執行猶予を勝ち取る条件とは?~弁護士にアドバイスを~

執行猶予

日本の刑事裁判は有罪判決が99.9%

刑務所行きを免れる執行猶予とは

日本の刑事裁判で、有罪判決が言い渡される確率は、年間で99.1~99.9%の間を推移しています。つまり刑事事件の被疑者となり、検察に起訴されてしまうと、ほぼ間違いなく有罪判決が言い渡されるということです。

ただこの数字は、被告人が最初から罪を認めている場合も含んでいる上、日本の刑事裁判の90%以上は、そんな被告人が罪を認めている「量刑裁判」になっています。本当の意味で、裁判で有罪・無罪を争う「否認裁判」は刑事裁判全体の一割にもなりません。とはいえ、そんな否認裁判の有罪率も90%以上で、刑事裁判で無罪を勝ち取ることは非常に難しいというのが現状です。

起訴されたら刑務所はほぼ確定?

それでは「起訴されてしまったら、かなりの確率で刑務所へ行かなければならないの?」という質問には、「刑務所は免れる可能性もある」といえます。

刑事事件で有罪判決が下されると、当然、罪に見合った刑罰が執行されます。日本の刑罰は「死刑」・「懲役(無期・有期)」・「禁錮(無期・有期)」・「拘留」・「罰金」・「科料」などがありますが、刑事手続きで略式裁判ではなく、法廷で審議が行われる「公開裁判」で実際に下される刑罰は以下の3つが大部分を占めています。

  • 懲役
  • 罰金
  • 懲役と罰金の併用

そして公開裁判の場合、判決は有罪でも刑罰の執行が猶予される「執行猶予」がつけられるケースもあり、起訴された被告人は、執行猶予を勝ち取るために弁護人と協力して法廷で戦うことになります。

執行猶予の目的は一般社会での更正

執行猶予がつく条件とは?

執行猶予付きの判決は、有罪でも一定期間(1~5年の間で定められ、判決で言い渡される)刑罰の執行を猶予され、執行猶予期間中に刑事事件で起訴されなければ、刑罰そのものが免除されるというものです。

ですから判決で執行猶予がつけば、そのまま家へ帰ることも出来ますし、特定の国家資格が必要な仕事を除けば、ほぼ普通の社会人と同じく仕事も出来ますし、学校へも通えます。

執行猶予期間中に刑事事件を起こさなければ、もはや刑罰が執行される事はありません。そもそも執行猶予という制度は、刑務所へ入れて罰を与えるよりも、社会生活を送る中で被告人を更正させようというのが目的だと言われています。

刑事裁判の判決で執行猶予がつくには、いくつかの条件があります。

執行猶予が付く条件
  • 初犯であること
  • 特に重罪ではないこと
  • 十分に反省していること

執行猶予の条件は絶対ではない

裁判で争う価値がある

ポイント①初犯であること

執行猶予のつく条件として最初にあげられるのは、“初犯であること”ですが、これはあくまで起訴された罪を犯したのが初犯であることで、過去「窃盗」の罪で起訴されたことがあっても、今度捕まった罪状が「覚せい剤取締法違反」であれば、一応初犯になります。また、過去に同様に罪で起訴されたとしても、5年以上前の犯罪であれば執行猶予がつく可能性はゼロではありません。

また特殊な事例として、万引き(窃盗)常習犯の被告人に、“2度目の執行猶予”がついた判例もあり、初犯でなくても弁護士のアドバイスの下で、上手く公判を戦い抜けば執行猶予を勝ち取れる可能性はあるわけです。

ポイント②量刑であること

予想される判決が3年を越える「懲役」や「禁錮」だった場合は、執行猶予がつく確率が低くなります。

日本の刑事裁判で下される判決は、検察側が求刑した量刑の“8掛けが相場”と言われています。たとえば検察が「論告求刑」で主張した刑罰が懲役4年以上だった場合、8掛けしても懲役3年を越えるため、執行猶予のない「実刑判決」である可能性が高くなるわけです。もっともそうした相場は、あくまで相場であり、法廷での戦い方次第では予想を覆して執行猶予を勝ち取ることは不可能ではありません。

ポイント③反省していること

そして執行猶予つき判決をえるのに、一番肝心なことは、十分に反省していることを裁判官に理解してもらうことでしょう。被害者との和解をはじめとして、事件の弁済が上手くいっているという事実や、裁判が終わったあとの社会復帰方法がハッキリしているなど、今後再び犯罪を犯す可能性がないということを主張します。

これらの条件を全てクリアしなくても、裁判官の心証を良くすれば、執行猶予は勝ち取れますし、逆に些細なミスで実刑判決をになることもあります。裁判で執行猶予を獲得して刑事事件を終わらせるためには、やはり経験豊富な弁護士のアドバイスは欠かせないでしょう。

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