盗撮事件の慰謝料~被害者から請求される金額の相場は?

被害者の女子大生と示談金

盗撮事件での慰謝料金額の相場

盗撮事件だけではなく、何かしらの犯罪行為をしてしまった場合には、刑事事件として取り扱われて刑罰を受けるだけではなく、民事的な問題として争われる場合もあります。つまり、盗撮行為によって被害者が精神的な損害を受けたようなケースなどでは、それに対する賠償として慰謝料を請求される場合があります。

もちろん、被害者の心の傷が大きければ多いほど、慰謝料も高額になってきます。ただ、被害者の所有物を壊したから弁償して欲しい、怪我を負わされたから治療費を払って欲しい、などというような賠償金額が分かりやすい事件であればいいのですが、盗撮行為による精神的損害に対する慰謝料は「精神的な損害」ですので、簡単に金額を算定することはできません。

しかし、簡単に金額を算定することはできないとは言っても、おおよその「相場」というものはありますので、まずは慰謝料の相場がどのような金額であるのかについての説明をします。

盗撮の慰謝料とは?

慰謝料とは「精神的な損害に対する賠償金」のことです。盗撮事件の場合には、「盗撮事件のせいで心に負った傷に対する賠償金」ということになります。当然、盗撮行為をされたら嫌な気持ちになるはずですし、それが原因で何らかの精神的な病気になってしまうことや、仕事や学校などに行けなくなってしまう事も考えられます。このような精神的な被害に対して、加害者は金銭で賠償しなければなりません。

盗撮行為に対する慰謝料の相場は?

どのような場所で、どのように盗撮をしたのか、盗撮した映像をどのように取り扱ったかなどの盗撮行為の内容や、被害者にどれだけの精神的損害が立証されそうであるのかにもよりますが、おおよその示談金の相場としては、10万円~50万円という金額に落ち着くと言われています。

ただし、先程の金額はあくまでも相場です。例えば、今まで盗撮行為をしたことはなく、電車内でスマホを差し出そうとはしたものの実際には撮影は成功しなかった場合と、女子更衣室内の映像をビデオで録画するという盗撮行為を繰り返しした上に、その映像をネット上で販売していたような場合を比べると、慰謝料に明らかに差が出るのは当然のことです。

初犯であることや、盗撮行為の悪質性が軽微であると判断されるような場合であれば、慰謝料は低くなります。これに対して、常習的に盗撮をしていたり、あるいはインターネット上に盗撮画像をアップロードしていたりするような場合になれば、場合によっては相場の範囲を大きく超えて、慰謝料を支払わなければならないケースもあります。

盗撮行為の慰謝料が高額になった事例

一般的に、盗撮行為に対する示談金は、10万円~50万円が相場でしたが、慰謝料の金額が高額になった事例を紹介します。

公衆浴場の女子更衣室や、女性用浴場の内部を盗撮し、女性の脱衣風景や全裸姿が撮影・編集されたDVDを販売していたが、その中に納められていた被害者の全裸姿は同意なく盗撮されたものでした。このDVDは商業用DVDとして相当数が制作・販売されていた上に、インターネットでも商品の広告がされており、不特定多数の第三者が容易にそれらの存在や内容を見ることができる状態になっていました。

判決では、被害者の同意なく公衆浴場における盗撮映像をもとにDVDを制作・販売した行為が、被害者のプライバシー権・肖像権を侵害している事を認めて、当該DVDを制作・販売した会社及びその代表者に、合計で慰謝料600万円、弁護士費用として60万円、合計660万円の支払いが命じられました。

このように、盗撮していた映像を販売・公開していたような場合には、盗撮行為での慰謝料の相場を大きく超えた金額になる場合もあります。

慰謝料と示談金はどう違うの?

盗撮事件が発生すると、加害者側は示談をして事件をおさめようとすることが多いです。その際には示談金が支払われることになるのですが、この示談金と慰謝料は違うものなのでしょうか。被害者側の目線で見ると、加害者から支払われる金銭という意味では同じようにも思えます。しかし、加害者側から見ると、示談金と慰謝料を別に支払わなければならないのか不安にもなるかもしれません。そこで、慰謝料と示談金の違いについて説明します。

盗撮事件の示談金とは?

簡単に説明すると、示談金とは、「盗撮事件を終わらせるために加害者から被害者に差し出されるお金」のことです。加害者としては、できるだけ早期に示談をまとめてしまった方が刑事処分の内容が有利に働く可能性を高めることになりますので、「盗撮事件を当事者間では終わったことにする」ために、示談交渉をします。

この示談交渉の中で、被害者と加害者側の双方で合意に至り、示談を成立させるために支払う金銭が「示談金」です。

盗撮事件の示談金と慰謝料は関係する

ここまでに説明した慰謝料と示談金のそれぞれの意味をまとめると、下の表のようになります。

慰謝料 盗撮事件のせいで心に負った傷に対する賠償金
示談金 盗撮事件を終わらせるために加害者から被害者に差し出されるお金

これを見ると、慰謝料と示談金は全く別のものではないか、と思われるかもしれませんが、この2つは密接に関係しています。

なぜなら、示談が成立した場合に作られる示談合意書の中では、「今後一切の民事上の請求をしないこと」という条件が付けられることがほとんどだからです。慰謝料の請求は民事上の請求になりますので、このような条件が含まれている示談が成立した場合には、示談金とは別に慰謝料を請求することはできなくなってしまいます。また、盗撮事件の示談金は、被害者への慰謝料のような意味合いもありますので、民事事件で通常認められるような慰謝料額を参考にして決定されることが多いです。

このように、慰謝料と示談金はあくまでも別物ではありますが、示談金は慰謝料の金額が基準になっており、基本的には慰謝料と示談金のどちらか一方のみを受け取ることになるなど、盗撮事件では2つが密接に関係しています。

慰謝料と示談金の関係についての注意点

慰謝料と示談金が重なり合っており、通常はどちらか一方のみになるとはいっても、それはあくまでも実情としてそのような場面が多いというだけのことです。

もちろん示談が成立しており、「今後一切の民事上の請求をしないこと」という条件があれば、慰謝料を重ねて請求することはできません。しかし、慰謝料の支払いを受けたからと言って、必ずしも示談をしなければならないということでもありませんし、場合によっては示談金を受け取らないこともできます。

示談金の用意をしたのに示談できないのでは加害者は不満かもしれませんが、慰謝料が被害者の権利である以上仕方のないことでもあります。少しでも示談成立の可能性を上げるためには、盗撮事件に強い弁護士に依頼することが重要になります。

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盗撮事件の示談交渉の流れ

未成年が盗撮行為をした場合の慰謝料

盗撮事件を起こすのが成人男性だけであるとは限りません。未成年者が盗撮行為に及ぶケースも多くあります。

しかし、加害者が未成年であることだけを理由に、慰謝料の支払い義務がなくなるということはありません。慰謝料請求が争われる民事上では、一般的に12歳~13歳程度の判断力があれば、慰謝料の支払義務が認められるとされています。自分の行為の意味を分かっていれば、同時に責任もしっかりと生じるということです。

したがって、例えば17歳の高校生であっても、電車内でスカートの中をスマートフォンで撮影するなどの盗撮行為をした場合には、当然慰謝料を請求されることになりますし、支払わなければならないということになります。

盗撮事件で慰謝料を請求されたら弁護士に相談!

盗撮事件を起こしてしまったら、慰謝料の支払いの問題がどうしても出てきてしまいます。特に示談が成立しなかった場合には、ある日突然、慰謝料の支払いを請求する内容証明郵便が自宅に届いて、慰謝料を請求されるということだってありえます。

しかし、まだ処分が確定していない段階であれば、示談交渉との関係もありますので、請求された慰謝料をそのまま支払えばいいというものでもありません。慰謝料の金額が適正なものであるのか、請求された慰謝料を支払ったほうがいいのかどうかなど、一般の方には判断が難しいことも多いです。

このように、盗撮事件で逮捕された場合には、慰謝料を支払うべきかなど、どのように対応すればいいか分からない場面が多く出てきます。盗撮事件では弁護士の経験なども重要になってきますので、必ず盗撮事件に強い弁護士を選んで相談するようにしましょう。

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