手錠を掛けられることだけが逮捕ではない!逮捕とはどういう状態?

手錠

逮捕は手錠をかけられることだけではありません。逮捕状を持って警察が突然訪れ、黙秘権や接見交通権の説明を受け時刻を告げられた瞬間が逮捕なのです。その時に手錠を掛けられようが掛けられまいが、捜査当局によって自由を奪われた瞬間が逮捕となります。

手錠を掛けるだけが逮捕ではない!?

テレビドラマや映画でよく見かける一般的な逮捕のイメージは、警察官などの捜査員によって被疑者の腕に手錠が掛けられ「午前8時15分、逮捕!」と告げられ、警察に連行されるという感じではないでしょうか。

しかし、逮捕とは決して手錠を掛けられるということだけではなく、場合によれば手錠を掛けられずに警察に連行される場合もあります。

そのような場合には、逮捕されたという実感が持てず、「何か時間を言っていたけれども何のことだろう?」と訳の分からないまま警察に連行され、気づいた時には逮捕されていた、ということもあるかもしれません。

逮捕とは、被疑者の身柄を拘束するという、対人的な強制処分の一種で、被疑者の自由を奪って拘束し、一定時間にわたってその拘束が続けられるということを意味し、逮捕の目的は、身柄を確保しておくことと、証拠隠滅の防止となります。

逃亡する恐れがなく、証拠を隠してしまう可能性がない場合は、必ずしも逮捕をする必要はなく、在宅捜査などで十分に刑事手続きは進められるはずなのですが、警察や検察が裁判所から逮捕状を取り、被疑者の居所に向かうとなると、ほとんどの場合は手錠を掛けられて逮捕、ということになるのが現状です。

一方で、刑事事件の現場では逮捕の瞬間に必ずしも被疑者に手錠が掛けられるわけではありません。

どのような状態を、逮捕と呼ぶのでしょうか?

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逮捕には種類がある!

逮捕とは、自由を奪うこと

手錠を掛けられることが、逮捕というわけではありません。

逮捕においては被疑者の身柄が拘束されることになりますが、身柄の拘束手段に関しては特に規定はないのです。

手錠が掛けられるのは、警察が拘束器具として手錠を装備しているという理由だけで、手錠ではなくてロープなどを使っても逮捕となるのです。さらに言えば、警察などの複数の捜査員たちが被疑者を取り囲み、絶対に逃走不可能な状態となれば、もはや被疑者の自由は奪われたことになりますので、これも逮捕された状態である言えます。

手錠が掛けられない逮捕でよくあるパターンは、捜査員が逮捕状を取っているのにもかかわらず、とりあえず任意同行で重要参考人として警察署まで連行し、取調室でおもむろに逮捕状を突きつけるというケースです。その時にはすでに警察署の中で拘束されている状態ですので、改めて手錠を掛けるようなことはなく、その場を逮捕現場として捜査資料にするためにデジカメで撮影をしているようです。

また、一般人でも「私人による現行犯逮捕」という逮捕が可能となっているため、当然ながら手錠を携行していない状態ですが、現行犯逮捕をすることもできます。

現行犯で犯人を取り押さえたり、逃げられないように拘束したりすることで、立派な逮捕となり、必ずしも逮捕には手錠が必要だということではありません。

逮捕の時に時間を告げるのも、きちんとした意味がある

これもテレビドラマや映画などでおなじみですが、逮捕の際に捜査員が逮捕の時刻を被疑者に伝える場面があります。

逮捕の時間を記録するという意味もありますが、逮捕時間の告知は、警察や検察による逮捕期間のタイムリミットのカウントダウンがスタートしたことを被疑者に伝える義務があるために行っていることです。

ところが逮捕される側にとってみれば、逮捕に期限があることを知っている人はごく少数でしょう。

訳の分からないうちに逮捕されてしまい、いつ終えるかもしれない拘束の期間が始まってしまうのではないかという恐れを感じることもあるでしょう。しかし、逮捕という行為は人の自由を奪うという重大な行為ですから、警察の拘束期限は48時間、そして検察に送検されてからは24時間、合計72時間という逮捕の期限が厳密に定められています。

また被疑者には黙秘権や接見交通権といった権利もあります。たとえ逮捕されてしまっても「自己に不利益な供述を強要されない黙秘権」こと、「弁護人と立会人なく接見できる接見交通権」があるということは知っておきましょう。

これはいつでも行使できる権利であり、実際に罪を犯していた場合でも、身に覚えのない罪を問われた時でも、弁護士は被疑者となってしまった人の力になってくれます。

逮捕後に手錠を掛けられるのは逃亡を防ぐため

犯罪者といえば手錠というイメージがありますが、実際に手錠を掛けられているのは、まだ罪を犯したと確定していない被疑者の段階が多いのです。そして被疑者も四六時中手錠を掛けられているわけではなく、逃亡の恐れがある場所にいる時だけ、実際に手錠を掛けられるのです。

具体的には留置場から外に出る時だけとなり、留置場内では手錠は掛けられず、一般的なイメージほど、被疑者は手錠を長時間掛けられているわけではありません。

あくまでも、逮捕の目的である「逃亡を防ぐため」という場面においてのみ手錠が掛けられるのです。

逮捕直後を除き、手錠を掛けられるのはいつ?

警察や検察の捜査員により逮捕され、警察まで連行される時にはたいていの被疑者が手錠を掛けられます。しかし一旦警察の施設に入れられてからは、留置場から出るようなことがない限り、手錠は外されます。

被疑者が留置場から出る状況になる状況とは、警察署内の取調室で捜査官による取調べを受ける時、事故現場において「引き当たり」と呼ばれる現場検証の立会いの時、検事調べや勾留質問のため検察庁や裁判所へ連行される時、などとなります。

つまり、留置場から外に出た場合は逃亡の危険があるということで、被疑者の手には手錠が掛けられ、腰には腰縄が打たれるのです。警察で取調べを受ける場合、同じ警察署内を移動するだけなのですが、逃亡する可能性がゼロではないという理由で、手錠が掛けられ、腰縄を打たれた姿で署内を移動することになります。

世間から隔離されたような気分になる手錠姿

警察署で働く警察官たちにとっては、手錠を掛けられ腰縄を打たれた姿の被疑者などは見慣れた格好なのでしょうが、逮捕された直後の被疑者は見知らぬ警察官たちにジロジロ見られているような屈辱感を味合わされてしまいます。

自分が罪を犯したという自覚があるのならばまだしも、身に覚えのない罪で逮捕された際には、もう誰も自分の味方になってくれる人はいないのではないかという気分になってしまいます。

さらに事件現場の「引き当たり」に同行させられる時は、被疑者の地元や居住地域で発生した事件ならば、自分の知り合いに手錠姿を見られてしまうのではないかと感じてしまいます。

そして検事調べや勾留質問などで検察庁や裁判所に出向かされる時は、世間を騒がせるようなよほどの重大事件の被疑者でない限り、大型の護送バスで同じ日に呼び出しを受けている被疑者や被告人と一緒に移動することになります。

自分ひとりだけが手錠を掛けられ腰縄を打たれた姿で連れて行かれるのではないので、それほど惨めさを感じる状態ではないと言いますが、検察庁や裁判所へ向かう道すがらスモークを張ったガラスから見える街の風景に、日常とは隔絶された自分の状況を思い知ることになってしまいます。

しかしどのような状況でも、自分ひとり孤独の中で戦わなければいけないわけではありません。被疑者には弁護士と連絡を取れる権利があり、助けになってくれる人がいることを忘れないでいましょう。

手錠姿は報道されたり、人目に晒されたりしない

近年では、被疑者が外に出るときにマスコミがその姿を撮影し報道することが想定されるような場合、手錠を隠す配慮が行われています。

マスコミが来る、来ないにかかわらず、遠距離移送が行われる際には、タオルやシャツなどを手首の辺りにかけられたり、手錠隠し専用のカバーを装着させられたりすることもあります。

手錠のカバーはカメラやノートパソコンのソフトケースのような素材で、手錠を隠すように撒きつけマジックテープで固定する仕組みになっていますが、あからさまに手錠だけを覆っているので、かえって目立ってしまうため、結局は上からタオルなどがかけられているようです。

こうした手錠を隠す方法は、警視庁および全国の道府県警ごとに対応が違っているようで、手錠だけではなくフードの角度で顔も隠せる被疑者護送用ジャンパーと呼ばれるオリジナル品を開発した千葉県警の例もあります。

被疑者の人権への配慮と、捜査機関の保身のため

ちなみに昭和の時代には、連行される被疑者の顔も手錠を掛けられた姿もテレビや新聞で大っぴらに報道されていました。しかし人権への配慮が強まった平成に入ってからは、警察が手錠を隠すような工夫をする一方で、マスコミもなるべく被疑者の手錠を映さないようになり、場合によっては映像にモザイクをかけたりしています。

ただいくらモザイクをかけても、手首に掛けられているのは手錠だと分かってしまうのであまり意味はありません。

人権への配慮が大きいと思われていますが、それよりも大きな理由として、警察などの捜査機関が訴訟の危険性を避けているのだという見方があります。

昭和後期のいわゆるロス疑惑で、まだ有罪が確定していないのに被疑者を晒し者にしたとして訴訟を起こされたことがきっかけとなったとされています。そして被疑者が無罪だった場合、手錠姿を報道したという理由で訴訟を起こされ、マスコミに対して損害賠償請求を行われるという事態を避けたいという単なる保身のためだとも言われています。

手錠の掛け心地は?

手錠のイメージは、「鈍く銀色に光り、冷たく重い」というのが一般的だと思われます。

かつてはこのイメージ通りのニッケルメッキが施された鋼鉄製の重い手錠でしたが、現在の日本の手錠は黒または銅色のアルミ合金製のもので、比較的軽いものになっています。実際に手錠を掛けられてしまったら、心情的にも重いという感覚を持ってしまうかもしれませんが、実際にはそれほど重くはないものです。

ちなみに日本で市販されている手錠はレプリカのみで、実際に使用されている手錠はきっちりと管理番号が刻印され、一般に流出させることは禁止されています。

逮捕の瞬間は、手錠ではなく自由が奪われる時

逮捕の瞬間というものは、手錠を掛けられた時ではなく、自由が奪われた時です。特に検察官により逮捕される時は、逃亡の恐れがないとされた場合には手錠が掛けられないことが多いようです。

それでも時間を告げられ、黙秘権や接見交通権の説明を受けた時には逮捕されたのだと理解し、その後の処遇を想像して、取ることが可能な対策を考えるべきでしょう。

最初に考えるべきことは、弁護士に連絡を取ることです。被疑者として逮捕されても、弁護士を雇うことは当然持っている権利であり、人権を守るための手立てであることを知っておきましょう。

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