無期刑(無期懲役・無期禁錮)と終身刑との違いは?~日本の刑罰~

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刑務所

無期懲役とは、期限なしで一生にわたり懲役刑を受けるというもので、日本の自由刑の中では最も重いもの。しかし10年以上の懲役を受ければ、刑法に定められた仮釈放の可能性がある。一方で重罪への厳罰化の傾向も強まり、現在では平均受刑期間は31年程度だ。

日本の刑罰~無期刑、無期懲役などについて

刑罰とは、罪を犯した者に国家権力が科する制裁のことで、単純に刑、または刑事罰とも呼ばれます。刑罰は受刑者がはく奪されるものの内容により、生命刑、自由刑、財産刑に分類されます。

生命刑とは死刑を意味し、自由刑には懲役、禁錮、拘留があり、財産刑は罰金、過料、没収となります。

本項では、受刑者の自由を奪うことにより犯罪に対する報いとしての苦痛を与えることが目的となる自由刑のうち、無期刑(無期懲役、無期禁錮)について考えてみます。

自由刑の中で最も重い「無期刑」

現在の日本の刑罰で、自由刑の中で最も重いものは「無期懲役」と「無期禁錮」の二つがある「無期刑」です。

「無期懲役」とは、期限なしで一生にわたり懲役刑を受けるというものです。

「無期禁錮」とは、同じく期限なしで一生にわたり禁錮刑を受けるものです。

しかし「無期禁錮」は、死刑、無期懲役に次いで重い刑罰ですが、刑法や刑事訴訟法などの刑事法において、内乱罪、爆発物使用罪、爆発物使用未遂罪のみに定められている非常に稀なもののため、戦後の憲法が発布されて以来、裁判で無期禁錮になった人はまだ誰もいません。

ちなみに禁錮とは、懲役と違い所定の作業を行わなくても良いのですが、独房の中でも自由に動き回ることは許されず、常に看守に監視されるものとなるため、考え方によれば懲役よりも厳しいものと言えます。

これらの「無期懲役」と「無期禁錮」は合わせて「無期刑」と呼ばれ、それに対して期限の定められた自由刑は「有期刑」と呼ばれます。つまり無期刑は、刑が執行される時点で、期限が決まっていない自由刑のことです。

「無期刑」と「終身刑」の違いは?

「無期刑」と極めてよく似た刑罰に「終身刑」があります。しかし「終身刑」は日本の刑事法には存在しません。

「終身刑」というのは、死ぬまで刑事施設に収監される刑である反面、「無期刑」は刑期を決めずに刑事施設に収監される刑となります。

「無期刑」と「終身刑」は、意味は同じであって表現が違うだけで、自由刑として終身にわたり刑事施設に収監されることは同じであり、仮釈放の可能性があるものを「無期刑」、ないものを「終身刑」とするのは誤りとされています。

刑罰の減免措置や恩赦による仮釈放については、刑罰とは別で考えるべきとされ、たとえ「無期刑」でも仮釈放が認められなければ終身にわたり収監されたままですし、「終身刑」があったとしても仮釈放の可能性はあるわけです。

一方で死刑廃止などの議論は続けられており、今後の刑事法改正で、仮釈放の可能性がない「無期刑」あるいは「終身刑」が定められる可能性はありますので、刑事事件にかかる法律に興味のある方は、論議の動向に注目するのも良いでしょう。

テレビなどでは間違った表現が繰り返されているようですので、日本の刑事法上に「終身刑」という定めがないことは覚えておきましょう。

少年法における「不定期刑」

日本の刑事法上に定められている自由刑で、「不定期刑」があります。

これは少年法で用いられている刑罰で、あらかじめ刑期を定めずに言いわたされる自由刑となります。

「不定期刑」の考え方は刑期を定めない自由刑となるため、「無期刑」とよく似ていますが、少年法は受刑者の更正に主眼に置いていますので、成人への刑罰とは違い、将来の釈放を前提とし、あえて刑期を厳密に決めないものです。

「無期刑」の期限はどのくらいなのか?

「無期刑」には刑期が定められていませんが、実は仮釈放制度による刑期の目安があります。

刑務を真面目にこなし、檻の中の生活でも問題を起こさずに模範囚として過ごせば、「無期懲役」の判決を下されていたとしても、いずれは仮釈放を許され、社会に戻ることができるのです。

「有期刑」でも、真面目に務め上げれば刑期前に出所できる仮釈放の時期というのは、初犯だったり、身元引受人がしっかりしていたりすることなどの諸条件はありますが、こちらにも目安があるのです。

2005年の刑法改正で「有期刑」が最長30年となる

かつて、「無期刑」の場合の刑期は15年だと言われていた時代がありました。

現在においては短いと感じる方も多いかもしれませんが、昔は「無期刑」の刑罰を下されても、刑務所内で真面目に務め上げれば、そのくらいで仮出所が可能だったのは事実です。

しかし2000(平成12)年を過ぎたあたりから社会情勢が変化してきます。

飲酒運転などを筆頭に刑法の厳罰化が叫ばれはじめ、世論の風潮を受けて刑法が改正されることになりました。

2005(平成17)年1月施行の刑法等の一部を改正する法律において、それまで「有期刑」は最長20年だったのですが、30年に引き上げられたのです。

刑法(改正前)

(懲役)
第十二条 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上十五年以下とする。
(有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
第十四条 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては二十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。

刑法(改正後)

(懲役)
第十二条 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。
(有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
第十四条 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮を減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合においては、その長期を三十年とする。
2 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。

※以上、抜粋

厳罰化で問題となる、仮釈放後の生活

上記の刑法改正に伴い、「『無期刑』の仮出所時期が、『有期刑』の最長刑期より短いのはおかしい」という指摘が強まり、現在では「無期刑」の目安は30年超となっています。

法務省の「無期刑の執行状況及び無期刑受刑者に係る仮釈放の運用状況について」(平成28年11月)によると、平成27年末時点での在所無期刑者数は1,835人、同年の無期刑新受刑者数は25人、無期刑新仮釈放者数は9人でした。

この無期刑新仮釈放者の平均受刑在所期間は31年6月となっています。

「無期刑」の仮釈放が引き延ばされた理由は、「有期刑」とのバランスを取るためという理由の他、昔に比べて日本人の平均余命が延びたことによって、社会人として暮らせる期間も延びたためだとも言われています。

しかし刑法改正前の受刑者にとっては、15年ほどで仮釈放されると思っていたら、さらに15年も刑務所にいなければならなくなったと、改正を恨む声が聞こえてきそうです。

また、若いうちに重大な罪を犯して「無期懲役」の刑罰を下されてしまった場合、真面目に務めて仮釈放が認められ社会に戻ったとしても、すでに50歳を超えていることになります。

余程のコネや伝手でもなければ、社会復帰は困難だと考えられます。

さらに30歳代、40歳代で「無期懲役」の刑罰を下された場合、仮出所できる頃には老人と呼ばれるような年齢になっています。

それ以上の年齢であれば、生きて出所できるかどうかも微妙になってきます。

重大な罪を犯した者に対する厳罰の厳格化の流れは避けられないところですが、服役中の受刑者が真面目に刑務に服すことができるかどうか、更生する意欲を無くしてしまうのではないかという懸念もあり、議論が続けられているところです。

「無期刑」と仮釈放制度

以上のように、「無期刑」は仮釈放と密接な関係にあります。

仮釈放を許すかどうかを判断するのは、全国8カ所にある地方更生保護委員会で、刑事施設の長からの申し出、または自らの判断に基づいて審理が開始されるものです。

地方委員会の委員が直接受刑者と面接を行い、必要に応じて被害者やその家族、検察官などにも意見を聞き、合議によって個々の受刑者について判断が下されます。

仮釈放の判断基準は?

仮釈放についての規定は、刑法第28条に定められています。

刑法

(仮釈放)
第二十八条 懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。

要するに、「無期刑」の場合は刑の執行が始まってから10年が経過し、受刑者に「改悛の状」(犯した罪を悔い改め、心を入れ替えること)があれば、仮釈放の可能性はあるというものです。しかしいくら反省していても、受刑者の発言や書いた文章だけで判断されることはありません。

改善更生の意欲の強さや、被害者に対する謝罪の念あるいは実際に行ったかどうかとその内容、また受刑中の態度、釈放後の生活計画の有無なども判断の材料となり、被害者等の感情や収容期間、検察官の意見などの社会の感情も重視されるところです。

仮釈放は、更生意欲を引き出すための制度

社会情勢の変化により重大な罪に対する厳罰化の傾向が強まっていますが、反面、受刑者の更生意欲は削がれてしまいます。

反面、以上の説明にあるように仮釈放制度は、受刑者の更生意欲を引き出すための制度とも言えるでしょう。

特に「無期刑」の場合は、この制度なしで受刑者が刑務所で真面目に生活を続けることは難しいのではないかと思われます。

ちなみに、仮釈放となれば社会復帰は可能ですが、保護観察は一生にわたり受けることになります。

犯した罪の重さが消えるわけではないのです。

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