取調べでの心得(2)調書にサインする時は慎重に

供述調書の作成

供述調書には種類がある?

最初に作られる“ベンロク”とは?

警察や検察が被疑者を取調べた結果、その内容を記録した書類は一般的に
“供述調書”
呼ばれています。

また被疑者だけではなく、事件の被害者や証人が事情聴取された場合、その記録が書類になり、その記録も供述調書と呼ばれ、それらをひっくるめて単に「調書」と呼んでいます。
そんな被疑者が取られる調書には、名前の付いているモノがあり、それは逮捕されて最初に取られる

  • 弁解録取書
  • 身上経歴調書

という二つです。

弁解録取書

通称“ベンロク”と呼ばれるモノで、逮捕容疑に関して被疑者の意見をハッキリさせる調書になります。
事件の発生日時と、簡単な状況を明記した後、被疑者が罪を認めている場合は、
「…以上のようなことをしてしまいました。申し訳ありません」
といった文面となります。

逆に事件の容疑を否認している場合は、
「そのような事はしていません」
という形でベンロクは締めくくられます。

身上経歴書

被疑者の出生地や学歴・職歴を簡単に綴った履歴書のような調書です。これは刑事手続きに関わる警察の捜査官をはじめ、検察の担当検事、あるいは裁判になった場合は裁判官といった人々が“被疑者とはどんな人物か?”を知るための調書になります。

実際の取調べ現場では、捜査官はわざわざ
「これから“弁解録取書”を作ります」
などとは言いません。
したがって被疑者にとっては、最初に取られる調書が何と呼ばれているか、知らずに終わることも少なくありません。また知っていたとしても、特別刑事手続きに役立つわけでもありませんので、無理に覚えなくてもいいでしょう。

調書は警察・検察が“作る”

供述調書には二通りの書式があり、それは

  • 被疑者が一人称で語った内容を、警察の捜査官(又は検察の検事)が書き留めた文体
  • 警察の捜査官(又は検察の検事)と被疑者の一問一答形式の文体

というモノです。

通常は被疑者が一人称で語る文体で作成されることが多いのですが、取調べ中にリアルタイムで被疑者の語ったことがそのまま供述調書になるわけではありません。
取調べは、捜査官や検事が被疑者に証拠を提示したりしながら、事件の内容を問いただしていきます。
そして、適当なところで取調べの内容を被疑者が自ら語った形で“作文”します。

一方、捜査官(検事)と被疑者の一問一答形式で作られる調書は稀です。
これは証拠書類として使うというよりも、取調べ方法の一種で、捜査官の問いに対して被疑者が答える内容を文章化し、その矛盾点を暴き出し、被疑者に自白を促す目的で使われると思った方がいいでしょう。

調書への署名は“同意の証”

内容に不満があれば、署名・拇印を拒否すべき

昔は供述調書は全て手書きでしたが、近年は司法現場もOA化が浸透しています。ですから調書もPCで作られるわけですが、電子データは後でいくらでも改竄が可能です。そうした不正を防止するため、作成された供述調書は被疑者の目の前でプリントアウトされます。

印刷された供述調書は、捜査官(または検事)が、自ら読み上げて被疑者に内容を聞かせます(これを「読み聞かせ」という)。そして普通は調書を被疑者に手渡し、被疑者自身に内容をチェックさせます。
チェックの後、捜査官は被疑者に調書の最後に署名して拇印押すよう要求します。
また、後でページを抜き取って内容を改竄できない様に、各ページにも被疑者は拇印を押すシステムになっています。

ただ、ここで気をつけておくべき重要なポイントが、
“内容に間違いや不満がある場合は、署名・拇印を拒否できる”
という点です。

取調べの冒頭、捜査官や検事は、
「あなた(被疑者)には「黙秘権」があります。言いたくないことは無理に言わなくても構いません」
という“黙秘権の告知”は必ず行います。
これは取調べの際に、黙秘権の告知が刑訴法(198条2項)で義務付けられているからです。

ところが“調書への署名・拇印は義務ではない”ということに関しては告知義務はありません。
そのため、警察官や検察官からは、出来上がった調書への著名・拇印をあたかも義務のように求められる場合があります。
出来上がった調書に間違いや不満がなければ、署名・拇印をしても構いません。
しかし、上記のように調書というのは捜査官が、被疑者の罪を疑う立場から作成するものです。被疑者が言っていないことや、事実以上の悪意を持って犯行を行ったかのような表現、言うなれば“盛った話”を、調書に書き込まれてしまうおそれがあります。

読み聞かせを受けた上、被疑者自身が直接調書を読めば、そうした“事実と違うこと”は気づくでしょう。しかし被疑者が書換えを要求しても、完全な嘘でもない限りは、なにかしらの理由をつけて、そのまま署名・拇印を求めてくる可能性があるのです。

ここで言われるがままに署名・拇印をしてしまうと、
“調書に書かれたことは、全て事実”
だと被疑者自身が認めたことになってしまいます。

どんなに細かい事でも、事実と異なることがあれば、調書の書き直しを要求することが重要です。書き直しが認められない場合は、署名・拇印を拒否しましょう。

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