盗撮事件の不起訴率~盗撮の罪が不起訴になる可能性は?

Questionマークの男

「盗撮で逮捕=有罪」ではない

盗撮事件を起こして逮捕されてしまった場合には、「仕事はクビになるに違いない」「前科がつくから今後の人生おしまいだ」などのように、もう全てが終わってしまったかのような絶望感に打ちひしがれることもあるでしょう。

もちろん、盗撮行為の内容など、犯罪の性質によっては、起訴、有罪判決、実刑というような流れを避けることができない場合もあります。しかし、盗撮事件で逮捕された場合、必ずしもそのような形ばかりだというわけではありません。

まず、重要になる点としては、盗撮事件で逮捕されたからといって必ずしも、有罪になって前科がつくという訳ではない、ということです。盗撮事件で逮捕された方の多くは、今までは普通に生活しており、逮捕される場面なんて出くわしたことはないでしょう。その中で、いきなり盗撮で逮捕されてしまうと、もう今までの社会生活への復帰の道が完全に閉ざされたと感じてしまうかもしれません。

しかし、盗撮の容疑で警察に逮捕された段階では、法的にまだ何も確定されていません。「罪を犯した可能性が高い」ということが意味されるだけで、被疑者という名の通り、「罪を犯した疑いがある」段階に過ぎません。

逮捕された後に、検察官に身柄が移され、検察官や裁判官に起訴する必要があると判断され場合だけ刑事裁判が開かれ、裁判所で行われる刑事裁判で裁判長の判断を仰ぎ、有罪判決が下されるという流れです。この最終段階に至ってはじめて、罪を犯したことが法的に確定されるわけですから、逮捕されただけで全てを諦めるにはまだまだ早すぎます。

この後で詳しく説明しますが、盗撮事件に強い弁護士に相談することで、不起訴を勝ち取る可能性が高まります。

盗撮など軽微な事件は不起訴処分を狙える

道徳的にはもちろん全ての犯罪行為はしてはいけないことですが、刑事法上では、犯罪によって刑罰に軽重があります。たとえば、殺人事件は刑罰も重く重罪ですし、それに比べると窃盗罪は刑罰が軽く、比較的軽微な事件と言えます。そして、盗撮事件も窃盗罪と同じように、比較的軽微な犯罪であるとされています。このように、刑事法上軽微とされる盗撮事件では、不起訴処分の獲得を十分狙うことができます。

不起訴処分とは?

逮捕された後、身柄は検察官に送致されます。検察官は、「この事件を刑事裁判にかける必要があるのか」を判断します。刑事裁判にかける必要があると判断した場合は「起訴」をして、刑事裁判を開廷するように裁判所に請求します。これに対して、裁判所で刑事裁判にかける必要がないと判断する場合には、「不起訴処分」を下すことになります。

どのような場合に不起訴処分となるのか、それはさまざまです。そもそも犯罪事実がなかったと判断される場合もあれば、犯罪事実はある可能性はあるが、裁判にかけるほどのものではないような場合なども含まれます。

不起訴処分は前科がつかない

大切なのが、盗撮事件で逮捕された場合であっても、不起訴処分が適当であると判断されたときには、前科がつかないということです。

たしかに、不起訴処分が下されるまでの期間には、一定期間の身柄拘束をされることになります。具体的には、逮捕から不起訴処分まで、最大で23日間は、取調べのために身柄を拘束されてしまいます。確かにこれはデメリットで、もしも23日間の拘束をされれば、職を失ってしまったり、退学や留年になってしまったりする可能性もあるでしょう。

しかし、不起訴処分さえ獲得できれば、前科が一切つくことなく事件は終了します。会社への説明も比較的しやすくなり懲戒解雇などはされない可能性も高まるでしょうし、転職する場合であっても履歴書に記載する必要もありませんし、聞かれた場合でも前科はないと答えることができます。これは、今後の社会生活を営む上で非常に有利な材料となるはずです。

また、勾留されていない場合であっても、前科がつくかどうかは、今後の社会生活に大きな影響を与える要素になりますので、不起訴処分を勝ち取ることは大きな意味を持ちます。

盗撮事件のような軽微な事件の場合、この不起訴処分の可能性が高くなります。つまり、「確かに盗撮事件をおこしたが、事情を考慮すると刑事裁判にかける必要がない」と判断されるパターンです。検察官にこの判断をさせることができれば、前科がつくことなく、社会生活に復帰することができます。

盗撮事件で不起訴処分を獲得するために必要な要素

盗撮事件=不起訴処分、ということでもありません。「刑事裁判にかけるまでの必要はない」と判断されるためには、一定の要素を備える必要があります。

・初犯であること
盗撮事件をおこしたのが初犯であれば不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。複数回盗撮事件をおこしている場合と比べて、許されやすくなりそうなイメージは簡単につかめると思います。

・罪を認め、反省をしていること
客観的な証拠がしっかりそろっているのに自ら罪を認めない姿勢を貫いていると、残念ながら不起訴処分からは遠ざかってしまいます。どれだけ軽微な犯罪であるとは言っても、簡単に身柄を解放して、再び犯罪に走られると捜査機関も面目を保つことができません。不起訴処分を獲得したいのであれば、自らの罪を認め、真摯に反省する姿勢を見せることが重要でしょう。

・被害者との示談が成立していること
盗撮事件という性質上、必ず被害者が存在します。この被害者との間で示談が成立していることが不起訴処分獲得のポイントとなります。示談が成立しているということは、被害者が事件を終了させる意思をもっているということを意味します。盗撮事件が軽微な犯罪であることから、被害者の意思内容は捜査機関の判断に大きく影響を与えることになります。

もちろん、ここまでのポイントを備えたからと言って、必ず不起訴処分を獲得できるというわけでもありません。ただし、不起訴処分に近付くためには、少なくともこれらの要素が備わっている必要があるということです。

また、盗撮容疑で逮捕された場合であっても、実際には盗撮行為などはしておらず、冤罪で逮捕されてしまった場合もあると思います。そのような場合には、盗撮行為をしていないことの証拠を弁護士に集めてもらい、証拠が不十分であること、無罪の可能性が高いことなどを主張して、不起訴獲得を目指していくことになります。

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盗撮事件で不起訴処分になる確率・可能性

盗撮事件で逮捕されたケースにどれだけの割合が不起訴処分になるのか、明確な数字は公表されていません。ただ、簡単な目安を見出すことは可能です。毎年おおよそ、刑事事件全体のうち約50~60%の事件で不起訴処分が下されます。立件された事件のうち半数以上が不起訴処分となっているということです。

この数値を盗撮事件にそのままあてはめるのは適切ではありません。なぜなら、刑事事件全体の数値ですから、殺人や強盗など、不起訴処分となることが想定しにくい種類の犯罪も含まれているからです。

ということは、比較的軽微である盗撮事件については、不起訴処分獲得の可能性はもっと高くなるはずですね。おおよそのイメージですが、盗撮事件の約70~80%は不起訴処分で処理されるというイメージで考えればいいと思います。

つまり、盗撮事件の場合、事件の詳細次第ではありますが、基本的には不起訴処分を狙うことが可能な事案だということが言えます。最初にも説明しましたが、盗撮で逮捕されたからと言って簡単に諦めてしまうことはとてももったいないことです。

盗撮事件で不起訴処分を獲得するためにはまず弁護士へ相談!

盗撮事件で逮捕された場合であっても、前科がつかないで事件を終了させる可能性は十分あります。被害者の示談などは弁護士に任せる他ありませんし、対応を早くすることで不起訴を勝ち取ることのできる可能性は高まります。そのため、あきらめてしまったり、あれこれ悩んだりするまえに、弁護士に相談をして、自分の処遇をできるだけ有利にしようと考えるべきです。

ただ、これにはどうしても弁護士へ相談して、対応を依頼することがどうしても必要となります。先程述べたように、被害者との示談交渉はそもそも弁護士しかできないということもありますが、どのように反省の態度を示すべきなのか、どのような証言をしてはいけないのかなど、不起訴処分をするかの判断にはいくつもの要素がかかわってきますので、全体を通して、弁護士のアドバイスを受けてより良い対応をすることが重要になるためです。

盗撮事件で逮捕された場合に、できるだけ不起訴処分の可能性を高めるためには、弁護士という、盗撮事件への対処の専門家の助言を頼るのが一番確実なはずです。弁護士にも得意分野がありますので、盗撮で逮捕された場合には、盗撮事件に強い弁護士にすぐに相談することをおすすめします。

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