法務省管轄の拘置所とは?~留置場や刑務所とは違う特殊な刑事施設~

拘置所

拘置所とは?

拘置所は、一般的にはあまり聞き慣れない言葉です。

ニュースをよくチェックしている人ならば、東京拘置所というワードは耳にすることがあるかもしれませんが、それがどのような施設なのか、どういった人が収容されているのかといったことは、法律の専門家や法曹界の人間、あるいは実際に拘置所に収容されたか訪問した経験を持つ人に限られるでしょう。

最近はテレビドラマや映画の設定も忠実になっていますので、ストーリーの中でもたまに拘置所のシーンが描かれることはありますが、拘置所に関して具体的な説明があるわけではありません。

まずは、拘置所という刑事施設がどのようなものかを紹介しましょう。

拘置所は全国に111カ所ある

拘置所は、拘置支所を合わせて全国に111カ所あります。

拘置所は、

  • 東京拘置所
  • 立川拘置所
  • 名古屋拘置所
  • 京都拘置所
  • 大阪拘置所
  • 神戸拘置所
  • 広島拘置所
  • 福岡拘置所

の8カ所で、その他は拘置支所として全国の拘置所あるいは刑務所、少年刑務所の所轄として存在します。

刑事事件の被疑者として逮捕され、ほとんどの場合に最初に収容されることになる留置場は警察の管轄ですが、その後送致される拘置所は法務省の管轄となります。

世界的に見ると、日本の状況は特殊

日本では多くの場合、逮捕直後から取調べが終わるまでは警察の留置場で身柄の拘束を受けるのですが、海外の先進国の場合は、逮捕直後から拘置所に収容されることがほとんどとされています。

警察の管轄下で取調べが続けられることは、警察にとっては都合の良いことですが、被疑者からみると、警察によって逮捕され警察の管轄下でずっと取調べを受けることは、かなりの苦痛となります。また警察のシナリオ通りに立件され起訴されてしまう可能性が高いことから、被疑者の人権に対する配慮が足りないという指摘がされています。

そして本来ならば勾留が決まれば、あるいは起訴されたらすぐに拘置所への移送が行われるべきなのですが、さまざまな理由、特に拘置所が慢性的に収容能力不足といった問題から留置場でそのまま身柄の拘束を受けることがほとんどで、違法な取調べや冤罪の可能性を高めているという問題があります。

拘置所には誰が収容される?

刑事事件の被疑者と警察に決めつけられ、逮捕された人が最初に収容されるのは警察に設置されている留置場です。そして逮捕の有効期限である72時間を留置場で過ごし、その後勾留が決定されてしまったとしたら、原則として被疑者は拘置所に移送されなければなりません。

しかし現実的には、勾留期間の20日間も警察が被疑者を留置場に留置し、警察と検察双方の取調べを受けるのです。拘置所の数が足りず、慢性的に収容能力不足といった問題を抱えているため、勾留期間中も留置場で身柄が拘束されるのですが、これは代用監獄といって法令上でも認められてしまっているものです。

その後検察が起訴を決め、被疑者の呼び名が被告人に変わってから初めて拘置所へ移送されるのですが、ここでもまた、どの拘置所に移送されるかの手続きを待つ間、あるいは保釈が見込まれる被告人に関しては、留置場で留置されたままになるのが現実です。

このように、なかなか拘置所には収容されないのですが、原則的には、主に

  • 未決囚(刑事事件の被告人で刑が確定していない人)
  • 死刑判決を受けて執行を待つ受刑者

が収容されることになっています。

拘置所に直行するケースがある

以上のように、なかなか刑事事件の被疑者・被告人は拘置所に収容されないのですが、逮捕されてすぐに拘置所で身柄の拘束を受けることがあります。それは、検察や麻薬取締官に逮捕されたケースです。

検察や麻薬取締官も、警察と同じように刑事事件の捜査をして被疑者を逮捕します。有名なのは地方検察庁特別捜査部、いわゆる地検特捜部で、検察庁の検事たちが自ら事件を捜査し、被疑者を逮捕できるのです。

この場合、逮捕した被疑者を警察の留置場ではなく、いきなり法務省管轄の拘置所へ収容し、起訴を行うという流れになります。

死刑確定者も拘置所に収容されている

よくニュースになりますが、死刑が確定した死刑囚は拘置所に収容されています。これは、死刑の刑の執行をもって刑罰を受けるという考えで、死刑を待つ間は刑務所で過ごすのではなく、執行までは拘置所でずっと待っているからなのです。

刑務所では刑務作業を行わなければなりませんが、拘置所では希望しない限り刑務作業をする必要はなく、ただひたすらに自由な時間を過ごしているだけで良いのです。もちろん規律に則った規則正しい生活を送ったり、さまざまな制限事項があったりすることになりますが、留置場や刑務所と比べると、比較的快適な暮らしだと言われています。

拘置所に収容されるのが本来の姿

先にも述べましたが、日本での刑事事件における手続きの運用は特殊で問題があるとされています。ここで改めて、その特殊性と問題点を掘り下げたいと思います。

検察が逮捕を行うなど、被疑者が留置場を経ない刑事手続きは日本では珍しいのですが、世界的な観点で見ると、被疑者は拘置所で勾留される事の方が一般的なのです。

なぜならば、罪を犯したと考えて被疑者を逮捕した組織(警察)が、そのままその組織の管理する収容施設(留置場)内に被疑者を閉じ込め、密室の中で事件の取調べを行えば、自白の強要や証拠の捏造が行われる可能性が高くなるのです。

警察には捜査権だけを与え、起訴する権利、いわゆる公訴権を検察の検事だけに与えているのは、権力側が勝手に罪を作り上げ、無実の市民を刑務所に送らないようにするのが目的です。世界的な目で見れば、刑事事件の被疑者は、逮捕・勾留・送検された後は警察の管理が及ばない刑事施設である拘置所に収容されるのが普通なのです。

検察によって起訴されるまで警察が管理する留置場にて被疑者の身柄を拘束しておくような国は、独裁国家を除いて世界中で日本だけだということは知っておきたいところです。

日本の現状がおかしく、拘置所が知られない存在に

以上のような現状が続いているため、日本の一般人が拘置所の意味どころか、名前すらなかなか知らないのは、日本特有の、送検後も被疑者を留置場で勾留するという不思議な慣習があるからでしょう。本来、拘置所というのは、送検された被疑者や起訴された被告人という未決囚の身柄を拘束する刑事施設です。

その目的は、刑事事件の被疑者や被告人が、逃亡したり証拠隠滅を図ったりすることを防止するためであり、警察や検察が裁判所の許可を得て、逮捕や勾留といった被疑者の身柄を拘束しておく、というものです。被疑者や被告人の身柄を拘束しておく場所は、事件の捜査に関して公正性のある所でなければなりません。

拘置所は法務省管轄の施設ですが、検察庁とは全く流れの違う部署になるため、被疑者や被告人の逃亡や証拠隠滅行為を防ぎつつ、公正な取調べを行うには最適の刑事施設であると言えるでしょう。

拘置所で面会する方法

まず面会の相手がどこの拘置所に収容されているのかを確認する必要があります。

被疑者を逮捕した警察に問い合わせても良いのですが、どのようなタイミングでどこの拘置所に移送され、いつまでいるのかといった情報は、弁護士に依頼して調べてもらった方が確実でしょう。

収容された拘置所が分かれば、その時点で連絡先なども教えてくれるはずですが、不明の場合は法務省のホームページ(http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei_kyouse16-03.html)でも探すことができますので、住所と電話番号を確認しましょう。

面会には申し込みが必要

拘置所に収容されている人と面会できるのは、受刑者の場合は状況によって判断されますが、被告人である場合は、その家族や友人・知人であれば申し込むことが可能です。

各拘置所が定めている面会時間に訪問し申し込むのですが、被告人の場合は取調べを受けている時間は面会できないので、事前に確認することをお勧めしますが、面会の予約はできません。

面会時間は基本的に30分程度ですが、面会室の混み具合によって左右される一方で、遠方から来た面会者に対しては多少の配慮はされるようですから、お願いしてみるのも手でしょう。

面会者は1度に3名までで、面会中の会話は刑務官によって記録され、事件に関する詳しい情報の会話は認められず、証拠隠滅のおそれがあるとして刑務官によって面会が中断あるいは打ち切られる場合があるので注意しましょう。

弁護士と相談し、収容者のためになる面会を

受刑者の場合は刑が確定しているため、拘置所での生活を少しでも楽にしてあげられるような精神的なケアが必要なのですが、被告人の場合は、裁判への影響も考えられるために、どれくらいの頻度で面会して何を差し入れて、何を話すかは弁護士に事前に相談した方がよいでしょう。

面会の手続きについても、より迅速に手配をしてくれるので、弁護士にすべてお任せすることをお勧めします。

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