自首すると刑が軽くなるって本当?自首と出頭の違いについても解説
- 2024年7月16日
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自首とは
自首とは、自己の犯罪事実を、自主的に捜査機関に申告し、処罰を求めることをいいます。
刑事ドラマなどで見る「自首」とは、意味が異なる場合もあるので注意が必要です。
自首の成立条件
自首が成立するためには、次の2つのいずれかの条件を満たすことが必要です。
これらの条件を満たさない場合は、警察に行っても自首は成立しません。
犯罪そのものが捜査機関に発覚する前に自首をする
犯罪行為があったことをまだ捜査機関が知らない段階で、捜査機関に犯行を告白すると自首が成立します。
なお、親告罪の場合は、告訴権者(被害者など)に犯罪事実を告白することで、自首した場合と同様の効果が発生します。
捜査機関が犯人を把握する前に自首をする
捜査機関が事件の発生そのものは把握したものの、まだ犯人が誰かわからないときに自首をしても自首は成立します。
刑事ドラマでは刑事が犯人に自首を促す場面が出てきます。
しかし、こうしたケースは、捜査機関がすでに犯人を特定している状況にあたるため、犯人が自ら犯行をすすんで告白しても自首は成立しません。
自首と出頭の違い
自首は、犯罪事実そのものの発生を捜査機関が知らないとき、もしくは犯人がまだ判明していないときでないと成立しません。
つまり、警察が犯人を特定する前に自首をする必要があるのです。
事件の犯人をすでに捜査機関が特定している場合、自ら警察署に出向いても自首にはなりません。
犯人発覚後の自主的な犯行の告白は自首ではなく、出頭として扱われます。
自首と出頭ではその後の扱いが大きく異なります。自首した場合は減刑の可能性がありますが、出頭の場合はそうではありません。
したがって、自首をして罪を軽くしたいと考えるのであれば、なるべく早く行動する必要があるといえるでしょう。
自首をするメリット
自首をすることにはいくつかメリットがあります。もし犯罪行為をしてしまった場合、可能であれば自首をすることも検討してみましょう。
その後の刑事手続で有利に扱われる可能性がある
自首は法律上の減刑事由にあたるため、自首をすることで刑が軽くなる可能性があります(刑法42条)。
ちなみに、出頭は法律上の減刑事由にはあたらないため、出頭しても減刑はされません。
ただし、「本人が反省している」ということで、量刑上有利に扱われる可能性はあります。
精神的重圧や不安感から解放される
犯罪行為を隠し続けようとする行為は、精神的に大きな負担になります。いつ逮捕されるのか、いつ犯行が発覚するのか、と不安感にさいなまれるケースも少なくありません。
自首をすれば、こうした不安感からも解放されます。
自首をするとどれくらい減刑されるのか
自首をした場合、減刑を受けられる可能性があります。
もし減刑された場合、刑が大幅に減刑されます。
例えば、法定刑が「懲役3年以上10年以下」の罪であれば、上限・下限がそれぞれ半分になり、「懲役1.5年以上5年以下」の間で刑が言い渡されることになります。
死刑にあたる罪を犯した場合も、無期懲役・禁錮もしくは10年以上20年以下の有期懲役・禁錮に減刑され、死刑を避けることができます。
自首の仕方について
捜査機関が事件発生の事実や犯人を知る前のタイミング、捜査機関に自ら出頭し、自分が行った犯罪行為を告げることで自首が成立します。
自首をする場所は、自宅の最寄りの警察署、事件を管轄する警察署など、自分の行きやすい場所で構いません。
実際に自首をするときの注意点
実際に警察に自首をすることを考えている場合は、次のようなことに注意しましょう。
捜査機関に自首をすることがもれないようにする
自首をする前に、捜査機関が犯人を特定してしまうと自首が成立しなくなります。
自首を希望する場合は、自首を成立させるためにも一刻も早く警察署に出頭する必要があります。
証拠品など必要なものを準備する
自首をしに行ったとしても、自分の話を警察官に信じてもらえないと自首が成立しません。
また、口頭で自首をしても自首をしたことを証明できないため、自首をしたという事実を証拠として残しておく必要もあります。
自首をする場合は、犯行の証拠品や自首をしたことを証明するための書面などをあらかじめ準備しておきましょう。
さらに、その場で逮捕・勾留される可能性もありますので、身の回りの品やお金も持っていくことをおすすめします。
弁護士に自首同行を依頼することも可能
自首はもちろん1人でもできますが、なかには1人で警察署に行くのが不安という人もいるかもしれません。
その場合は、弁護士に付き添ってもらうことも検討しましょう。
精神的に楽になるのはもちろん、法律のプロによるアドバイスが受けられるなどのメリットもあります。
さらに、弁護士には守秘義務がありますので、弁護士に自首の相談をしたとしても、その秘密が外部の人間にもれるおそれはありません。
自首同行の依頼を受けた弁護士ができること
自首同行の依頼を受けた弁護士は、依頼人のために様々な活動を行います。
自首成立に向けての準備
警察署に連絡を入れて日程の調整をする、自首報告書を作成するなどして、スムーズに自首が成立するようにサポートします。
その後の刑事手続のサポート・弁護活動
自首が成立した後は、通常の刑事事件と同じように取り調べが行われることになります。
その際、弁護士は取り調べに関して法的なアドバイスを行う、被害者と示談交渉を行うなどの弁護活動を行います。
さらに、起訴が決定し、刑事裁判になった場合には、依頼人を弁護し、少しでも刑が軽くなるように働きかけます。
自首同行を弁護士に依頼した場合の費用
自首同行を弁護士に依頼した場合の費用については、10~40万円程度と事務所によってかなり幅があります。
目安となる金額を知りたい場合は、あらかじめ弁護士事務所に問い合わせることをおすすめします。
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自首した後の事件の流れ
警察署に出頭し、自首が成立した後の流れは次のようになっています。
事情聴取
自首をした際、事情聴取が行われることがあります。このとき、弁護士に同席してもらうことで、事実とは違う不利な調書を取られずに済みます。
自首調書の作成
口頭で自首をした場合、警察が自首調書を作成します(刑事訴訟法241条2項)。
取り調べ
自首調書の作成が終わった後は、通常の刑事事件と同じように手続きが進んでいきます。
取り調べの際、事件の性質などによっては逮捕・勾留されるおそれもありますが、その場合も弁護士がいれば身柄を解放される可能性が高くなります。
起訴の判断
警察や検察による取り調べが終わると、検察官が起訴するかどうかの判断を行います。
もし不起訴になった場合は、そこで事件は終結します。
一方、起訴が決定した場合は、刑事裁判手続きに移行します。
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自首を検討するのであれば弁護士に相談するのもおすすめ
刑事事件では早期対応が重要です。特に自首は警察に事件や犯人が発覚する前に行わないと成立するため、一刻も早く行動を起こす必要があります。
もし自首をすることを決断したら、弁護士に相談する、荷物をまとめるなど、すぐに自首の準備を始めることをおすすめします。
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