軽犯罪法違反とは?罪に問われる可能性のあるケースと処分・罰則の内容

小便小僧

軽犯罪法違反とはどんな罪なのか

軽犯罪法は、社会の秩序を乱すおそれのある、比較的軽微な犯罪行為を取り締まるための法律です。

軽犯罪法1条には、軽犯罪法の取り締まり対象となる行為が全部で33個規定されています。

これらの違反する行為をした場合は検挙・起訴され、ペナルティとして1日以上30日未満の身柄拘束(拘留)、または1000円以上1万円未満の金銭徴収(科料)が科せられるおそれがあります。
このペナルティはすべての違反行為に共通の罰則で、他の刑法などの法定刑に比べても非常に軽いのが特徴です。

軽犯罪法違反に問われる可能性のある代表的な行為

軽犯罪法違反に問われる行為には、私たちがふだん暮らしている中で「悪気なく、ついやってしまうかもしれない」行為も多数含まれています。

ここでは、軽犯罪法違反にあたる行為のうち、特に代表的なものを紹介します。

軽犯罪法違反にあたる行為(代表例)

  • 立ちションする行為
  • つきまとい行為・人の行く手をさえぎる行為
  • 空き地で焚き火をする行為
  • 女子トイレなどでの覗き行為
  • 公共の乗り物内での痴漢・盗撮行為
  • 許可なくビラやポスターを街角に貼る行為
  • 行列への割り込み行為
  • 嘘の通報をする行為
  • 警察官のコスプレをする行為

立ちションする行為

道や公園、線路といった公共の場で、たんやつばを吐く、あるいは大小便を排泄する行為は禁止されています(軽犯罪法第1条27号)。道端や公園で立ちションする行為も軽犯罪法違反にあたる行為です。

つきまとい行為・人の行く手をさえぎる行為

ストーカー行為に代表されるつきまとい行為も、軽犯罪法違反となる行為です(軽犯罪法違反28号)。また、他人の進路に立ちふさがる行為や、誰かを取り囲むような行為も同号で禁止されています。

もっとも、ストーカー行為については、行為の内容・程度によっては、ストーカー規制法違反に問われる可能性もあるので注意が必要です。もし該当する行為をした場合は、軽犯罪法違反の場合よりも重い罪に問われることになります。

空き地で焚き火をする行為

建物の塀の近くや森林といった、周囲に燃え広がるおそれのある場所で不用意に焚き火をする行為も、火気乱用の罪として処罰の対象になる可能性があります(軽犯罪法1条9号)。

さらに、ガソリンなど引火しやすいものの周りで火を燃やす行為も同様です。

女子トイレなどでの覗き行為

女子トイレや他人の住居、銭湯その他「人が通常衣服をつけないでいるような」場所を覗き見する行為は、窃視の罪(軽犯罪法1条23号)に該当します。

なお、実際の行為の様子によっては、迷惑防止条例違反や住居侵入罪に問われる可能性もあります。

公共の乗り物内での痴漢・盗撮行為

公共の乗り物内での痴漢行為や盗撮行為は、「著しく粗野な言動」として粗野・乱暴の罪に該当し、軽犯罪法違反(軽犯罪法1条13号)に問われます。

ただし、行為の悪質度、あるいは被害者の年齢によっては、強制わいせつ罪、児童ポルノ禁止法などより重い他の罪が成立する場合もあります。

許可なくビラやポスターを街角に貼る行為

正当な理由もなく、電柱などにビラやポスターを貼り付ける行為は、はり札の罪(軽犯罪法1条28号)として処罰の対象になります。

ちなみに、広告ポスターなどを勝手にはがす行為についても、同号の標示物除去等の罪が成立します。

行列への割り込み行為

バス待ちやチケット売り場などの行列で割り込み行為をすると、行列割込み等の罪(軽犯罪法1条13号)が成立します。

嘘の通報をする行為

実際には犯罪が発生していないにも関わらず、110番に嘘の通報をする行為などについては、虚偽申告の罪が成立します(軽犯罪法1条16号)。

警察官のコスプレをする行為

警察官でもないのに警察官だと名乗ったり、本物の勲章に精巧に似せたレプリカを着用したりする行為は、称号詐称・標章等窃用の罪(15号)にあたる可能性があります。

本物そっくりの警察官や自衛官、消防士の制服を着用し、コスプレをする行為も罪にあたる可能性があるため、ハロウィンなどでコスプレをする予定がある人は十分ご注意ください。

軽犯罪法違反以外の罪が成立する場合もあるので注意

行った行為が他の刑罰法規で定められた犯罪にも該当する場合は、軽犯罪法違反の他に、刑法上の犯罪やその他特別法に規定された犯罪が成立する可能性もあります。

たとえば、他人の住居に侵入して、こっそり家の中を覗き見した場合は、軽犯罪法1条23号違反の他、住居侵入罪(刑法130条前段)も成立します。

軽犯罪法違反の罰則は刑罰法規の中ではもっとも軽いため、他の罪に問われたときのペナルティは、軽犯罪法違反に問われたときよりも重くなる傾向があります。先ほどの住居侵入罪であれば、1ヶ月以上3年以下の懲役または1万円以上10万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

軽犯罪法違反で逮捕される場合はあるのか

軽犯罪法違反は比較的軽微な犯罪です。そのため、検挙されたとしても、逮捕・勾留といった身柄拘束は受けないで済むケースが大半といえます。ただし、場合によっては、逮捕されてしまうことがあるので注意が必要です。

通常逮捕の場合

逮捕状を請求して行う通常逮捕は、以下のどちらかの場合にのみ可能となっています。

  • 住所不定の場合
  • 正当な理由もないのに警察や検察の呼び出しに応じない場合

警察から任意の出頭を求められたにも関わらず、軽い気持ちで出頭を拒否していると逮捕されるおそれもあります。出頭要請には素直に応じるようにしましょう。

現行犯逮捕の場合

現に犯罪を行っている、あるいは犯行直後の犯人をその場で逮捕する現行犯逮捕は次のケースのみで可能となっています。

  • 住所不定の場合
  • 氏名不詳の場合
  • 逃走のおそれがある場合

逆に、上記以外のケースでは、現行犯逮捕もできません。

軽犯罪法違反で捕まるとどうなるのか~検挙後の流れ

軽犯罪法違反では、逮捕されるケースはそこまで多くありません。しかし、逮捕されなかった場合も検挙されたことには変わりなく、そのまま在宅で取り調べを受けることになります。

検挙後、警察や検察による取り調べが終わると、今度は検察官が起訴するかどうかを決定します。そして、起訴が決まると刑事裁判の手続きが始まります。

軽犯罪法違反はもともと罰則が軽いため、何ヶ月も刑務所に入ったり、高額の罰金を科されたりすることにはなりません。しかし、それでも起訴され、有罪が確定した場合には前科がついてしまいます。

実際の裁判で無罪判決を確保するのは難しいことです。したがって、前科がつくのを避けるためには、まず起訴を避けることが重要です。

軽犯罪法違反で不起訴処分を勝ち取るためにやるべきこと

起訴の判断では、被疑者の態度や心情が見られています。被疑者が積極的に被害者への償いの気持ち、あるいは反省を示すことで、検察官の心証が良くなり、不起訴処分を得られる可能性も高くなってきます。したがって、起訴を避けるためには、起訴が決まるまでの間に言葉や行動で反省の気持ちを表すことが非常に大切です。

被害者との示談

被害者がいる犯罪の場合は、被害者と示談することが大切です。その場合、被害にあった人に謝罪し、賠償金を支払って、許してもらうようにお願いすることになります。

もし示談が成立した場合、示談書といわれる書面に「被害者が加害者の処罰を望まない」旨を一筆書いてもらうのが一般的です。

日本の刑事裁判手続きでは処分を決めるときに、被害者の処罰感情が重視されます。示談が成立し、相手に許してもらえれば、それだけで不起訴処分が得られる可能性は高くなるといえるでしょう。

贖罪寄付

被害者がいない場合、被害者と示談できない事情がある場合は、弁護士会などの公的団体に贖罪寄付を行うことで、罪を償う気持ちを示すことができます。

贖罪寄付とは、反省、あるいは罪を償う気持ちを表すために行う寄付のことです。寄付を行うと寄付先の団体が証明書を発行してくれるため、情状証拠として検察や裁判所に提出することが可能になります。

軽犯罪法違反にあたる行為をしたら弁護士に相談を

万が一身内、あるいは自分自身が軽犯罪法違反にあたる行為をし、検挙されそうになったら、ぜひ弁護士にご相談ください。

被害者となった方と示談交渉を行うなど不起訴処分を獲得するのに必要な様々な弁護活動を行うほか、法的なアドバイスをすることもできます。事件を早期解決に導くためにも、早めに相談されることをおすすめします。

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