刑事裁判の手順(2)起訴状朗読

「起訴状を読んだか」確認する意味

書状読み上げ

判りきった事もはっきりさせてから進む

「人定質問」によって、間違いなくこの法廷にいるのが被告人本人だとわかると、次のステップは「起訴状朗読」です。裁判官は引き続き証言台に立っている被告人に対して、
「あなたの所に「起訴状」が届いたと思いますが、その内容は読まれましたか?」
と尋ねます。

起訴状というのは、起訴が決定した時点で被告人(本人がまだ「被疑者」のつもりでいても、起訴された時点で「被告人」)の元へ届けられる公文書です。刑事事件の場合、在宅捜査でなければ刑事施設(普通は留置場)に身柄を拘束された状態で起訴状が届けられますので、被告人はほぼ100%起訴状を読んでいるはずです。

もちろん弁護人からも、公判が始まる前に起訴状を読んだかどうかは聞かれます。この確認の段階で、万が一起訴状を読んでいないと言う被告人に対しては、必ず弁護人が起訴状を読むよう厳しく言い渡します。
ですから、公判が始まった時点で、被告人が起訴状を読んでいないというのはありえない事なのですが、裁判官はあえて被告人に確認するわけです。

事実裁判官の問いかけに、ほぼ100%の被告人は
「はい、読みました。」
と答えます。
このように公の裁判というものは、空気を読んであとは“察して”というような、融通を効かした手続きを許しません。面倒に思えても、後で文句のつけようがないよう、判りきった事もキッチリ確認しながら行っていきます。

起訴状朗読

さらにキッチリさせる為、起訴状を読み上げる

「起訴状」というのは、被告人がどんな事をして、何の罪に問われているのかをはっきりさせる文章になります。起訴状を制作した検事も、起訴状を届けられた裁判官や被告人、そして被告人を弁護する弁護人も全員が公判が始まる前に読んでいるわけです。

しかし、何事もはっきりさせて進行するのが裁判ですので、裁判官は
「では、あらためて検察官に起訴状を朗読してもらいます。」
と言います。
これは裁判を傍聴に来た一般人のためのサービスのようにも感じますが、実は裁判は法廷内での発言や、開示された証拠のみで審理するものです。何のための裁判なのかという主旨も法廷内で“発言”しておかなければ話が進みません。
ですから裁判官をはじめ、裁判関係者が全て内容を知っている(はず)の起訴状もあえて法廷内で読み上げるわけです。

起訴状は裁判の基点

何の為に裁判を始めたのかが書いてある

起訴状を読み上げるのは検察官(検事)です。
地方都市の裁判だと、起訴・不起訴を決定した検事と、起訴した被告人を法廷で追訴する検事が同一人物という場合もあります。ですからその場合は、起訴状は検事自身が作ったものとなります。
しかし都市部になると、起訴・不起訴を判断する「捜査検事」と、法廷で争う「公判検事」は別人です。

起訴状を作った検事と、読み上げる検事が別人であることは、特に問題はありません。当然の事ですが公判検事も、事前に起訴状は熟読していますし、起訴状自体それほど複雑な事は書いてあるわけではなく、

  • 事件を起こした人の名前(被告人の名前)
  • 事件の発生した日時
  • 事件の概要
  • 抵触する法律の名前

が端的に書かれています。

つまり「被告人は、何年の何月何日に、某所でこんな悪いことをしました、これは刑法(又は特別刑法)に違反する行為です。」という事を明文化したモノが起訴状なのです。

被害者の名前は言わないようになった

裁判にも浸透するプライバシー保護

何事もはっきりさせるのが、裁判の基本方針です。そのため、起訴状をはじめ、裁判資料には被害者の名前や現住所もはっきり書かれています。少し前までは起訴状朗読だけではなく、公判の中で示される資料に被害者の名前が記載されている部分は、そのまま読み上げられていました。

しかし近年になって、被害者のプライバシーを守ろうという風潮が強くなり、わいせつ系の事件の場合はほぼ100%、被害者の名前は書類に書かれていても、単に「被害者」と呼び、住所や年齢、あるいは勤め先などの個人情報は法廷で発言しない事になっています。

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