最悪死刑もあり 最も重い性犯罪「強姦罪」(1)

性犯罪の中で最も重罪なのが「強姦罪」

女性の危機

現在は男性の犯罪 法改正で性別特定の撤廃、進む厳罰化

いわゆる「性犯罪」といわれるものには、様々な犯罪がありますが、その中で最も重罪なのが「強姦罪」です。
強姦罪は基本的に加害者が男性で、被害者が女性と特定されている犯罪で、2016年現在の現行法の条文(刑法177条)では
「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。」
となっています。ここでいう「姦淫」というのは、いわゆる性交行為のことで、被害者を「女子」と特定していますから、加害者は男性のみという解釈が普通です。

しかし近年性交の相手は異性とは限らず、男性が強姦の被害にあうケースも表面化しており、近々行われる刑法の法改正で、加害者や被害者の性別特定を撤廃する方針になっています。この法改正では刑罰の厳罰化も検討されており、もともと性犯罪の中で最も重い強姦罪が、より重い罪として裁かれるようになります。

一言で「強姦」といっても様々な種類がある

一般に強姦罪といわれる罪は、女性に対して無理矢理姦淫に及んだものとされていますが、法的には手口や状況によって数種類の犯罪行為に分けられています。刑法では

  • 強姦罪(刑法178条)
  • 準強制わいせつ及び準強姦((刑法178条)
  • 集団強姦(刑法178条)
  • 強姦未遂罪((刑法179条)
  • 強姦致死傷(刑法181条)
  • 強盗強姦罪(刑法241条)

などが強姦行為に関する罪です。

強姦罪

成立要件は単純なようで複雑

単純に一人の男が女性に無理矢理姦淫行為をすれば強姦罪です。強姦罪の成立要件は、

  • 女性の意志に反していること
  • 女性の年齢が13歳に満たない場合

の2点がポイントになります。

男性が女性に対して、暴力や脅迫によって性行為を強要すれば強姦罪になりますが、強姦事件に関して問題になるのは、本当にに女性の意志に反していたか?という点です。暴力や脅迫といっても、被害者の自由を完全に奪えるほどの暴力を振るわなくても、女性がそれを暴力や脅迫と感じれば、強姦行為だと訴えることは可能になります。

笑い話のような話ですが、欧米諸国では車の中で強姦されたと訴えた裁判で審理の結果、狭過ぎるその車の車内では被害者の協力なしに性交することは不可能だということで、訴えられた男性が無罪になったケースがありました。
そもそも性行為というのは、普通当事者二人だけの秘め事であり、客観的な目撃者など滅多にいません。実際に強姦だったかどうかは、被害にあった女性しか証明できないわけです。

現在の司法の現場では、“被害者は嘘をつかないもの”という前提で刑事手続きを進めますので、強姦罪をはじめとした性犯罪は女性に有利だと言えます。冤罪を生む原因だともいえますが、被害者の泣き寝入りを防ぐためにも、被害者寄りの刑事手続きというのは仕方のないことかもしれません。

もうひとつの年齢基準は当然といえば当然です。13歳といえば、第二次性徴期を向かえ始める頃であり、それより歳が若いのであれば、“幼女”と言われる年頃でしょう。そんな相手であれば、本人の同意の意志があろうがなかろうが関係なく、強姦罪は成立します。

強姦罪の刑罰は“3年以上の有期懲役”です。つまり有罪になれば最低でも懲役3年はくらう事になりますが、実際の判決で言い渡される刑期は、5年~9年程度の懲役刑(執行猶予無しの実刑)が多くなっています。しかし犯行回数など事件ごとに内容には相当違いがありますので、常習的に女性を襲うような悪質なケースでは懲役20年以上になる可能性もあります。

さらに性犯罪の厳罰化は進んでおり、現在検討中の改正刑法では、最低刑が懲役3年から5年に引き上げられることになりそうです。

準強姦罪

脅さなくても、相手の意識がなければ強姦成立

意識を失った女性に対して姦淫行為をするのが「準強姦罪」です。通常の強姦罪は被害者が覚醒している状態で犯行を行うケースですが、準強姦罪は女性が寝ている間とか、酒に酔って意識を失っているなど心神喪失状態で、無理矢理姦淫するという違いがあります。ただし女性が意識をなくす原因として、加害者が暴力を使って気絶させた場合は強姦罪です。

“準”という文字が付いていると、何か強姦罪よりも軽い気がしますが、準強姦罪の刑罰は強姦罪と全く同じで、3年以上の有期懲役となります。
刑罰が同じならあえて準強姦罪などというモノを作らなくてもいいような気もしますが、強姦罪の条文は「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者」となっています。

ところが意識を失った相手には、暴行や脅迫を用いなくても犯行は行えてしまうため、強姦罪は成立しなくなってしまいます。
現実には意識を失った女性が性犯罪の被害に遭う機会は少なくありません。そうした被害をちゃんと告発できるように準強姦罪が設定されているわけです。

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