家族が痴漢で逮捕されたら~まず弁護士に相談!身内の逮捕に家族ができること

手錠をかけられているスーツの男性

家族が痴漢で逮捕されたら早期の身柄釈放が重要

もしも、自分の身内が痴漢で逮捕されたという連絡が警察から来た場合、ご家族の方が動揺してしまうということは想像に難くありません。「刑務所に入ってしまうの?」「勤めている会社はクビになるの?」などというような、多くの不安や疑問をどうしても感じてしまいます。ただ、痴漢で逮捕された場合、弁護士に相談するなどして、早期に対応するかどうかが、今後の流れを大きく左右することになり、場合によっては社会生活に大きな影響を与えずに済むような場合もあります。まずは、家族が痴漢で逮捕されてしまったときに何を目指すべきかについて解説します。

痴漢で逮捕されて特に対応をしなければ、その後、勾留、起訴、裁判と続くことになります。もし、勾留までの期間を身体拘束された状態のままでいると、かなりの長期間身体拘束が続くことになります。「かなりの長期間」といってもイメージがわかないかもしれませんが、例えば、実際に起訴されるまで何の対策も取らずに、勾留が続いたとすると、起訴されるまでに最長で23日間の身柄拘束をされることになります。

23日間身体拘束されるということは、それだけの期間、本人が外部と連絡をとることができなくなるということです。会社勤めをしている場合には、23日間もの間、何の連絡もなく欠勤が続く事になってしまいます。そうなると、勤務先にも痴漢で逮捕されたという事が知られてしまう可能性もありますし、痴漢の事を知られなかったとしても、長期の無断欠勤を理由に解雇されてしまうことも考えられます。

さらに勾留されている間は、留置場等での生活を強制されることになります。毎日厳しい取調べを受ける上、起床から就寝に至るまで全てが監視下にあります。加えて、エアコンがなかったり、好きなものを食べられなかったり、友人などにも会えなかったりするような劣悪な環境下では、心身共にストレスが溜まる一方です。ストレスに耐えかねて、自らに不利な証言までしてしまう可能性もあります。

つまり、逮捕された本人の疲弊や、社会生活に与える悪影響なども考慮すると、すぐに弁護士に相談をした上で、可能な限り早期の身柄釈放を狙うことが重要になります。

痴漢で逮捕された身内に家族はいつ面会できる?

痴漢で逮捕される場合、車内や駅のホームなどで被害者女性から痴漢行為を指摘されて、女性による現行犯逮捕として検挙されることが多くなっています。そうなると、身内が痴漢で逮捕されたという事実をご家族が知るのは、警察からの突然の電話がきっかけになります。

いきなりの警察からの連絡に驚くかと思いますが、そこで悠長にしている暇はありません。上で述べたように、痴漢で逮捕された場合には早期の身柄釈放を目指すことが重要ですので、できるだけ迅速な対応をしなければなりません。ただ、早期の対応が必要であるとしても、まずは逮捕された事情を詳しく知る必要がありますし、今後どう進めていきたいか本人の意思も確認しなければなりません。そのため、本人と面会できないことには話が始まりません。

ここでは、弁護士に依頼していない場合に、家族はどのタイミングで本人と面会することができるのかについて解説します。

痴漢で逮捕されてから勾留決定されるまで

逮捕されてから勾留が決定するまでの間は、家族であったとしても本人と面会することはできません。逮捕後から勾留決定までは最長で72時間かかりますので、最大で3日間、本人とは一切、直接連絡をとることができなくなります。

したがって、この段階においては、家族独力で本人の意思を確認することは一切できません。しかし、逮捕された方が会社員の場合には3日間何も対応をしないと、その段階で社会生活に影響が与えられてしまう可能性が十分あります。弁護士であれば勾留決定前にも面会することが可能ですので、この段階で面談を行いたい場合には弁護士への相談を行う必要があります。

勾留決定後から起訴まで

勾留が決定された後は、最大で20日間、身柄拘束された上で取調べを受けることになります。勾留決定後は、通常、家族は本人と面会できるようになります。
ただ、好きなタイミングに好きなだけ勾留されている方に会えるわけではありません。あくまでも本人は取調べを受けなければならない身です。そのため、警察署にいないこともありますので、家族が面会を希望する場合には、まずは本人が留置されている警察署に連絡を入れて本人がいることを確認した上で、時間をしっかりと指定して面会に行く必要があります。

さらに、家族の面会は、警察官の立ち合いの下で、15分~20分程度に限定されています。このような状況と時間で、今後の対応についての方針や刑事裁判に向けた具体的な相談をすることは、逮捕されるという初めての体験で、逮捕された方もその家族も動揺していることもあり、ほぼ不可能と言えるでしょう。

なお、場合によっては接見禁止処分がつけられてしまうことがあります。接見禁止処分がついた場合には、家族であったとしても本人に面会することはできなくなってしまい、弁護士のみしか面談をすることができなくなってしまいます。つまり、家族だけでは本人とコミュニケーションをとることが不可能な状況が生まれてしまいます。ただし、痴漢で逮捕された場合には滅多に考えられないので、この点はあまり心配する必要はないでしょう。

身内が逮捕されたときに家族がすべきことは?

ここまでの話をまとめますと、逮捕後勾留決定前に家族面会は一切不可、勾留決定後も家族面会は限定的なもの、ということでした。ここまで読んだ大半の方は、家族が面会して対応を進めていくのはかなり厳しいという感想を持たれたのではないでしょうか。

しかし、弁護士に依頼していると状況はがらりと変わります。そもそも検察に勾留しないように働きかけることも可能ですし、勾留期間が延長するのを防ぐために尽力することもできます。

仮に、接見禁止処分がついていた場合であっても、弁護士だけは長時間の接見をすることができますし、あるいは早々に被害者の方との示談交渉をまとめて不起訴処分を勝ち取ることが可能な場合もあります。

逮捕された家族が再び元通りの社会生活へと復帰していくために家族としてできることは、急いで情報収集をし、刑事事件・痴漢案件に詳しい弁護士に相談に行くことです。まずは本人の意思を確認してから、と考える方も多いですが、逮捕後に冷静な判断ができない本人が混乱したまま、家族面会ができる段階(勾留決定)まで進んでしまうだけでも、社会生活に影響を与える可能性は十分あります。

ここでは、身内が逮捕されたときに、家族が具体的にできることを紹介します。

痴漢事件に強い弁護士を選ぶ

上で紹介したとおり、勾留決定までは家族だけでは面談ができず、逮捕後しばらくの間、そもそも本人と会話をすることさえ難しい状況が続くことになります。そうなると、どのような弁護士に依頼するのかの相談もできません。

それならば、「本人が自分で弁護士に依頼すればいいのでは?」と思われるかもしれません。確かに、現在は当番弁護士という制度が用意されておりますので、本人が希望すれば、当番弁護士の派遣を依頼することができます。ただし、どんな弁護士が来るかは事前にわかりません。刑事弁護があまり得意ではない弁護士かもしれませんし、痴漢事件の経験がほとんどない新人の弁護士が来る可能性もあります。もしも、満足できない弁護士がきたとしても、変更の希望をすることができません。

つまり、留置場等で勾留されて身体拘束を受けている本人が、痴漢事件の経験が豊富で刑事事件に強い弁護士を選ぶことが一切できない状況に置かれているということです。そのため、インターネット上などで痴漢事件に強い弁護士を急いで探す必要があります。

逮捕された家族への差し入れ

家族から逮捕されてしまった身内に対して、衣類などの生活必需品を差し入れることができます。また、留置場では必要品を購入する必要があるので、現金を差し入れることも忘れないようにしてください。ただし、全てのものが差し入れ可能というわけではなく、それぞれの警察署によって多様なルールが設けられていますので、事前にどんなものが差し入れ可能かを警察署に確認しておくと良いでしょう。

家族面会

弁護士に依頼した場合、弁護士がしっかりと接見をしてくれているので手続き上の心配はありませんが、ご家族による面会もするようにしてください。逮捕された身内の方もご家族に直接会うことで安心できるようになります。

会社への対応

逮捕された本人としてもできるだけ穏便に済ませたいという心情があるはずです。痴漢で逮捕されたことを知られたくないでしょうし、そのまま職場に復帰できるのが一番と考える方が多いです。

取り急ぎ、欠勤する旨を伝えることを忘れないようにしておきましょう。もちろん、逮捕されてからどれだけの期間で身柄が釈放されるかにもよりますが、欠勤の連絡をしておくことで、職場復帰がスムーズにいく可能性が高まります。ここで、身体拘束期間の見立てについても、弁護士さんとしっかりと連絡を取ることで、状況を把握できるようにしておくとよいでしょう。その見立てによって、会社の欠勤理由をどのようにするかを決めるとよいでしょう。

示談金、弁護士費用、保釈費用などの準備

痴漢で逮捕された場合にはどうしてもお金も必要になってきます。相談料、着手金等を含めた弁護士費用だけでなく、依頼後に示談が成立した場合の示談金、場合によっては保釈費用も必要となる可能性もあります。

このように、ある程度のまとまった金額が必要となってきます。円滑に進めるためにもご家族でお金の都合だけはしっかりとつけるようにしておきましょう。

家族が痴漢で逮捕されたら弁護士に相談!

身内が痴漢で逮捕されてしまった場合には、弁護士以外はすぐに面会することすらできないなど、ご家族だけではどうしようもないことがたくさんあります。しかし、特に痴漢事件については、ご家族がどれだけ早く対応をするかという点に全てがかかっていると言っても過言ではありません。

身内が逮捕されたと警察から連絡があった場合に、ご家族の方は大きな不安やショックを受けると思いますが、まずは冷静になって、痴漢事件に強い弁護士を探して相談するようにして下さい。その後に落ち着いて、家族としてできるサポート、家族にしかできないサポートを本人のためにしてあげるのが一番いい方法です。

弁護士と一口にいっても、離婚・相続・交通事故・借金・刑事など様々な分野があり、それぞれの弁護士によって経験豊富な分野と、そうではない分野がどうしてもあります。そのため、刑事事件を主に対応しているような痴漢事件に強い弁護士に連絡をとることをおすすめします。

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