取調べを受けた時の対処法~「写真撮影」「指紋採取」「DNA採取」など~

指紋採取

刑事事件の被疑者として逮捕されてしまったら、さまざまな取調べを受けることになる。中には法律に違反している違法捜査もあり、人権侵害で問題になることも。自身を守るために、最低限の法律知識と、弁護士に相談するなどの対処方法を頭に入れておくこと!

逮捕後の取調べには、どう臨めばよいのか?

本ホームページで紹介しているように、日々真面目に生活を送っていても突如、刑事事件に巻き込まれて逮捕されてしまう可能性があります。

ある日突然警察が訪ねてきて、身に覚えのない罪で逮捕されるというのは、テレビドラマや映画だけの世界ではないのです。

またそれは自分自身だけではなく、家族、友人や知人にも起こりうる話です。

もし刑事事件の被疑者として逮捕されてしまった時、刑事手続きに関する基本的な事項を知らないと警察や検察の言いなりで事が進んでしまいます。

逮捕後の取調べに対し、どう臨めばよいのかを知っておくことは、自分の身を守るために非常に重要なのです。

違法な取調べに気づくため、最低限の知識を持つこと!

警察・検察は、法律と定められた手順によって逮捕や取調べを行い、刑事事件の容疑者の捜査を行います。

しかし、ニュースでたびたび報じられるように、違法捜査や人権を無視した取調べは社会問題となり、現在でも法改正を含めた見直しが続いています。

それでも違法スレスレな行為が日常的に行われているという見方もあります。

万が一、刑事事件の容疑者として逮捕された、あるいは無実の罪を着せられ事件に巻き込まれてしまった場合、最低限持っておくべき知識を紹介していきます。

取調べにおける「写真撮影」と「指紋採取」は必須

刑事事件における容疑者の逮捕は、被疑者の逃亡と証拠隠滅を防ぐために一時的に身柄を拘束することです。

その際、供述調書の作成に加えて、逮捕とセットになっている取調べの手続きがあります。

それは「写真撮影」と「指紋採取」です。これらは、任意ではなく必須であり、被疑者は拒否することができません。

逮捕直後に行われる「写真撮影」

通常、逮捕された被疑者は、現行犯逮捕の場合は、犯罪が発生した地域を管轄する所轄署に、通常逮捕の場合は、捜査本部が置かれる警察署へと連行されます。

現行犯の場合はパトカーで、通常逮捕の場合は警察のワンボックスカーで連れて行かれるのはイメージ通りですが、警察署の正面玄関から多くの一般人に見守られながら署内に入るわけではありません。

たいていの場合は通用口から入るように促され、もちろん手錠や腰縄は打たれたままですが、被疑者の人権に配慮して他人の眼を避けるように連れて行かれます。

ここで最初に待っているのは被疑者の「写真撮影」です。

専用の個室において、被疑者の正面と横顔、そして左斜めから撮影が行われます。

被疑者は自分では写真の写り具合を確認することができず、いきなりすべてをさらけ出されてしまう感覚に襲われることでしょう。

入念に「指紋採取」も行われる

続いて被疑者の「指紋採取」が行われます。

昔のイメージですと、黒いインクをべったりと全部の指につけ、ぐるりと入念に指紋をとるイメージがありますが、現在ではスキャナを使ったデジタルデータで取り込まれます。

両手指の指紋だけではなく、手のひらの「掌紋」と、小指から手首までの側面の「側掌紋」も採取されます。

「写真撮影」と「指紋採取」は拒否できない

たいていのテレビドラマでは、警察署に連行された後にいきなり取調室のシーンになり、厳しい尋問を受けることになっています。

しかし、実際には取調べ前に、以上の「写真撮影」と「指紋採取」という個人情報の採取が行われるため、心情的には「もう逃げられない」と感じてしまうのも仕方ないかもしれません。

加えて、この「写真撮影」と「指紋採取」は逮捕に付随するものなので、被疑者に拒否する権利はないのです。

基本的には、逮捕後にいつでも弁護士への連絡が可能なはずですが、ここまでは一気に進んでしまうと考えて良いでしょう。

「DNA採取」など科学的捜査を拒む権利はある!

取調べにおいて、「写真撮影」と「指紋採取」の拒否はできないと書きましたが、後の取調べにおいて同時に捜査員が求めてくるDNA鑑定のための「DNA採取」や「ポリグラフ検査」、「声紋鑑定」などの科学的捜査は、拒否する権利があります。

犯罪の種類によって重視されるDNA鑑定

DNA鑑定とは、DNA(デオキシリボ核酸)の検査によって、個人を識別するために行う鑑定を指します。

近年では科学的な分析技術が向上し、血液鑑定によってより正確な認識ができるとして証拠能力が認められているようです。

そして、DNA鑑定によって個人を特定することが、当該刑事事件の犯人を特定するための重要な証拠になり得るものならば、捜査の一環として強制的に「DNA採取」が行われることがあります。

ただしその場合には、「身体捜査令状」と「鑑定処分許可状」が必要となります。

これらの書類が提示されずに、ただ「DNA採取」を求められたとしても、被疑者には拒否する権利があることを覚えておきましょう。

日本の刑事事件捜査、裁判は証拠を最も重視する

取調べにおいて、例えばDNA鑑定が関係ないと思われる詐欺罪でも、捜査員が「DNA採取」を求めてくることがあります。

これは、日本の刑事事件の捜査が、また後の裁判においても、証拠が最も重視されることから、何でもかんでも証拠を集めたいという考えからくるものと推測されます。

先に述べたように「DNA採取」は逮捕の手続きには含まれておらず、当然ながら拒否する権利はあるわけです。

誰も好き好んで自分のDNA情報を提出したくないでしょう。

しかしそこは、状況によって冷静に判断した方がよいところです。

証拠を集めたい捜査員が「身体捜査令状」と「鑑定処分許可状」なしに「DNA採取」を求めてきた場合、「任意ですよね? 拒否します」と答えた場合と、「自分は何もやっていません。どうぞ調べてください」と受諾するのでは、捜査員の印象がまったく違うでしょう。

拒否する権利を主張するのか、捜査員との関係性を良くするために受け入れるのか、または弁護士に相談するまで待ってもらうのか、その場で判断できるだけの知識を持っておきたいものです。

取調べの可視化を求めることが大切

刑事事件の取調べにおいて、過去にはさまざまな問題があり社会問題化し、改善が進められているところです。

しかし、未だに被疑者の権利を認めない、あるいは人権を無視するかのような取調べが行われているとの指摘があります。

その場合は、どうしたら良いのでしょうか?

取調べ中に、捜査員が暴言を吐く

被疑者が取調べを受ける取調室において、何が行われているかを知っているのは、実際に取調べを体験した人に限られます。

凶悪な罪を犯した被疑者や、容疑を素直に認めない者に対しては、罵詈雑言が浴びせられていることも想像に難くありません。

その場で、この取調べは違法行為だと反論しても良いのですが、このご時世に暴言を吐くような捜査員に反論しても、火に油を注ぐようなものかもしれません。

このような場合に効果的なのは、自分で記録を取ることです。

弁護士との接見が可能であれば、逐次その旨を報告し、記録に留めておくことが重要です。

任意同行なのに帰してくれない

刑事事件の容疑をかけている重要参考人に対して、任意同行を求めて帰さないのは、捜査機関がよく使う手口とされています。

任意同行ではまだ被疑者として逮捕されたわけではないのですが、連日参考人として任意の出頭を命じられ、長時間にわたり取調べが行われるのです。

これは、逮捕状を取って逮捕してしまうと、その瞬間から警察は48時間という時限が発生してしまいますので、確実に送検できる証拠を掴むまでは、あくまで任意という建て前で取調べを行うという手段です。

あくまでも任意ですから、出頭した人は帰りたければいつでも大手を振って取調室を出て家に帰れるのですが、帰ろうとすると捜査員がドアの前に立ち塞がり帰さないようにするとも言われています。

さらに、立ちふさがった刑事を押し退けようとすると公務執行妨害という別件で逮捕されるという噂もあります。

こうした無茶な取調べが続く場合、早い時期に弁護士を雇って、適切なアドバイスを受けたほうが良いでしょう。

取調べの可視化は道半ば

刑事事件における捜査員の取調べを透明化しようとする取調べの可視化は、まだすべての事件で義務化が進んでいるわけではありません。

被疑者の人権を守るため、2016(平成28)年に刑事訴訟法が改正され、被疑者の取調べにおいて、原則として取調べの録音と録画が義務付けられることになりました。

しかし、対象となるものは、殺人、傷害致死、強盗致死傷、強姦致死傷、保護責任者遺棄致死、危険運転致死などの裁判員裁判の対象となる事件、そして検察独自の操作事件である収賄、脱税事件などに限られ、施行予定も2019(平成31)年6月までとされています。

捜査機関が作り出す冤罪を防ぐためには、すべての事件における取調べの可視化が望まれるところですが、現在のところは被疑者が自衛手段を講じるしかないのが実情です。

最低限の法知識を持ち、弁護士に依頼を

普段から刑事訴訟法や、逮捕における実際の刑事手続きについて勉強しておくと、刑事事件に巻き込まれた場合、捜査員の言動や行動において、何が合法で、何か違法かという事がわかります。

しかし刑事訴訟法は義務教育で習いません。

詳しく理解しているのは、大学で法科を専攻していた人か、実際に司法の世界で働いている人だけでしょう。

特に、刑事訴訟法は新しい犯罪や社会情勢などに対応するために改正が繰り返されています。

最初の段階から弁護士に頼ることが大切

万が一刑事事件に巻き込まれた時を想定し、刑事事件の弁護が得意な弁護士と知り合いになっておくのが一番ですが、一般人にとってはあまり現実的ではないかもしれません。

しかし、弁護士への依頼は、世間のイメージほど壁が高いものではありません。

特に身に覚えのない罪で逮捕されてしまった時に、身の潔白を証明するためには弁護士の力が必ず必要です。

当サイトでは刑事事件専門の弁護士を掲載していますので、自分の近所にある弁護士の名前をあらかじめ記憶しておくのも良いかもしれません。

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