痴漢示談を専門の弁護士へ相談すべき理由
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痴漢示談を相談する弁護士は選ばないといけない?
痴漢事件の被疑者となった場合、本人やご家族の方はまず「弁護士」への相談を検討されることと思います。さて、たいていの場合、弁護士の知り合いがいるという方はまず少ないでしょうから、「弁護士探し」からはじめることになるでしょう。しかし、ここで適当に弁護士を選んでしまうと、後悔するような事態になってしまうかも。特に痴漢案件においては、どの弁護士に依頼するかが非常に重要なポイントになります。
弁護士は全ての事件に精通しているわけではない
一般的なイメージでは、「弁護士って司法試験に合格していて、六法全書も全て暗記しているんでしょ?だったらどんな事件であっても対応できるんじゃないの?」と、このように考えられることも多くあります。もちろん、法律を用いる技術には長けていますので、ある程度の対応はできますが、経験が多い分野と、あまり経験のない分野というものがどうしても存在しており、あらゆる分野に精通している弁護士というのはいません。
司法試験では、基本的な法律知識や処理方法に関することが試験範囲とされており、直接実務を学ぶわけではありません。司法試験に合格した人が、司法修習であったり弁護士として実際に活動していったりする中で様々な実務経験を積み、より専門的な分野を極めていくという構造になっています。
例えば、メインとして取り扱う業務が企業案件の弁護士、少年事件がメインの弁護士、女性側の離婚がメインの弁護士、そして、痴漢案件がメインの弁護士、というように同じ弁護士でも主に取り扱う案件には差があります。当然、取り扱っている件数が多い分野は得意分野になりますし、取り扱ったことがない分野は得意分野とは言えません。
例えば、外科医に調子が悪くなった猫を連れて行ったとしても診てもらうことはできませんし、逆に、自分がかぜをひいたときに動物病院に行ったとしても診察はしてもらえませんよね?少し極端な例でしたが、同じように痴漢で逮捕されたのに、会社相手の案件や、離婚についての案件を中心に活動している弁護士に依頼しても、満足の行くサービスを提供される可能性は低くなります。
離婚などの民事中心の弁護士が多い
もちろん、全ての弁護士がそうではありませんが、たいていの弁護士のメイン業務は離婚や相続、借金、交通事故などの民事事件です。そのため、そもそも刑事事件を取り扱っていないという弁護士も多くいますし、仮に取り扱っていたとしても国選の事件を少し扱う程度、という弁護士が多い実情があります。
その理由としては、弁護士だって仕事で弁護をしており事務所を経営していますので、より効率的にお金を稼ぎたいのは当たり前です。その中で、仕事がイレギュラーになる刑事事件は扱いにくい案件になります。もちろん、無罪を勝ち取ったりすれば刑事弁護でも成功報酬はしっかりと入って来ますが、多くの経験がある民事事件を中心に扱った方が、弁護士業務の経営効率は良くなるという面があります。
国選弁護人への相談は避けるべき
痴漢で逮捕された場合、国選弁護人という当番の弁護士に相談・依頼することができますが、これは出来るだけ避けた方がいいです。費用はかなり抑えることができますが、どんな弁護士が来るかわからないため、痴漢事件が得意な弁護士かどうかは分かりません。その日たまたま当番だったというだけで、急を要する上に、今後の人生も左右する痴漢案件の依頼をできるでしょうか?
また、国選弁護人として登録している弁護士の中には、「仕事が少なく、国選の仕事も欲しい」「刑事事件の経験が少ないのでこれから経験を積みたい」などという弁護士もいます。例えば、弁護士資格取り立ての新人さんが経験のために登録しているというケースや、仕事の受注数に恵まれていない弁護士が経営の安定のために登録しているというケースなどですが、痴漢で逮捕されて依頼をする側としてはあまり歓迎すべきではない事情と言えます。
刑事専門弁護士の中でも痴漢示談に強い弁護士とは?
刑事事件を熱心に取り扱っている弁護士の数が、民事事件中心の弁護士に比べて少ないという状況ですが、それでも検索すれば「刑事事件に自信あり!」という広告を掲載している弁護士事務所は見つかります。
ただ、ここでも更に注意が必要です。一言に「刑事事件」と言っても、どんな種類の刑事事件を中心に取り扱っているかによって、更に専門性が高まるからです。少年事件を専門に取り扱っているのか、覚醒剤事犯を中心に扱っているのか、交通事故についてなのかなど、「刑事事件を専門にしている」ことを売りにしている法律事務所であっても、必ずしも痴漢事件に強いとは限りません。
そのため、痴漢示談を相談する弁護士を探す場合には、今までの実績として痴漢事件が紹介されていたり、「痴漢事件に強い」ことがしっかりと書かれていたりする弁護士に相談することをおすすめします。
痴漢示談は弁護士への相談・依頼が必要
痴漢事件で被害者女性との示談を成立させるためには、弁護士への相談・依頼が必要となります。ここでは、なぜ当事者同士では示談交渉を進めるのではなく、弁護士へ相談する必要があるかを説明します。
被害者女性の連絡先は弁護士でないとわからない
ほとんどの痴漢事件では、被害者女性との面識はありませんので、相手の連絡先をもともと知っているということはほとんどありません。
それでは、警察官や検察官に対して、示談交渉のために被害者女性の連絡先を教えて欲しいと警察などに伝えて、被害者女性に連絡先を伝えてもいいか確認があったとして、被害者女性は加害者男性と顔を合わせたくないと考えている事が多く、連絡先を伝えることに同意することはほぼ無いでしょう。
示談交渉がこじれる可能性がある
痴漢事件では、被害者女性が、加害者男性と直接面会したくない場合が多く、面会することで純粋に嫌悪感を覚える場合もあります。また、被害者女性が未成年だった場合などには、被害者の両親と示談交渉する場合もありますが、この場合も同様です。
もし仮に、被害者女性の連絡先がわかったとしても、上で説明したように、加害者男性が直接訪問して謝罪の意向を示すことで、被害者側の感情を害してしまって、示談交渉がかえってこじれてしまい、示談成立が遠のく場合もあります。
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痴漢示談には弁護士の経験が重要
様々な種類の事件ごとに、それぞれのコツやノウハウが存在します。だからこそ、それぞれの弁護士が専門分野を見つけて経験を積んでいくのですが、痴漢の示談では、特にその経験が重要になります。ここでは、なぜ痴漢示談では弁護士の経験が重要になるかについて解説します。
迅速な対応が必要
痴漢事件では、現行犯逮捕されて、勾留請求までの間にできること、起訴判断までにできること、場合によっては、その後の保釈申請など、弁護士がすべき対応は多くありますが、全て厳格な時間制限がついてきます。普通の民事事件であれば、次の相談日までにゆっくりと調べておくというような対応も可能ですが、痴漢事件は緊急性が高く、そのような悠長なことは言ってはいられません。
痴漢事件で示談を成立させたとしても、示談成立が遅すぎると、不起訴を勝ち取るなどの目的を達成することができなくなってしまいます。そのため、痴漢事件の示談をスムーズ成立させるためにはまず何をすべきか、いつまでにどういったスケジュールで動くべきか、ということを、今までの経験から瞬時に判断できる弁護士でなければいけません。
痴漢示談は実務経験でしか学べない部分が多い
痴漢事件に関する用語として。接見、保釈、勾留決定、示談など、司法試験受験生でも用語としては充分理解しているものですし、一般の方であってもニュースなどで聞いたことのある言葉なのではないでしょうか。しかし、実際にどのような対応をいつするのかは、弁護士が実務の中で経験を重ねることで身につけるスキルです。
検察官との交渉、被害者との示談交渉。被害者の連絡先を聞くなど、痴漢案件の対応の知識があればできるだけ早急に行わなければならないことを知っていますが、経験がない弁護士だと、この段階でさえ悠長に対応してしまうかもしれません。また、場合によっては会社への対応や、家族への対応も必要になりますが、これも知識だけではなく今までの経験が重要になってきます。
特に、被害者女性との示談交渉は最も経験が重要になってきます。示談交渉をスムーズに取りまとめるには、被害者女性の感情にも配慮しつつ、適切な示談金の金額などを調整しなければなりません。ここで、経験豊かな弁護士が真摯に上手く交渉を進めることで示談成立の可能性が高まりますが、要領の悪い弁護士が相手の感情も考えずに対応してしまうと、被害者女性の感情を害してしまい示談がまとまらなくなってしまう可能性もあります。
痴漢示談を相談する弁護士の選び方のポイント
刑事事件、痴漢案件の依頼を考えている場合には、以下のポイントを押さえて弁護士を選ぶとよいでしょう。
痴漢事件の実績がある弁護士
痴漢示談を相談する場合には、まず刑事事件を取り扱っている法律事務所に相談する必要がありますが、それだけですと痴漢事件の経験があるかどうかまでは分かりません。そこで、実績として痴漢事件が紹介されているかどうかや、痴漢事件に強いと明記されているか、痴漢事件に強い事務所として紹介されているか、などを判断材料にする必要があります。
営業時間・営業日の限定が少ない弁護士
もちろん弁護士も人間ですので、どうしても休日・定休日・営業時間がありますが、刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所は土日も対応しているなど、このような限定が少ないことが多いです。「痴漢で逮捕されたときにすぐに連絡がとれる」「すぐに接見に来て欲しいという声に応えることができる」「いつでも警察署に行くことができる」「示談交渉の日程も相手に合わせて、早い日程で調整する」など、時間問わず対応できることが痴漢事件では大きなメリットになります。
相談・連絡がスムーズな弁護士
痴漢で逮捕された依頼者との信頼関係を構築するためにも必要な要素ではありますが、同時に、示談交渉の能力としても考えることができます。依頼者とこまめな連絡、スムーズな相談ができない弁護士が、被害者女性との示談交渉を上手くまとめることができるとは思えません。
痴漢の示談交渉は、痴漢事件に強い弁護士に相談!
痴漢で逮捕された場合には、早急に身柄が拘束されるかどうか、会社を解雇されずにすむか、前科をつけずに痴漢事件を解決できるかなど、全ては、どんな弁護士にどれだけ早期に相談することができるか、にかかっています。不起訴を勝ち取るためには、示談交渉を成立させることが有効な対策ですが、被害者女性との示談を上手く取りまとめることができるかどうかは、依頼した弁護士の手腕に左右されることになります。
痴漢事件の示談交渉など、依頼してからの対応は弁護士に任せればいいのですが、依頼するまでの弁護士選びは、全て依頼者とご家族で行うしかありません。人生を左右する選択ですので、後悔のないように、「痴漢事件に強い弁護士」へ相談するようにしましょう。
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