銃の作成は違法!違反となる法律と罰則を解説

銃の作成は違法

銃の違法作成は、意外に身近な犯罪です。3Dプリンター用のデータも出回っているため、素人でも作ろうと思えば簡単に作れてしまいます。

しかし、銃の自作は犯罪ですし、そもそも作成行為自体が非常に危険です。ここでは自作銃の危険性について紹介します。

銃の作成で違反となる法律

銃の作成はたとえ趣味目的であっても違法です。

コスプレや舞台の小道具として外観だけ真似たハリボテのオモチャを作るのはさすがに許されますが、本物の銃のように銃弾を発射できるものについては、作成・所持するだけで検挙される可能性があります。

ここでは、自作銃や違法改造された銃の作成・所持行為との関係で問題になる法律について紹介します。

銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)

銃刀法は銃砲やクロスボウ、刀剣類を許可なく違法所持した場合に問題となる法律です。

銃砲とは、

  • 拳銃
  • 小銃
  • 機関銃
  • 大砲などの砲
  • 猟銃
  • 金属製弾丸を発射できる空気銃

をいいます。

これらの銃砲は所持するだけで銃刀法違反となり、処罰の対象になります。

武器等製造法

銃の自作・違法改造については、武器等製造法も問題になります。

武器等製造法では、

  • 鉄砲
  • 大砲
  • 猟銃
  • 空気銃
  • 爆発物
  • 鉄砲の玉

といった武器類を無許可で製造することを禁止しています。

法律に違反して武器類を無許可で作った人には、懲役や罰金といった罰則が科されます。

つまり、銃を趣味で作るのも、それが無許可製造であれば違法だということです。

その他違反となる可能性のある法律

銃の違法製造については、上記で紹介した銃刀法違反や武器等製造法以外に以下のような法律が問題になることもあります。

火薬類に関係した法令(火薬類取締法など)

発泡に必要な火薬を無許可で製造した場合も罰則があります。

狩猟に関係した法令(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律など)

法律に違反し、また無許可で空気銃や猟銃などを使って狩猟をした場合に問題になります。

銃の作成に関わる有名事件

自作銃の作成をめぐる事件はしばしば起きていますが、近年は一般人が逮捕されるケースも増えているのが特徴といえます。
暴力団のような銃犯罪と関わる犯罪組織に所属していなくても、インターネットに代表される技術の発展により、銃を作るための知識も材料も簡単に手に入れられる時代になったからです。

3Dプリンター銃製造事件

2014年、当時大学職員だった男が3Dプリンターでプラスチック製の拳銃を作っていたとして逮捕された事件です。3Dプリンターによる銃の製造が日本が初めて問題になった事件ということもあり、当事の社会に大きな衝撃を与えました。

その後も、3Dプリンターで銃を制作し、逮捕や書類送検される事件が何回か起きており、2021年には自作の拳銃を使って男性が自殺を遂げる事件が起きています。

安倍晋三銃撃事件

2022年7月、銃規制が厳しく、銃犯罪が少ないといわれる日本社会で衝撃的な事件が起きました。

元首相である安倍晋三氏が、参議院選挙に向けた選挙活動中に銃撃された事件です。

この事件で容疑者が使用したのは、自作の銃と銃弾でした。

容疑者として現行犯逮捕された男は、動画サイトにアップされた銃の作り方動画を参考にして銃を自作したと供述しており、容疑者の自宅からは、他にも自作の銃と思われるものが見つかっています。

銃の作成に対する罰則

銃を無許可で作る行為は法律で禁止されており、処罰の対象になります。

銃刀法違反に対する罰則

拳銃の不法所持の場合、1年以上10年以下の懲役、猟銃の場合は1月以上5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

銃刀法違反に対する罰則
拳銃の不法所持 1年以上10年以下の懲役
猟銃の不法所持 1月以上5年以下の懲役または100万円以下の罰金

武器等製造法違反に対する罰則

銃や大砲を製造した場合の法定刑は3年以上の有期懲役。

営利目的で銃や大砲を製造した場合の法定刑は無期若しくは5年以上の有期懲役又は無期若しくは5年以上の有期懲役および3000万円以下の罰金です。

また、銃弾を製造した場合の法定刑は7年以下の懲役又は300万円以下の罰金、営利目的で製造行為をした場合の法定刑は、10年以下の懲役又は10年以下の懲役および500万円以下の罰金です。

いずれの場合も未遂犯を処罰する規定があります。

武器等製造法違反に対する罰則
非営利 営利目的
銃や大砲を製造した場合 3年以上の有期懲役 ・5年以上の有期懲役
・5年以上の有期懲役および3,000万円以下の罰金
銃弾を製造した場合 7年以下の懲役または300万円以下の罰金 ・10年以下の有期懲役
・10年以下の有期懲役および500万円以下の罰金

銃の作成・製造が行われる背景

一般人によって銃の作成・製造が行われる事件が起きている背景には、インターネット経由で銃の製造方法に係る情報が容易に入手できるようになったことがあります。

さらに、3Dプリンターの登場によって、素人でも簡単に銃のパーツを制作できるようにもなっています。

製造ノウハウも材料も簡単に手に入る時代に

インターネット技術の発達に伴い銃を作るために必要な知識も材料も簡単に手に入る時代になりました。専門的な知識を持つ人でなくても銃を作成できてしまう環境がそろってきているのです。

実は、火縄銃のような原始的な銃は、知識さえあれば簡単に作れてしまうものです。

インターネット上には銃の作り方を紹介する動画なども出回っています。さらに、銃の材料も意外と簡単に手に入ります。

銃の作成に必要な材料は、ホームセンターで購入可能な資材や、花火を違法に分解して入手できる黒色火薬といった普通に市販されているありふれた物品です。ホームセンターで足りない部品も通販で調達できます。

材料費も安く、組み合わせるだけで作れるため、作成のハードルはかなり低いといえるでしょう。

3Dプリンターで誰でも銃のパーツが作成できる?

銃の製造ノウハウの普及という面では、3Dプリンターの登場による影響も否定できません。

3Dプリンター用にデザインされた銃器のデータはインターネット上で頒布されているため、比較的容易に入手できます。

現在家庭用の3Dプリンターでは樹脂が使われるので、すべてのパーツを3Dプリンターで作るのは強度の面で現実的ではないかもしれません。

しかし、銃のスプリングなど銃の作成に必要な金属製の部品は通販で購入可能です。

さらに、技術の進歩によって、近年、金属造形が可能な3Dプリンターも登場しています。

今後このタイプの3Dプリンターの価格が下がれば簡単に実弾を発射できる銃を作れるのではないかという懸念も指摘されているところです。

ダークウェブで違法製造の銃や火薬が取引されている場合も

ここまでは一般的なウェブサイトや動画サイトの話をしてきましたが、いわゆるダークウェブ、闇サイトで銃や火薬などの密売が行われている可能性もあるといわれています。

また、ネットオークションやフリマサイト、SNSなどに違法に製造・改造された銃の取引に関する情報が掲載されていることもあるようです。

ネットにあふれる銃の作成ノウハウ情報を規制できるか

有害な情報と表現の自由

一般人が銃を自作できるようになった原因の1つは、ネットにアクセスすれば簡単に銃の作成ノウハウが手に入ることです。

現在、作り方を紹介することは禁止されていません。しかも、インターネットの世界に国境はありません。
翻訳機能の発達によって言葉の壁も取り除かれ、銃規制がゆるい国から発信される情報にも簡単に触れられるようになりました。

こうした銃の作成ノウハウといった情報を規制するといった対策も考えられますが、実際には表現の自由の兼ね合いもあり規制は難しいといえます。

誹謗中傷やヘイトスピーチなども含め、こういった一般的に「有害」と思われる情報の発信や表現活動を規制する場合、その規制が行われることで正当な表現活動まで規制されてしまうリスクがあります。

こうしたリスクを考えると、表現の規制には慎重な対応が求められるといえるでしょう。

法規制の限界という問題もある

さらに、現実問題としてSNSの投稿や動画で銃の作り方の情報が出回っているわけではすが、その中には海外から配信されているものも少なくありません。
こうした海外発の情報については、そもそも日本の法律で規制するのが難しいという側面もあります。

もちろんYouTubeやTwitterといったプラットフォーム側では自主的に、銃の作成ノウハウ紹介に代表される危険な投稿や投稿者のアカウントを削除するといった対応をとっています。

しかし、こうした自主規制にも限度があり、問題のある投稿が表に出てから削除・アカウント停止といった措置がとられるまでにはタイムラグが生まれてしまいます。

犯罪に悪用されかねない情報をどう規制していくかは、今後の課題といえるでしょう。

まとめ

銃の自作は犯罪ですし、そもそも作成する行為自体が死の危険と隣り合わせの危険な行為です。

自作の銃に使われる黒色火薬は不安定で、発火しやすいという特徴があり、一般の方が想像以上に扱いが難しいものです。

火薬量の調整ミス、不慮の引火によって銃が暴発し、作成した人間の命を危険に晒すリスクもあります。

銃の自作は違法、かつ作成者にとっても非常に危険な行為です。興味本位で安易に手を出すのはやめるべきでしょう。

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