禁錮と懲役、どちらが重い刑罰か?

「懲役」と「禁錮」、同じ自由刑だけど、どう違う?

自由刑とは刑事裁判で下される刑罰で、有罪となった者の自由を大幅に制限するモノです。「拘留」に比べて刑期が長くなる「禁錮」や「懲役」は実刑判決が出れば普通は刑務所に行くことになります。では「禁錮」と「懲役」の違いは何でしょう?二つの刑罰を区別するのは、労役義務があるか、ないか?とう違いです。

禁錮は30日以上、刑事施設に収容されて身柄を拘束される刑で労役義務は科せられていません。それに対して懲役は30日以上(30日未満の「懲役」はない)禁錮と同じように刑事施設に収容されて身柄を拘束された上、労役の義務が科せられるわけです。

禁錮と懲役、どっちが楽か?短期なら禁錮だが・・・

天秤

つまり禁錮には労役義務がないのですから懲役に比べて楽なような気がします。確かに刑法における刑罰の重さも自由刑の場合は、
拘留<禁錮<懲役
という考えになっているようです。

ただホントに禁錮が楽な刑かというと、実はそうでもありません。確かに数ヶ月程度の刑期であれば居室の中で過ごしていればいいのですから、平日は毎日「工場」と呼ばれる作業場に行って、様々な作業をやらせるよりは楽でしょう。しかし人間、やる事が何にもないという状況におかれるとだんだん退屈に耐えられなくなります。

禁錮刑は、基本的に居住用の部屋に入れられたままですので気晴らしに散歩なんか出来ません。平日であれば「運動」と呼ばれる屋外で過ごす時間がありますが自分の好きな時間に勝手に出歩くことは出来ないわけです。それこそがまさに自由を奪う自由刑だといえるでしょう。

ですから余程の怠け者でない限り、禁錮刑をくらうと退屈な日々に我慢が出来なくなり自主的に労役を希望するケースがほとんどです。

どんな犯罪を犯すと禁錮刑になる?

刑事事件を起こして裁判で有罪になった場合、判決でどんな刑罰が下されるかは刑法や特別刑法で決まっています。ですから刑法や特別刑法でその犯罪を犯した場合に禁錮刑が設定されていれば、有罪になった時禁錮を言い渡される可能性があるということです。

禁錮刑の判決が出やすい犯罪とは

実際に禁錮刑が設定されている犯罪は結構あります。しかし大半は懲役刑も併記されており、有罪だった場合に禁錮を言い渡すか、懲役刑に処するのかは裁判官の判断に委ねられているわけです。ただ一般的な傾向として禁錮刑の判決が出やすいのは政治犯罪や過失による犯罪だと言われています。

政治犯というと何やら現政権の打倒を狙った不穏な犯罪の匂いがしますが選挙違反もある意味政治犯です。刑期もそれほど長期にはならないケースが多いことから禁錮刑に処させることがあります。

過失といえば代表的なのは交通事故

普通は罰金刑で終わる交通事故で刑務所に行くような刑になるというのは、被害者の方が非常に重い後遺症の残る大怪我を負ってしまった場合とか最悪は死亡してしまった場合です。そんなわけで政治犯や過失による犯罪で有罪になった場合に禁錮刑になる可能性が高いのですが、近年は自由刑といえば懲役が下されるケースがますます増え禁錮刑になるケースは減っています。

前述の通り禁錮刑で刑務所に収監されてもほとんどの受刑者が労役を希望しますので、最初から懲役でも構わないと思われているのかもしれません。

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