取調べでの心得(4)検事の取調べが一番大事!

取調べ

刑事事件の取調べは二段階で行われる

警察と検察、聞かれる内容は同じなことも

被疑者に対する取調べは、警察と検察の二段階で行われます。

多くの刑事事件は、事件を認知した警察が被疑者を特定して逮捕して、48時間以内に事件を検察に送る(送検という)のが刑事手続きの手順です。
筋論から言えば、送検後の事件捜査は検察が担当するのですが、実際の司法の現場では事件が送検されて、指揮権が検察に移った後も、取調べの多くは警察が行います。

これは単にマンパワーの問題で、警察に比べて検察は圧倒的に職員が少ないので、検察は警察に取調べを含む証拠集めを“お願い”しているわけです。
ただ警察と検察は監督官庁が違います。警察は国家公安委員会の下に属する組織で(直接の責任者は各都道府県の知事)、検察庁は法務省が所轄する役所です。

刑事手続きに限らず、所轄の違う官公署をまたいで行われる手続きというのは、なかなか手間がかかるもので、取調べでは
“警察の捜査官と検察の検事に、同じことを聞かれて、その度に調書を作る”
という事が起こります。

裁判で採用されるのは、検事が作る“検面調書”

刑事ドラマなどエンターテイメントで描かれる刑事手続きは、そこまでリアルに再現すると話が煩雑になってしまいます。
そのため、取調べといえば、主人公が刑事なら警察だけ、主人公が検事であれば検事だけが取調べしているように描かれていますが、実際は、被疑者は両方から取調べられます。
もっとも普通の事件の場合は警察の取調べがメインで、検察には勾留中に2、3回呼ばれて取調べを受ける流れが一般的です。

被疑者が徹底的に反抗して、まともに取調べに応じない場合を除き、取調べごとに「供述調書」という書類が作られます。一般的には単に「調書」と言われますが、供述調書には

  • 員面調書(正式名称「司法警察員面前調書」):警察の担当捜査官が作成する
  • 検面調書(正式名称「検事面前調書」):検察の担当検事が作成する

の二つがあります。

勾留中の被疑者が、連日取調べを受けて、事件に関して細部に渡ってしっかり取られるのが「員面調書」ですが、実はこの調書、正式な裁判の法廷で証拠採用されることはあまりありません。法廷に証拠として提出される供述調書は、検察が作成する「検面調書」になるのが普通です。

検察の担当検事は員面調書を読み込み、それを元に被疑者を呼び出し、要点を質問した上で検面調書を作成します。当然、内容的に重複している部分も多くなりますので、裁判において検察側が提出する調書は検面調書だけという事になるわけです。

検面調書が最重要な理由

起訴するか否かの決定権を持っているのは検事

員面調書より検面調書の方が重要なのは、裁判で証拠になるからです。
ただそれ以上に肝心なのは、
“被疑者を起訴する権限を持っているのは検事”
だという事実です。

日本の裁判で民事裁判は誰でも起こすことは出来ますが、刑事事件を起こす「公訴権」を持っているのは検察の検事だけです。
つまり被疑者を逮捕した警察が、いくら被疑者が犯人だと主張しても、検事が不起訴にすれば刑事手続きはそこで終わってしまうわけです。

刑訴法では、刑事事件の被疑者を起訴するか不起訴にするかの判断は“担当検事個人”に与えられています。
もちろん実際の司法の現場では上司の決済が必要で、担当検事個人が自分の主張だけで、起訴・不起訴の決済を通すことは稀です。しかし、検事個人に大きな権限が与えられていることに変わりはありません。
そのため、取調べを受ける場合、最も気を抜けないのは検事の取調べと、その時に作られる検面調書だと言えます。

起訴か不起訴かを分ける検事調べ

検事の取調べは3回ある

検事から取調べを受けるのは、

  • 送検直後の「初件」
  • 勾留中ほどの「中調べ」
  • 勾留満期近くの「最終調べ」

の3回行われるのが普通です。

初件

「初件」は送検されてきた被疑者を初めて担当検事が取調べるわけですが、聞くことは警察で最初に受けた取調べの内容とほぼ同じになります。この時点で容疑が晴れれば即釈放ですが、そうした事は滅多にありません。
通常取調べを受けた後、軽い罪であれば「略式手続き」になるか、引き続き捜査を続けるため「勾留請求」の手続きが取られます。

中調べ

勾留されてしまった場合、連日警察で担当捜査官からの取調べを受けますが、勾留期間の中ほどで検事に呼び出されるのが一般的な刑事手続きの流れです。
この時行われる取調べは「中調べ」と呼ばれますが、タイミングはケース・バイ・ケースになります。基本的には員面調書を読み込んだ検事が、直接被疑者に聞いてみたいことがあった場合にも呼ばれます。ですから人によっては勾留期間中、何度も検察に呼ばれることもあるわけです。

最終調べ

そして勾留満期近くになると必ず検事に呼ばれて受ける取調べが「最終調べ」と呼ばれます。
文字通り最終的な事件のまとめと、被疑者の主張を聞くわけですが、この取調べの段階で起訴・不起訴が決定されます。
起訴の場合だと取調べの最後に
「あなたを起訴します」
と宣言する検事も少なくありません。
逆に不起訴の場合、検事は何も言わないケースが多いようです。
ただ何も言われなかったからといって安心していると、勾留満期日にいきなり「起訴状」が留置場に送りつけられてくることもあります。

最重要な検事取調べは気を引き締め、弁護士に相談を

検事の取調べは警察からの取調べ以上に特に気を引き締め、できれば事前に弁護士と相談して臨みましょう。

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