、禁錮、拘留、罰金、科料、没収があります。

死刑判決が確定した場合は、執行まで拘置所において留置されます。

懲役は無期懲役、あるいは1カ月以上20年以下の有期懲役となり、その間は刑務所などの施設で身柄を拘束され続け、刑務作業に服さなければなりません。

禁錮は懲役と似ていますが、同じく身柄は拘束されるものの刑務作業を行うかどうかは選択することが可能です。

拘留は、1日以上30日未満にわたり身柄を拘束されるものです。

罰金は1万円以上の金銭を納付するもので、一括払いができなければ、労役といって留置場に留置され、働いて支払うことになります。

科料とは、1,000円以上1万円未満の金銭を納付します。

実刑とは、刑務所に行くことだけではない

よく誤解されていますが、実刑判決のすべてが刑務所に収監されるわけではありません。刑務所に収監されない実刑として多いのは罰金刑で、刑事事件において裁判にまで進んで、刑罰が罰金のみという判決はさして珍しくありません。

迷惑防止条例違反の場合、常習犯でなければ下される刑罰は、地域により金額は大きく違いますが、数万円から数十万円の罰金というケースが多く見られます。この場合、罰金を納めれば身柄の拘束は解かれることになります。

また極端な例では、死刑判決が下されば場合も刑務所には収監されず、未決囚として拘置所で身柄の拘束を受けますが、これは刑の執行は死刑が実行に移される瞬間となるためです。

実刑確定後、被告人は受刑者に

懲役や禁錮が実刑として下され確定した場合は、身分が被告人から受刑者と呼ばれる立場になり、引き続き身柄が拘束されます。手続き上は、正式に収監される刑務所が決まるまでは拘置所に戻されますが、未決囚だった被告人の時とは違い、扱いは受刑者となります。

確定した刑罰が懲役であれば、すぐに拘置所内で軽作業などの労役に就かされ、収監される刑務所が決定すればその刑務所へ移監され、基本的には刑期満了まで服役します。

服役中の受刑者に対してできること

刑事裁判で懲役刑を言い渡され有罪が確定し、刑務所に収監されてしまえば、もう何もできず刑期が終わるのを待つだけと思われがちですが、実はやり方次第では刑期が満了する前に出所することも可能なのです。

実際には刑務所内での態度が真面目で、更生が認められれば、刑期前に出所できる仮釈放という制度があります。もちろん受刑者自身の心がけも大切なのですが、本人の家族の支援も必要です。

受刑者は面会を受けることができますので、弁護士と相談したうえで、面会に行き受刑者の心を支えてあげることも良いでしょう。

刑務所内での不当な扱いは弁護士に相談を

たとえ裁判で有罪が確定したとしても、引き続き弁護士は受刑者の味方になることができます。刑務所内で不当な扱いを受けたり、健康状態に不安があるのに聞き入れてくれないといった場合には、弁護士に相談して不服申し立てを行ったり、悪質な場合には訴訟を起こすことも可能なのです。

刑事事件においては、弁護士が唯一で最大の味方であることを覚えておきましょう。

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