未成年でも盗撮で逮捕される?逮捕される・逮捕されないの基準は?

少年犯罪のイメージ

未成年が盗撮で逮捕されるか、逮捕されないかの基準は?

盗撮事件に関わらず、未成年者が犯罪をおこした場合、成人が逮捕されるケースと同列に語ることはできません。刑事手続上、両者は明確に区別されています。ただし、未成年であるが故に、どんな犯罪をしても許されるということでもありません。

盗撮で逮捕された未成年の年齢によって、逮捕されるかどうかもかわってきます。そこで、今回は、未成年者が盗撮事件をおこした場合、どのような流れで事件が処理されるのかを、年齢で分類して説明していきます。

14歳未満の未成年が盗撮事件をおこした場合

スマートフォンが、社会に浸透したことから、小学生でも防犯目的などで普段からスマホを持ち歩くようなことも多くなっています。スマートフォンを小学生に持たせることの良し悪しはさておき、14歳未満の未成年者でも、盗撮事件をおこす可能性は充分に考えられる状況ではあります。

ただ、刑法では「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と定められており、14歳未満の未成年者は刑事上の責任を問われることはありません。いわゆる「触法少年」と呼ばれるもので、逮捕されることもありません。

そのため、14歳未満の未成年が盗撮事件をおこした現場で身柄を確保されたとしても、基本的には保護者や学校に連絡がいき、注意がされて事件は終了します。場合によっては、児童相談所に相談が行くこともありますが、盗撮事件のような軽微な犯罪であれば、通常身内で処理されます。

14歳以上の未成年が盗撮事件をおこした場合

未成年者がおこす盗撮事件のうち、14歳未満の比率は少なく、高校生・大学生の占める比率の方がやはり高くなります。

14歳以上の未成年者については、残念ながら14歳未満の触法少年のように年齢だけを理由に刑事責任が問われないということはあり得ません。たとえ盗撮事件が軽微な犯罪であると言っても、捜査機関の取調べ以下の手続に身を委ねざるを得ません。

ここでは、14歳以上の未成年者が盗撮事件で逮捕された場合の流れを説明します。

逮捕・勾留

未成年者が盗撮事件で逮捕されても、成年者と同じように、逮捕、勾留によって身体拘束をされた上で取調べを受けることになります。そのため、未成年であっても成人が逮捕された場合と同様に、最大で23日間、身柄拘束の上、取調べを受けなければいけません。

勾留に代わる観護措置

未成年者を勾留するための要件についてですが、未成年者が盗撮事件をおこした場合は、成年者が事件をおこした場合よりも厳しくなっており、勾留が認められにくくなっています。

そのため盗撮事件などでは、勾留にかわって、観護措置という身柄拘束処分が下される場合があります。勾留と異なる点としては、身柄拘束の期間が10日間に限定されていて、延長されることがないという点です。

期間が短縮されるから観護措置の方がよいとも思えるかもしれませんが、勾留に代わる観護措置が下された場合には、次に説明する家庭裁判所への送致が決定した段階で、当然に本来の観護措置が下されたとみなされてしまいますので、その後最大8週間の身柄収用を覚悟しなければなりません。

家庭裁判所への送致

捜査機関での取り調べが終了すると、身柄は家庭裁判所に移されます。ここでのポイントは、必ず家庭裁判所へと身柄が送致されるという点です。

成年者が盗撮事件をおこした場合には、被害者との示談交渉がまとまっているなどの事情が考慮されて、不起訴処分がされるということが想定されます。そして、不起訴処分を獲得できた成年者は、その段階で身柄が解放され、前科もつくことなく、社会生活へ復帰できます。

しかし、未成年者が事件をおこした場合、このような流れは想定されていません。未成年者が盗撮事件をおこしてしまった場合、初犯で、しっかりと反省をし、被害者との示談がまとまっていたとしても、嫌疑なし、嫌疑不十分を除いて、全てが家庭裁判所の段階へ進むことになってしまいます。

家庭裁判所では何が行われるのか?

未成年者が逮捕され、家庭裁判所の段階へ進んだ場合、家庭裁判所ですることは、審判を行う必要があるのかの判断です。この判断をするために、家庭裁判所の調査官による調査が行われます。これは、家庭裁判所の調査官が、未成年者や保護者などと繰り返し面会するなどして、なぜ盗撮事件をおこしてしまったのかを調査します。

ここでのポイントは、今回の盗撮事件について法的な観点からだけ検討を加えるのではない、という点です。未成年者がどんな家庭で育ってきたのか、どのような境遇に置かれているのか、どの程度の教育を受けてきているのか、非行に走った経験があるのか、それは環境的な原因によるものなのか、あるいは未成年者自身が何らかの心身の問題をもっているからなのかというように、心理的、教育的など、あらゆる角度からの調査がされます。

さまざまな角度から未成年者の資質や環境などを検討して、更生の余地があるかどうかなどを判断した上で、家庭裁判所は一定の判断を下すことになります。

観護措置の判断

なお、調査や審判をするにあたって、観護措置が下されるケースがあります。上でも述べたように、勾留に代わる観護措置が採られた上で家庭裁判所へ送致された場合だけでなく、審判・調査のために身柄を収容する必要があると判断される場合には、少年鑑別所に身柄が移されることになります。原則2週間ですが、最大で8週間まで、延長される可能性があります。

つまり、観護措置を下されなければ、家庭裁判所に送致された段階で、盗撮を行った未成年者は身柄が解放されるということです。

家庭裁判所で下される判断

まず大きな分かれ目が、審判が開始されるのかどうかという点です。もしもここで、審判を開始する必要性がないと判断されたら、審判不開始として、事件は終了します。

審判の必要があると判断された場合には、少年審判が行われます。その結果、不処分・保護観察処分・少年院等への送致・検察官への送致などの処分が下されます。検察官へ送致されて有罪判決を下される以外、前科はつきません。

盗撮事件は比較的軽微な犯罪ですので、少年院へ送致されたり、検察官に送致されたりすることは、通常の場合では考えにくいです。ただし、注意が必要なのが、調査期間、審判期間の間に盗撮をおこした少年が20歳を迎えてしまったケースです。この場合、検察官に再び身柄が送られ、通常の刑事手続が行われることになります。盗撮事件の態様にかなりの悪質性が認められる場合や、被害者との示談がまとまっていないような場合だと、有罪判決を受ける可能性ないとは言えません。

未成年者が盗撮事件で逮捕された場合にどうすべきか

少し入り組んだ構造にはなってしまいましたが、未成年者が盗撮で逮捕された場合の刑事手続は以上のような流れになっています。まず大切なことは、盗撮事件をおこした未成年者の年齢でした。14歳未満かどうかが、まず大きな分岐点です。

14歳未満であれば盗撮で逮捕されることはありません。14歳以上の未成年が盗撮で逮捕された場合には、行うことができる対策は大きく分けて2つあります。

1点目が、未成年者が更生する可能性があるということを家庭裁判所に対して示すということです。観護措置が下されるかどうか、少年審判が開始されるかどうか、最終的な処分がどのような内容になるか、最も大切なことは「未成年者に更生の余地があるのか」という点です。

更生の余地があるのかどうかは、未成年者がしっかりと反省していることももちろんですが、家族・学校などの環境が、未成年者の更生にとって適したものであるのかということも考慮されます。家庭裁判所での調査や審判の際には、未成年者本人だけではなく、保護者なども面談などを行うことになります。その際に、逮捕された未成年者が構成するために、確実な体制を整える意思があるという姿勢を見せて行かなければいけません。

2点目が、被害者との示談交渉です。盗撮事件をおこしたのが未成年者ですので、先程も述べたように、捜査機関の取調べ段階で身柄が解放される可能性はほとんどありません。ただし、被害者との示談がまとまるためには、被害者に謝罪を受け入れてもらっていなければなりません。

つまり、示談がまとまっているということは、未成年者自身がしっかりと反省をしているということ、そして、保護者が未成年者を更生させるために動き出しているという姿勢を示す材料になります。したがって、示談を成立させることは成年が事件をおこした場合ほど、直接的に有利な効果は得られないかもしれませんが、被害者との示談交渉を進めることは、未成年者が盗撮で逮捕された場合でも示談を成立させることは有効です。

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未成年者が盗撮で逮捕されたらすぐ弁護士へ相談!

未成年者が盗撮事件をおこしてしまった場合でも、被害者との示談交渉を進めることができるのは弁護士だけです。また、事件をおこした未成年者が調査などで面会を繰り返す際、どのような形で面談をすればよいのかは、少年事件の経験が豊富な弁護士に相談して助言を得るのが一番でしょう。

また、家庭裁判所での調査や審判の前に、更生を進めるための環境としてどのようなものを整えるべきかについてなど、保護者が何をすべきかについての適切なアドバイスを受けることもできます。

未熟であるために盗撮事件をおこしてしまった未成年者ですから、保護者などの周囲の人たちからのより手厚いサポートが必要です。未成年者が盗撮で逮捕された場合には、少年事件・盗撮事件に強い弁護士に相談して、法律的にどのような対応をすべきか、さらには更生の可能性を示すためにどのような対策が必要かを確認することをおすすめします。

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