受刑生活~刑期を終えれば刑事手続きは全て終わり~

網走刑務所

執行猶予がつかなければ、即刑務所行きが決定する?

すぐに「刑務所行き」ではない

この章でこれまで紹介してきた“刑事事件の終わらせ方”は、少しでも短い期間で身柄の拘束から解かれ、1日でも早い社会復帰を目指す方法でした。

しかし、最悪なのか、自業自得なのか逮捕・勾留された上に起訴され、裁判で実刑判決が出ると、刑事事件の処分として、刑務所で受刑生活を送ることになります。

控訴・上訴は可能だが・・・

判決に不服があるのであれば、より上級とされる「高等裁判所」に控訴をすることもできます。それでも満足できなければ「最高裁判所」へ上訴をして裁判を繰り返す事は可能です。ただし、それらの裁判で判決が覆されることは滅多にありません。

日本の刑事手続きでは、上訴のための準備期間として「14日間」取られていますので、裁判で下された判決が確定するのは、判決日の翌日から2週間後です。

最初から保釈が認められなかった被告人は、そのまま拘置所に身柄の拘束が継続され、判決が確定した時から「受刑者」という立場に変わります。保釈が認められ、一般社会で裁判を受けていた人だと、それが第一審の場合、判決が下された後に法廷で身柄が拘束されて、そのまま拘置所行きです。

身柄拘束直後に控訴手続をして追加の「保釈金」を積めば、裁判所内で再び釈放されます。また控訴審(第二審)の場合だと、判決直後の身柄拘束はなく、後日検察庁に出頭するケースが多いようです。

受刑者は拘置所で適正を調べられて、各刑務所に送られる!

刑務所にも種類がある

裁判が終わり、執行猶予もない実刑判決が下った場合、“受刑者生活”がどんな始まり方をするのかは、いくつかのパターンがあります。しかし行く先は即刑務所ではなく、受刑者は一旦拘置所に収監されるわけです。これは刑務所にも色々な種類があり、受刑者の適正と、受入側である刑務所の収容状態の調整が行われるからという理由になります。

刑務所の種類というのは、一般人が想像している以上に細かく分けられていますが、それは別章で紹介します。

ちなみに、大きく区分けすると、下記のような分け方となるようです。

  • 初犯か?累犯か?
  • 短期か?長期か?
再犯の可能性が判断材料に

初犯かどうかという判断は、実際に初めて犯罪を犯したかどうかというより、“再犯の可能性が低いか?高いか?”という判断基準だと思った方がいいでしょう。ですから反社会的組織(いわゆる「暴力団」)の構成員であれば、初犯であっても累犯者のように“犯罪傾向の進んだ者”として、初犯向けの刑務所には送られません。

もうひとつの基準は刑期の長さ

現在は懲役(または禁錮)8年の刑期を基準として、刑期8年に満たない受刑者が「短期」、8年以上の受刑者が「長期」とされ、その刑期に対応した刑務所に送られます。刑期の長さと犯罪の重さは比例しますが、重罪を犯したからといって、犯人がすべて悪党というわけではありません。受刑者の犯罪傾向と刑期の長さ、この二つを加味して収容するべき刑務所を選考するわけです。

送られるのは地元刑務所?

受刑者本人の希望も聞かれるが…

全国の各都道府県には、大抵一ヶ所は刑務所がありますが、別に地元で起きた事件の受刑者を収容するために設置されているのではなく、各刑務所は初犯向けとか、長期受刑者向けという区分けがされています。受刑者はその区分けによって、最も適した刑務所に送られますので、近所の刑務所送られる保証はありません。

とはいえ、日本国内の刑事事件を処理するのは「矯正管区」という区割もありますので、北海道で起こした犯罪の受刑者が、九州の刑務所に送られることはあまりありません。定員オーバーなど刑務所の事情によって、矯正管区をまたぐことはありますが、だいたい事件を起こした矯正管区内の刑務所に送られるのが普通です。

男性また拘置所内での選考中、一応「行きたい刑務所はあるか?」という受刑者の希望は聞かれると言われています。受刑者の犯罪傾向や刑期に合わせて、矯正管区内で収容可能な刑務所の候補を挙げて、受刑者が行きたい刑務所を本人に直接聞くわけです。

受刑者本人の希望が通ることはない!?

受刑者の希望といえば、家族や友人・知人が面会に来やすい地元の刑務所とか、冬の寒さがしのぎ易い南の方にある刑務所、あるいは施設の設備が少しでも新しい刑務所を望みます。しかし刑務所に実際に入った元受刑者の体験談を聞くと、希望通りの刑務所に送られたという話は聞かないかわりに、もっとも希望しない刑務所に送られたという話はよくあります。

「未決」から「既決」へ

拘置所内での待遇は一変する!

刑事裁判で「懲役」や「禁錮」などの実刑判決が確定すると、まずは「拘置所」へ身柄が収監されます。とはいえ、保釈が認められていない場合は、ずっと拘置所に「未決囚」として勾留されているケースも少なくありません。

未決囚の場合、拘置所内に勾留されているわけですが、立場としては“推定無罪”であり、裁判に必ず出廷させるために自由を奪っているだけです。

未決囚は自由がある?

したがって被告人本人の自腹でお菓子が買えたり、コーヒーが飲めたりと、比較的自由があります。ところが裁判で実刑判決が確定すると立場は未決囚から「既決囚(受刑者)」へと変わります。するとこれまでの待遇が一変し、様々な制約をうけるようになります。

お菓子や飲み物は自分で買うことはもちろん、持っていることも許されません。

面会や手紙の数も厳しく制限され、何より刑罰が「懲役」だった場合は、拘置所内での軽作業といった「労役」が強制されるようになります。そんな未決囚から既決囚になることを隠語で“アカ落ち”と言い、判決が確定した瞬間から刑罰の執行が始まると考えていいでしょう。

刑期はいつまで?

未決勾留は一定日数、刑期からマイナスされる。

日本の刑事手続きでは裁判の結果、無罪だった場合は、裁判のために身柄を拘束していた勾留期間の日数は1日あたり、1万円程度の金額で賠償されます(ただし、請求しないと国は知らんぷりをする)。

また、有罪の実刑判決だった場合も起訴勾留というのは、被告人を必ず法廷に出廷させるという裁判所側の都合ですので、金銭的補償をしないかわり、実際の刑期から未決勾留日数分の何割かを差し引くことになっています。

実刑判決の場合、裁判官は判決文で「被告を懲役○年○月に処する」と刑罰を申し渡した後、「未決勾留分の○○日を刑期から差し引く」と付け加えます。

未決勾留期間というのは、司法の世界では“起訴されてから、判決が言い渡されるまで”です。ただこの期間の日数が丸々刑期から差し引かれるわけではありません。刑期から差し引く日数を最終的に決めるのは裁判官で、同じような事件であっても裁判官によって差し引かれる日数にはバラつきがあります。

ただ未決勾留日数は、裁判官が気分で決めているのかというとそうでもなく、起訴勾留日数-{30+10×(公判の回数-1)}=刑期から差し引く日数という公式があるそうです。

起訴勾留の日数から、基本的な審理に必要とされる「30日」と、1回ごと公判の事務処理に必要な日数「10日」を公判回数分だけ掛けた日数を足すという考え方になります。

裁判官ごとに未決勾留分の日にちにバラつきが出るのは、差し引く日数を「100日」とか「40日」という切りのいい日数を充てるため、一桁の日数を切り捨てるか、四捨五入するか、切り上げるかという判断が裁判官の裁量に任されているからです。

真面目に務めれば、普通は満期以前に仮出所

拘置所での選考が終われば、いよいよ受刑者は実際に刑期を務める刑務所に収容されます。入所した時に自分の刑期が満期になるのがいつなのか教えてもらえます。これは刑務所内で呼ばれる自分の番号と同じく、必ず覚えておくように言われ、受刑者は満期日までの日を指折り数えるわけです。

日本の刑務所は”罰 < 強制”

ただ日本の刑務所は、受刑者に罰を与える施設であると同時に、矯正させて社会復帰させるという目的もあり、どちらかといえば矯正の方に重きを置いています。ですから刑期の満期一杯まで刑務所で務めるような人は、よほど短期の刑だったか、暴力団関係者、あるいは刑期中に刑務所内で散々問題を起こした人でしょう。

普通であれば、刑期の70%程度を勤めた時点で「仮釈放」を得られ、一般社会に戻る事が出来ます。仮釈放中は制約もつきますが、満期日を過ぎれば、完全に自由の身です。ここまでこれば、全ての刑事手続きは終了します。同じ事件で二度と逮捕されたり、裁判にかけられることはありません。

とはいえ、刑事事件の終わり方としては“最悪のパターン”です。早い段階で腕のいい弁護士を雇い、いち早く刑事事件を終わらせる努力をしましょう。

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