刑事裁判の手順(4)冒頭陳述

冒頭陳述

冒頭陳述イメージ

まずは事件の内容を詳しく説明する

検察官は「起訴状朗読」で、被告人は「罪状認否」で、この裁判における自分の主張を明らかにします。そしていよいよ本格的な裁判の審理が始まるわけですが、基本的に裁判官は公正中立であり、新聞やTVニュースなどで報道された事件に関しても“何も知らない”という立場で裁判に臨むわけです。

したがって、まずはこの裁判で扱う事件とは、どんな事件なのかという事を、まず法廷で明らかにしなければなりません。そこで行われるのが「冒頭陳述」と呼ばれる手続きになり、刑事事件の場合は検察側から冒頭陳述を始めます。

検察は証拠を示して何があったかを説明する

冒頭陳述が真実とは限らない?

冒頭陳述では、事件の内容を起訴状以上に詳しく説明します。被告人の生い立ちから事件当日、犯行に至るまでの行動、あるいは犯行手口といった事件の詳細な内容が、最初は検察官によって語られるわけです。
この時、事件の流れを説明しながら、供述調書や具体的な証拠が「甲○号証」とか、「乙×号証」といった番号付きで示されます。

傍聴席にまで裁判資料は配られませんので、傍聴に来ている事件の関係者や傍聴人には何の事かはわかりません。しかし裁判官や弁護側には、検察官の持っているモノと同じ資料がありますので、その資料を見ながら検察官の冒頭陳述を聞くわけです。

ただ注意する点は、この冒頭陳述で語られる事件の内容は、あくまで“検察(警察)目線で見た事件”であることです。被告人自身がまとめた陳述でない以上、被告人が本当に犯行を思いついたのはいつだったのか、犯行の後に被告人は何を思ったのかなど、警察の捜査官や検事の想像が含まれる可能性は否定できません。

冒頭陳述は、捜査段階で被告人(当時は「被疑者」)が取調べで語った「供述調書」を元に作られています。しかし、警察や検察による取調べは密室で行われている以上、極端なところ誘導尋問が行われている可能性すらゼロとも言えません。検察(警察側)の立場からの説明であることを考慮せず、冒頭陳述の内容をそのまま受け入れてしまうと、審理の冒頭から被告人が世にも稀な極悪人のような印象にもなってしまうため、注意が必要です。

弁護側は冒頭陳述をしない事もある

検察官の冒頭陳述が終わると、本来の流れからいうと次は弁護人による弁護側の冒頭陳述です。ただ最初から被告人が起訴容疑を全面的に認めている量刑裁判だと、弁護側は冒頭陳述を行わないケースが珍しくありません。
起訴容疑に関しては特に争う気はないわけですから、検察側と同じく犯行を犯す被告人の様子を冒頭陳述で語ったとしても、被告人のメリットになりません。また、似たような内容の冒頭陳述を行うことは時間の無駄・時間稼ぎと捉えられる恐れもあります。

こうしたことから、通常の刑事裁判で弁護側が冒頭陳述を行うのは、起訴容疑を真っ向から否定して無実を主張する否認裁判の時が多くなります。
否認裁判で弁護人が行う冒頭陳述は、まるで推理ドラマのように、検察官の行ったそれと比べると同じ事件なのに全く違った解釈となります。

もちろん、この冒頭陳述は、検察官とは対極の“弁護人目線でみた事件”となりますので、それが真実であるという保証はありません。趣味で見に来るような傍聴人にとってはドラマ的で面白い展開かもしれませんが、裁判官は真逆に思える検察側・弁護側双方の主張から真実を見つけなければならないわけです。

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