どんな人が留置場に収容される?~被疑者や被告人。犯罪者ではない~

留置場に収容された女性会社員

留置場とは?

留置場とは各都道府県の警察に設置されている施設で、警察が逮捕した人で留置が必要とされる人が収容される場所です。

警察の資料などでは留置施設と書き記され、俗に言われるところの留置所、あるいはブタ箱と呼ばれることもあります。一般的に警察の収容施設というと、警察官に保護された泥酔者などが一晩を過ごす保護室と混同されてしまうことがあります。

泥酔者がケンカをしたり物を壊したりして事件性があり逮捕された場合は留置場に収容されますが、それ以外のケースで一時的に保護されるのは保護室、いわゆるトラ箱で、まったく違うものだということを覚えておきましょう。

しかし同じ警察署の中の施設であり、警備の都合上、隣接して設けられていることも多く、勘違いしてしまうのも仕方のないことかもしれません。

留置場に入れられるのは犯罪者ではない

刑事事件の犯人であるだろうと警察や検察が特定し、逮捕状を取るなどして逮捕されてしまった人が収容されるのが留置場です。別名代用監獄とも言われ、刑務所や拘置所と同じ刑事施設のひとつですが、刑事施設の中でも管轄が法務省ではなく警察の管理下にあることが特徴です。

そして留置場に収容された人は、世間一般の見方では犯罪者だと思われてしまいますが、後述するように、警察が逮捕して留置場に収容されただけでは、犯罪者として確定しているわけではありません。

逮捕されたから犯罪者ではなく、後の裁判において有罪判決が下されて初めて受刑者、いわゆる罪人とされるのであり、そこまでには何段階も手続きを経ねばならず、本人の意思や弁護士の尽力、また家族や知人・友人の支えにより有罪とならない方法がまだ残っていることを知っておきましょう。

もちろん犯してしまった罪は償わなければなりませんが、逮捕や留置場行きは有罪確定ではないのです。

法令上は、刑事収容施設として扱われる

逮捕後の被疑者の身柄拘束については刑事訴訟法で定められており、被疑者が収容される目的は逃走および証拠隠滅を防止するためと定められています。

そして留置場の管轄は警察なのですが、法務省が管轄する拘置所などと一緒に、留置施設に被疑者や勾留が認められてしまった人を収容する制度、いわゆる代用刑事施設制度のもとに括られ、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」に運用方法や規則が定められています。

この法令は刑事収容施設の管理運営と被収容者などの処遇に関する事項を定めるもので、2007年に旧監獄法が廃止され、被収容者の人権に配慮が行われる形で新たに設けられたものです。

まだ有罪と確定していない人が収容される

先に述べた通り、刑事手続きの上では留置場に収容された段階では、まだ確定した犯罪者ではありません。日本に限らず、多くの国で取り入れられている近代司法の考え方では、裁判によって有罪判決が言い渡されるまでは、被疑者や被告人は無罪だという推定無罪の原則があります。

犯行を否認しようのない現行犯逮捕が行われた事件でも、逮捕された後に被疑者が犯行を認めているケースであっても、すべての被疑者や被告人に推定無罪の原則は適用され、留置場に収容された人は、あくまでも被疑者であって犯罪者と確定してはいないのです。

留置場には原則として刑事事件の被疑者が収容されますから、留置場に入っている人は犯罪者ではないことを改めて指摘しておきます。

留置場には、被告人も収容される

留置場に収容されているのは、逮捕によって身柄を拘束された被疑者だけではありません。

勾留が決定された被疑者や、既に検察によって起訴された被告人も収容されている場合があるのです。本来ならば勾留が決まったら、あるいは起訴されて被告人と呼ばれるようになったら、拘置所に身柄を移送されるのですが、起訴後もさまざまな理由で留置場に引き続き収容されるのです。

まず、拘置所側の受け入れ準備がまだ整っていない場合に、一時的に留置場に収容されたままになることがあります。そして保釈される可能性が高い被疑者や被告人は、あえて拘置所には移送されず、留置場に入れられたまま保釈の手続きを待つことがあります。

加えて、起訴された事件だけではなく余罪があり、起訴された事件以外にも警察による取調べを引き続き受けている場合も、留置場に入れられたままになることが多いようです。そして、これが最大の原因だとも言われていますが、拘置所がいつも満員で、勾留が決まっても、起訴されても留置場で空きを待つ必要がある、といった理由もあるようです。

拘置所の代わりに留置場に収容される?

刑事事件の手続きにおいて、本来の筋論から言えば、勾留が決定された被疑者や起訴された被告人は速やかに拘置所に送られなければなりません。

ただし、特定の条件下では留置場を拘置所などの刑事施設として使用できることが「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」で認められており、これは代用監獄と呼ばれるものです。そのため現実的には、警察に逮捕された場合は起訴されるまで留置場に身柄を拘束されるのが普通になってしまっています。

その理由はいろいろありますが、最も現実的で大きなものは、留置場に比べて拘置所の数が極端に少なく、毎日逮捕されて身柄を拘束された被疑者を次々と拘置所へ移送していたら、たちまち拘置所がパンクしてしまうからです。

留置場と比べ極端に数が少ない拘置所

留置場は全国の各都道府県にあるほとんどの警察署に設けられています。2016年現在、全国の警察署は1,166カ所ですから、その数に近い留置場があることになります。

ところが拘置所は、全国に8カ所(東京拘置所、立川拘置所、名古屋拘置所、京都拘置所、大阪拘置所、神戸拘置所、広島拘置所、福岡拘置所)のみであり、刑務所・少年刑務所・拘置所の支所として全国に111の拘置支所があるものの、その差は歴然です。

そして実際に拘置所は慢性的に収容率が高く、起訴された被告人が拘置所へ移送されようという段階で、管区内の拘置所が満員で受け入れができないというケースは珍しくないようです。

そのため、勾留が決定された被疑者は勾留期間を留置場で過ごすことになり、起訴されて被告人となった場合も翌日にはすぐ拘置所に移送されることはなく、通常で1~2週間程度、長くなると1カ月以上にわたり留置場に留め置かれたままということもあるのです。

捜査機関の都合で留置場に入れられたままのケースも

留置場に留められる被告人のうち、拘置所が満員という理由の次に多いのは、被告人が保釈申請をした場合、ほぼ確実に保釈許可が下りるケースだと言われています。

保釈制度について、保釈金を支払えば罪を許してもらえるとか、あるいは留置場から出られるのではないかと考えている人が意外に多いのですが、実際の保釈というのは、拘置所に身柄を拘束されたまま裁判を受けるのではなく、いったん自宅に戻って裁判を受けられるという制度です。

裁判で実刑の有罪判決が下されれば法廷で身柄拘束され、そのまま家には帰れなくなってしまい、また保釈金も正式には保釈保証金と呼ばれるもので、裁判が無事終われば、有罪であっても無罪であっても還付される保証金です。保釈は申請したからといって必ず許可されるわけではありませんが、初犯で罪を認めていて、予想される判決が軽い罰金刑程度の事件であれば、ほぼ確実に保釈は認められます。

弁護士に依頼して保釈申請をすれば、被告人は拘置所に行くことなく留置場で身柄が解放されることになります。この場合、保釈金の納付が遅れる、あるいは手続き上のトラブルでなかなか保釈許可が下りない場合も、時間切れで拘置所に送られるということは滅多にありません。

警察の管理する留置場と、法務省が所轄する拘置所では被告人の受け渡し手続きが面倒なのか、保釈が予想される被告人の場合、多少期間は長くなってもそのまま留置場に収容されたまま、というわけです。

いつまで留置場にいるのか?

以上に紹介した例は、刑事施設側の都合によって起訴後も留置場に留まっているケースです。しかし他にも被告人本人の状況により、いつまでも留置場から拘置所へ移送されない場合があります。

それは余罪があって取調べが終わらないというケースです。連続窃盗事件、あるいは連続詐欺事件など、被害者が複数存在する場合、事件は被害者の数だけありますし、窃盗の場合にはスリを生業にしている被疑者だと余罪が何百件といったこともあり得ます。

実際の刑事手続きにおいては、ある程度事件を併合して連続窃盗犯として起訴することになりますが、それでも余罪に関する取調べは簡単には終わりません。起訴された後に再逮捕、そして追起訴、また再逮捕と、延々と余罪の追求が続き、1年以上留置場に収容され続けるという被告人もいるのです。

弁護士に相談し、最善策のアドバイスをもらおう

以上のような特異なケースを除き、単一の事件で留置場に長期にわたり収容されているケースについては、弁護士に依頼し、少しでも早く拘置所に送ってもらうようにするか、もしくは身柄の拘束が解かれ一般社会に戻れるようにアドバイスをもらうことをお勧めします。

先に述べた通り留置場は警察の管轄であり、留置場にいる限り警察による取調べが続きます。近年では被疑者または被告人の人権に配慮し、取調べの可視化が進められるなど待遇も変わってきましたが、それでも拘置所の生活と比べると厳しいものであることは間違いありません。

いくら罪を犯したからといっても、ただ置かれた状況を甘んじて受けるのではなく、なぜ留置場に留められたままなのか、捜査機関にプレッシャーをかけるためにも、弁護士に相談して最善の策を取ることが望まれます。

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